ボールを打て、ウォーシュ元理事が発言 FRBはインフレ最重視、SPYや債券に反応

  • ウォーシュ氏は、市場関係者に「審判ではなくボールに集中すべきだ」と述べた。
  • FRB議長は2%の目標を擁護し、より緩やかな目標を否定した。
  • SPYはプラス圏に転じ、利回りは低下、ビットコインは$64,237付近で推移した。
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米連邦準備制度理事会(FRB)のケビン・ウォーシュ議長は水曜日、市場関係者に対し、自身の意図ではなくデータに基づいて取引を行うよう求めた。市場参加者は審判ではなくボールを見ることを学びつつあると述べた。

この発言は、連邦公開市場委員会(FOMC)が9対3の多数で金利を据え置いた数時間後に出された。ウォーシュ議長は、この決定を「利上げ停止」と表現することを拒否した。

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ウォーシュ議長が市場に「ボールを見よ」と告げた理由

ウォーシュ議長は記者会見で1つのメッセージを強調した。インフレ率は目標を上回っており、委員会は引き下げる意向。

FOMC声明では、政策金利の誘導目標を3.50%から3.75%の範囲に据え置いた。声明には今後の指針が盛り込まれず、ジェローム・パウエル前議長時代からの明確な転換。

またウォーシュ議長は、柔軟な目標の考え方も否定した。過去5年間の高水準な物価上昇が、FRBが2%超のインフレを静かに容認してきたという印象を残したと指摘。

6月のコア消費者物価指数(CPI)に関しても、単月の数字よりもトレンドこそ重要であり、9週間ではインフレは解決しないと強調した。

「我々は物価安定を実現する」。ウォーシュ議長はこう保証した

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ただし、これはある条件付きの約束だった。ウォーシュ議長は、必要に応じ適切と判断すれば、委員会はためらわず行動すると述べた。同氏の発言は、6月の初会見でリスク資産を下押しした際のトーンから転換。

債券・SPY・ビットコインの反応

ウォーシュ議長は、名目・実質ともに利回りが米国債利回りカーブ全体で大きく上昇していると指摘。FRBは価格形成に介入せず、市場のシグナルがそのまま反映されるよう努める姿勢を示した。

10年債利回りは4.650%付近から4.620%へとやや低下。本会合までの1週間、市場は追加利上げ観測と、3人の反対票投票を注視してきた。

SPDR S&P 500 ETFトラスト(SPY)は742.00ドルに上昇し、0.17%のプラス圏へ。金スポット価格も4100ドルを突破し、セッション中の最高値を更新した。

ビットコイン(BTC)も反発に追随。ビットコインの直近の値動きは6万4237ドル付近で、24時間で0.84%上昇。時価総額は1兆2900億ドルに達した。

ビットコイン、債券利回り、金、SPYの価格推移 出典:TradingView
ビットコイン、債券利回り、金、SPYの価格推移 出典:TradingView

もっとも、世界的な債券利回りの急上昇を受け、長期債は依然として上値が重い状況。

ピーター・シフ氏が「ウォーシュ議長は実現できない」と指摘する理由

この見方に全ての市場関係者が同調したわけではない。ユーロ・パシフィック・アセット・マネジメントのチーフエコノミスト兼CEO、ピーター・シフ氏は、変わったのは言葉だけだと主張する。

「ウォーシュ議長が2%インフレ目標の新たなコミットメントについて強調していても、これまでのところ、政策金利やバランスシート運営で従来と異なることは一切していない。従来通りの運営のまま」とシフ氏は指摘した

シフ氏は、この根拠として長期債利回りの動きを挙げた。投資家はFRBの約束を額面通りには受け取らず、米国債を売却し金を買っていると述べた。

ウォーシュ議長は、今後数週間を「見守る」期間ではなく、「熟慮する」時期だと表現した。9月には、データが審判ではなく自身の意見に同意するかが試される。一方でトランプ米大統領は同議長を「卓越した人物」と評価している。

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