AIエージェントが助言機能にとどまらず、銀行の実取引領域へ進出している。スイスのシグナム銀行は、顧客資産をフルカストディ下で保管したまま、AIエージェント経由でリアルタイムのオンチェーン取引を実行した。実証では独自開発のMCPサーバーを採用し、基盤モデルにはアンソロピックのClaudeを使用。秘密鍵は顧客端末内で管理される仕組みである。
AIを取引領域へ 銀行各社が開発競争
各金融機関は数カ月にわたり、AIエージェントを助言ツールからライブの取引執行まで推進してきた。この潮流は、規制下の銀行やデジタル資産カストディアンにも広がっている。
シグナムは、ライブのオンチェーン取引向けにAIエージェントを導入したスイス初の規制銀行になったと発表。顧客が平易な言葉でリクエストを入力すると、エージェントが各工程を設計し、スマートコントラクトを精査、リスクを警告した上で、取引を承認手続きへ返送する。
すべての署名が顧客端末上のセルフカストディ型ウォレットで行われるため、秘密鍵が手元から離れることはない。ステーブルコイン移動、資産スワップ、オンチェーンレンディング、トークンラッピング、流動性追加などが主な用途。
「AIエージェントがウォレットと接続することは、金融の将来の基盤だ。今後10年で、エージェントが顧客の代理として取引・決済・市場参加を担うようになる」 シグナム銀行AI&データアナリティクス部門責任者でAI@Sygnumリードのトーマス・フレイ氏は語った。
シグナムだけではない。アンカレッジ・デジタルも5月に、AIエージェントが規制銀行の決済網を用いて資金移動できるAgentic Bankingを発表した。
FISとアンソロピックも提携し、エージェント型AIを銀行分野へ推進。まずは金融犯罪対策のAIエージェントをマネーロンダリング対策へ投入した。
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