金と銀が2026年で最も強い週を記録。ビットコイン(BTC)は静観した。
金は今週、約7%上昇した。銀はその約2倍の上昇となった。ビットコインは1日で0.7%の値動きにとどまった。
金・銀の大幅上昇、ビットコインは取り残される
金は1月以来の最高の週となったとロイターが報じた。ロンドンで金現物価格は週末時点で約6%上昇、その後ニューヨーク市場でもさらに高値をつけた。
金は金曜日遅くに1オンス4,323ドル付近、銀は64ドル近辺で取引された。いずれも数週間ぶりの高値圏となった。
ビットコインは出遅れた。過去24時間で0.7%上昇し、6万5,000ドル付近、時価総額は約1兆3,100億ドルにとどまった。
リサーチアカウントBull Theoryは、金と銀の合計で約2兆7,000億ドルの上昇と試算した。この数字は、発掘済みの全金・銀の合計価値という大まかな規模感であり、正確な数値というわけではない。
試算は単純だ。ワールド・ゴールド・カウンシルによると、2025年末時点で地上に存在する金は219,891トン。1オンスあたり4,323ドルでは総額約30兆ドルとなる。1週間で7%上昇すれば、金だけで約2兆ドルの価値増加となる計算だ。
日本の円買いでキャリートレード圧迫
日本と米国は7月31日に共同で円を買い支えた。両国が円を共に購入するのは1998年以来初めてとなる。
規模は大きく様変わりした。ニューヨーク連邦準備銀行の記録によれば、ワシントンは1998年6月17日、連邦準備理事会と財務省が折半で8億3,300万ドルを投じた。今週の2日間の市場介入規模は最大で850億ドルと市場は見積もっている。
日本銀行の資金フローを見ると、第1弾だけで約590億ドル規模だった。財務省は8月31日に正式な全体額を公表する。
ワシントンはまた、ドルではなくユーロを売却して自国分の円購入資金を調達した。欧州中央銀行は事後にこれを知ったという。
この介入は短期的には効果を見せた。円は1ドル=163.99円まで下落し、1986年以来の安値を記録したが、その後155.23円まで戻し、5%以上の上昇となった。
「さらなる協調介入もためらわない」。スコット・ベセント財務長官はこう述べ、今後も介入の可能性を示唆した。
円高が暗号資産に逆風となる理由
その背景には借入取引がある。長年にわたり、トレーダーは日本で低金利(ゼロ近傍)の円を借り、他国で高収益資産に投資してきた。ビットコインもその対象だった。これはキャリートレードと呼ばれる。
円高はこれらの返済負担を重くする。トレーダーは資産を売却し、返済に充てる。これは理論上の話だが、過去の実例もある。
その事例が2024年8月である。BIS(国際決済銀行)によれば、日本銀行の利上げと米雇用統計の悪化が急激な巻き戻し要因になった。8月5日、日本のTOPIXは1日で12%下落。S&P500も3%下げ、ウォール街の恐怖指数は60を超えた。
BISはキャリートレードの規模も推計している。日本以外での銀行融資残高は2024年3月時点で約40兆円(2,500億ドル)に達し、広義の越境債権は5,000億ドルを超えていた。
つまり今回の円はわずか2営業日で5%以上上昇したが、ビットコインはほとんど反応しなかった。これは不可解な現象である。BeInCryptoは、過去の日本利上げ局面でビットコインが下落した動きを確認しており、今回の落ち着きは対照的といえる。
その説明の1つはアポロ・グローバル・マネジメントによるものだ。同社は、金利差と連動してきた円キャリートレードの法則が崩れていると分析する。この連動が弱まれば、円急騰の影響も限定的となる。
原油安と米利上げ停止観測が金属を後押し
より単純な見方をすれば、金属には独自の上昇要因があったということだ。
ブレント原油は、米国とイランの2週間停戦合意を受けて1週間で10%超下落した。エネルギー価格低下がインフレ懸念を和らげた。
ロイターによると、トレーダーは9月の米利上げの確率を55%に引き下げた。1週間前は63%であった。 米連邦準備制度理事会(FRB)は、7月29日に政策金利を3.50~3.75%で据え置いた。 その据え置き決定は、委員の賛成9・反対3に割れた。
利上げ期待の減少は、利息を生まない金にとって追い風となる。金属相場は、その動きを反映した。暗号資産は追随しなかった。
今、2つの日付が焦点である。まず米雇用統計の発表がある。9月には日本銀行が会合を開く。日銀は7月に金利を1%で据え置いた。植田和男総裁は、インフレリスクが上向いていると警告した。









