現職の米大統領の肖像がアメリカの硬貨に登場するのは、100年ぶりとなる見通しである。スコット・ベセント財務長官は水曜日、米造幣局がトランプ米大統領の肖像をあしらった1ドル金貨の製造を開始する方針を明らかにした。この硬貨はアメリカ独立250周年を記念するもの。
財務省と米造幣局は硬貨の販売開始時期を明らかにしていない。価格や発行枚数についても未発表。
トランプ金貨のデザイン内容
ベセント氏はX上でデザインを公開した。 表面にはトランプ米大統領の肖像とともに、「Liberty」「In God We Trust」「1776-2026」といった銘が刻まれる。裏面には国鳥である鷲を配したグレート・シールが採用された。
この図案には、水曜日に発表された以上に長い経緯がある。米財務官のブランドン・ビーチ氏は2025年10月に初期ドラフトを認めている。初期の裏面には、拳を振り上げるトランプ氏と「FIGHT, FIGHT, FIGHT」の文字があったが、最終版では国鳥の図案が採用された。
今回の1ドル硬貨は、3月に承認された別の24金記念硬貨とは異なる。
トランプ氏が今年初めに任命した審査委員会、米国美術委員会がこの記念硬貨を承認した。この硬貨には机にもたれかかるトランプ氏の姿が描かれ、最大で直径3インチ規模に限定される見通し。
現職大統領が米通貨に登場する法的論点
1866年の法令では、生存中の人物が米通貨に描かれることを禁じている。現職の大統領が在任中に硬貨となった例は一度のみ。カルビン・クーリッジ氏は1926年の半ドル硬貨でジョージ・ワシントン氏と共に描かれ、フィラデルフィア万国博覧会資金調達のために議会が承認した。
バイデン政権は2020年制定の「記念流通硬貨デザイン法」を根拠にあげる。 トランプ氏がこの超党派法案に2021年1月13日、大統領任期終了の1週間前に署名した。これにより財務省は、2026年中のみ独立250周年記念デザインの1ドル硬貨を鋳造できる。
同法は、故人・生存者を問わず、記念硬貨の裏面に人物肖像を描くことを禁じている。新デザインは表面にトランプ氏、裏に鷲をあしらうことでこの条項を回避した。法専門家はこの条項や1866年の規定を根拠に、硬貨の適法性に疑問を呈している。
財務当局はデザイン意図を隠していない。
「我が国250周年を迎えるにあたり、国家と民主主義の不朽の精神を表現する硬貨を準備できることを誇りに思う。このような記念硬貨の表面に、現職大統領であるドナルド・J・トランプ氏以上にふさわしい肖像はない」 とビーチ氏は述べた。
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一方、反対派はこの記念硬貨が通貨の政治利用であり、伝統から逸脱すると主張している。同硬貨は今月、市場や議員を二分した一連のトランプ氏による政策変更とも重なっている。
収集家が今後注視すべき点
この硬貨は法定通貨とみなされ、プルーフ版・未流通版とも発行が認められる。また連邦準備制度理事会や財務省は流通・収集用の供給を維持することが義務付けられる。ただし、造幣局は発行枚数・価格・発売日を明らかにしていない。
発行期間は限定される。2026年にのみ記念1ドルの製造が認められ、2027年以降は通常デザインに戻る。期間制限により、造幣局のセット発行数にかかわらず供給量も限定される。連邦法は、政府が損失を出してこれらの硬貨を販売することも禁じている。
今回の発表は、ベセント氏がトランプ氏の肖像をあしらった250ドル紙幣を発表してから数週間後のこと。同日、財務省はイラン関連暗号資産1億3000万ドル相当を凍結している。
トランプ氏の肖像はすでにデジタル資産にも登場しており、ミームコインは議会で倫理的問題として議論されている。昨年636万ドルの利益を生んだとされる。一方、現物金は本年の米・イラン対立局面では米株を下回るヘッジ資産となった。
新硬貨が日常流通となるか、少量発行のコレクションとなるかは未発表情報に左右される。今後数週間で公表される造幣局の製品スケジュールが判断材料となる見通し。









