ブラックロックは、人工知能(AI)ブームに最も直接関連するAI株への投資比率を引き下げた。グローバル・フィクスト・インカム最高投資責任者(CIO)のリック・リーダー氏が水曜日に明らかにした。リーダーCIOは、今回の売却はリバランスであり、方針転換ではないと説明した。
ブラックロックは、競合他社を上回る顧客資産を管理しており、その投資姿勢は市場の注目を集めやすい。投資家の間ではすでに、AI銘柄への資金集中が行き過ぎているかどうかが議論となっている。
ブラックロックのAI株投資引き下げ、選別重視を反映
リーダーCIOはCNBCの番組で、同氏のチームがAI普及による収益への依存度が高い企業の持ち株を減らしたと語った。別の映像で、株式全体の投資比率も大きく削減したことを明らかにした。
同氏は、テーマ自体からの撤退ではなく「勝ち組の一部利益確定」と位置付けた。
「AIと直接関係性が高い一部の企業について、若干投資比率を下げてリバランスした」と同氏はインタビューで話した。
発言の背景となる運用規模は大きい。ブラックロックの運用資産残高は3月31日時点で過去最高の13兆9000億ドル。SECの届け出によるもの。
ただし、今回のコメントはリーダーCIOが年初から維持してきた投資方針の延長線上にある。6月のCNBCイベントではITバブル期との比較を否定。同氏は、マグニフィセント7の株価収益倍率が26倍前後にあり、今後の利益成長率が20%超で推移している点を指摘した。
1月の見通しでも、AIによって勝ち組と出遅れ企業の差が拡大し、2026年はインカム重視・選別重視の投資が報われると述べていた。
ウォール街でも見解が分かれている。JPモルガンはチップ株の押し目買いを推奨する一方、モルガン・スタンレーはハイパースケーラー銘柄を優先。AI半導体銘柄を巡る見解の分かれは、ブラックロックの選別姿勢とも一致する。
AI資金の次なる投資先
リーダーCIOは、AI導入の恩恵を安価に享受できる分野への資金シフトも示唆した。電力事業者、産業関連、インフラ建設企業などが今後のデータセンター投資先として浮上する可能性がある。
AI供給網全体で利益確定の動きが広がりつつある。AIメモリー関連株は2026年の取引でも依然優勢だが、資金流入の勢いは落ち着きを見せる。今週はサムスン電子株も、大幅な利益増を予想しながらも、投資家の利益確定売りで下落した。
一極集中こそがより深刻な懸念である。S&P500は相場の広がりを欠いた状態で何度も過去最高値を更新しており、ごく一部の巨大企業による指数牽引が続く。
ブラックロックの今年のポートフォリオ提案も同じ方向性を示す。同社は現在、ポートフォリオの1~2%をビットコイン(BTC)とすることを推奨しており、特定AI銘柄以外にも収益源を分散する道を示している。
投資家にとっては、この動きは警戒ではなく、規律重視姿勢の表れである。今後の決算発表シーズンで、主要AI銘柄が現在の高評価を維持できるかが試される。









