米商品先物取引委員会(CFTC)が、「コンピュート」デリバティブ契約に関するパブリックコメントを要請した。これは、生成AIの基盤となるコンピューティングパワーの価格形成市場の監督に正式に乗り出す動きである。
規制当局は8月19日、この要請を発表した。同委員会会長はホワイトハウスの会合で、米国がコンピュート市場を支配することを目指す意向を示した。
当局が求めていること
今回の要請では、コンピュート現物市場の規模や流動性について意見を募っている。操作リスク、顧客保護、永続型コンピュート先物についても対象とした。
意見は連邦官報に公示後60日間受け付ける。今回挙げたテーマ以外にも、コンピュート市場全般について広く意見提出を呼びかけた。
マイケル・セリグ氏は、この取り組みを「AI分野で他国と競争するため」と明確に位置付けた。
「米国がAI競争で勝利するには、強固なコンピュートのデリバティブ市場が不可欠である。このパブリックコメントの募集は、米国のコンピュート市場における明確なルール作りの第一歩だ」と同氏は述べた。
同氏は、コンピュートを「知能経済」を支えるコモディティと位置づけ、かつて米取引所が標準化した工業時代のコモディティになぞらえた。
ワシントンが今コンピュート規則を求める理由
セリグ氏はトランプ米大統領や暗号資産業界の幹部らと出席したホワイトハウスイベントでも、同じ主張を展開した。商務長官のハワード・ラトニック氏をパートナーと名指しし、「コンピュートはデジタルオイル」と称する声もあると指摘した。
「私はラトニック長官や商務省と連携し、米国を世界のコンピュート拠点とする取り組みに誇りを持っている。コンピュートは現代でもっとも重要なコモディティかもしれない。デジタルオイルと呼ぶ人もいる。AI競争に勝つには、米国がこの市場を主導する必要がある」と同氏は述べた。
取引所はすでに当局を先行する動きを見せている。CMEグループとシリコンドータは、規制当局の審査を前提に10月5日に2つの契約の上場を計画している。これらの契約は、GPUの時間貸しコストを測る指数に連動する。
「各契約は、現行AIエコシステムの中核であるNvidia H100と、次世代型Nvidia Blackwell B200それぞれを対象とし、1カ月分のレンタルを表す」と発表資料は説明した。
この議論の行方は、現在コンピューティング能力を販売する暗号資産関連企業にとっても重要である。MARAやCleanSparkなど上場マイナー各社はAIのホスティング収入へと事業を転換し始めている。
2カ月間の意見募集の結果、これら新契約の取引開始前か後か、どちらが先に規則制定されるのかが焦点となる。
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