元BitMEX CEOでMaelstromのCIOのアーサー・ヘイズ氏は12日、世界的なAI軍拡競争が法定通貨クレジットの歴史的な急増を引き起こしたと指摘した。同氏によれば、ビットコインがこの恩恵を最も受けているという。
最新のニュースレターで、ヘイズ氏は各国がAIへの支出を「生存競争」として扱っていると論じる。中央銀行や商業銀行は、AIインフラ拡充への資金提供を事実上無期限で続けていると指摘する。
アーサー・ヘイズ氏:クレジットチャネルがキャッシュフローに取って代わる
米国のAI関連設備投資は、これまで主に最大手ソフトウェア企業の営業キャッシュフローから賄われてきた。しかしヘイズ氏は、この資金源が枯渇しつつあり、今後は銀行による信用供与が次の成長の原資になると指摘する。
「現在および将来のCAPEX(設備投資)規模は、クレジットチャネルによる資金調達の拡大を必要としている」とニュースレターに記している。
中国では、習近平国家主席が貸出資金の重点を不動産からテクノロジー分野にシフトした。米連邦準備制度理事会(FRB)や中国人民銀行も、AIインフラの構築支援のため金融環境を緩和している。
ヘイズ氏は「ジェヴォンズの逆説」に触れ、モデル効率が向上しても計算需要が加速度的に高まる理由を説明する。
Simple Miningの研究者もヘイズ氏の見解に共鳴し、AI関連CAPEXが国家安全保障問題となりビットコイン需要を押し上げていると述べる。
ペンタゴン契約でストーリー強まる
ホワイトハウスAI・暗号資産担当のデイビッド・サックス氏も同様の主張を強調し、AI CAPEXによって今年の米国GDP成長率が2%押し上げられると見積もる。
サックス氏は、モルガン・スタンレーのメモを引用し、来年には3%超への貢献もあり得ると指摘する。
「AIの進歩を止めることは、米国経済を止めるのと同義だ」と同氏は述べた。
国家安全保障という枠組みは、5月1日にさらに強まった。米国防総省はAI導入の契約を大手8社と締結。この中にはグーグル、マイクロソフト、アマゾンウェブサービス、エヌビディア、オープンAI、リフレクションAI、スペースX、オラクルが含まれる。
ビットコイン支持者のサイモン・ディクソン氏は、こうした一連の動きが緊急的な資金創出を正当化する「作られた危機」だと指摘する。
「米国の国債負債はAI救済策の財源となり、エネルギー企業が利益を得る。危機が存在することでFRBによる債券購入の口実が生まれる。緊急の資本配分にはストーリーが必要。そのため、国家安全保障や中国とのAI軍拡競争といった物語が生まれる」と同氏は説明する。
バブルリスクとビットコイン取引
ヘイズ氏は、この拡大基調を持続的とは見ていない。大型のAI関連IPOやM&Aによって熱狂が終わる可能性を指摘。また、2028年の米大統領選で民主党候補から反AI的な論調が出ると、資本供給先にも早期に圧力がかかると分析する。
また、電力や商品価格の高騰が、11月の米国中間選挙に向けてポピュリスト的な反発を招く可能性もある。
こうした調整が本格化するまで、ヘイズ氏は法定通貨の供給拡大は続くとみる。ビットコインは本年、6万ドル付近で底値を付けたと見ており、今後はビットコインが12万6000ドルに戻る可能性が極めて高いと考える。
価格が9万ドルを超えて売り方の買い戻しが始まれば、上昇ペースが加速すると予想する。
投資家は、AIインフラ投資や中央銀行の政策、電力市場、今後の大型IPOなどを通じて、サイクル転換の兆しを注視している。
こうした変化の兆候が現れるまで、ヘイズ氏はビットコインの最も抵抗の少ない道は上昇だと論じている。
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