ビットコイン最大の起爆剤は半減期ではない 米国債務が30万ドル到達の原動力か

  • バーンスタインは、ビットコイン価格が30万ドルに達するとの予測を、半減期ではなく政府債務に根拠を置くようになった。
  • アメリカの債務が40兆ドルを超えた週に、財務省は国債の買い戻し規模を倍増させた。
  • バルチュナス氏は、通貨価値の低下を背景にIBITとGLDがAI関連ファンドを上回っていると述べた。
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バーンスタインは、ビットコイン(BTC)の価格目標を2027年半ばまでに15万ドル、2029年までに30万ドルと設定した。根拠は半減期ではなく米国政府の債務。ビットコイン価格の最大要因は、現在債券市場にあると大手証券は指摘している。

このタイミングは見逃せない。今月、米国の債務は40兆ドルを突破。ビットコインが6万ドル台半ばから約8万1200ドルへ1週間で急騰したきっかけは、暗号資産のニュースではなく米財務省の発表だった。

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米国債務がビットコイン最大の要因となった理由

米国の公式債務は40兆ドルに到達。記録を更新したのは8月19日。過去10年で2倍超に膨らんだ。

バーンスタインのゴータム・チュガニ氏率いるアナリスト陣は、新たなリポートで、過去40年にわたる金利低下局面はすでに終了したと指摘。金利上昇は今後、財政赤字と新たな借入負担のさらなる増加につながるとしている。

この堂々巡りの状況下、ワシントンはより静かな道を選ぶとバーンスタインは予想。支出削減よりも通貨価値の減少を容認する見通し。その選択は、政府が発行できないビットコインや金のような資産に有利となる。

同社の基本シナリオは、2027年半ばまでに15万ドル、2029年サイクルのピーク時で約30万ドル。機関投資家の動きが活発なら、2029年に50万ドル、2033年には約100万ドルも試算。

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足元の値動きもこうした流れを裏付ける。ビットコインは2025年10月に12万6000ドルの高値後、半値近く下落。ただ、過去の4年サイクルでみられた77%~84%の暴落に比べてはるかに軽微だった。過去4年サイクルの例もある。

債券市場が主役に

きっかけは8月19日だった。スコット・ベセント財務長官が長期国債の買い入れを一度2億ドルから4億ドルに倍増。30年物国債利回りは5.337%と2007年以来の高水準を記録、その後5.17%台へと戻した。

市場はこの動きを金融緩和のシグナルと読み取った。ビットコインは数時間で10%上昇し7万2000ドル超え。17億4000万ドル分のショートポジションが清算され、記録的な規模となった。現在、7万8238ドル付近で推移している。

ビットコインの価格動向と米30年債利回りチャート 出典:TradingView
ビットコインの価格動向と米30年債利回りチャート 出典:TradingView

トレーダーはこの動きをデバスメント(通貨切り下げ取引)と呼び、各国政府が支出削減よりも通貨価値低下を選ぶとの賭けとしている。金は1999年以来の好調な月間実績を記録、銅も最高値で引けたばかり。

ブルームバーグ・シニアETFアナリストのエリック・バルチュナス氏は、このトレードがAIブームの地位を奪いつつあると見解。ブラックロックのビットコインファンドIBITや金のファンドGLDが、再び取引高上位10銘柄入りし、半導体関連ファンドから入れ替わった。

一方、Maelstromのアーサー・ヘイズCIOも暗号資産サイドから同様の見方を示す。同氏は、ベセント財務長官の動きを受けてリスク資産の購入を推奨し、相場上昇の再開に暴落は不要との見方。

「彼らは早く、そして頻繁にお金を刷ると思う。ふと気付くとビットコインが25万ドルになっているだろう。何が起こったのか。特段の金融危機はなかった」――ヘイズ氏は最新インタビューでこう語った。

実例もある。2023年3月、シリコンバレー銀行の破綻後の連邦支援で市場が落ち着き金融環境が緩和。ビットコインは2万ドル付近から2025年の最高値まで上昇した。

ビットコインSOPR比率チャート。長期保有者の利益確定売りと、最大要因が米国債務に移行する議論 出典:CryptoQuant
ビットコインSOPR比率チャート。長期保有者の利益確定売りと、最大要因が米国債務に移行する議論 出典:CryptoQuant

注意すべき点も残る。CryptoQuantのデータによれば、ビットコインが8万ドルに迫るなか、長期保有者は利食い売りを進めた。他方で、米国現物ビットコインETFは過去10カ月で最大の資金流入となった。

この新規需要が売りを吸収できるかどうかが、「デット・トレード」でビットコインが8万ドルを大きく上回る一因となる可能性がある。


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