中国でこのほど、CBDC(中央銀行デジタル通貨)による原油取引が行われた。国有企業の中国石油天然気集団(ペトロチャイナ)は19日、上海石油天然ガス取引所(SHPGX)のプラットフォーム上で、デジタル人民元決済で原油100万バレルを購入した。売主と取引価格は非公開。
なぜ原油の国際取引にCBDCが使われたのか?|脱米ドル化が鍵
CBDCとは、各国の中央銀行(日本は日本銀行)が発行する、デジタル化された法定通貨。中央銀行の債務として発行されるため、国家によって価値が保証されており、価格変動が起きにくいのが特徴。中国のCBDCはデジタル人民元(e-CNY)と呼ばれる。
SHPGXは今回の動きについて、上海市党委員会と市政府の呼びかけに応えたものと説明。両者は以前に「上海市は国際貿易におけるデジタル人民元の応用に積極的に参加する」と共同声明を発表。3月には同社プラットフォームにおいて、中国海洋石油総公司(CNOOC)と仏エネルギー大手トタルエナジーズが、初の人民元決済によるLNG(液化天然ガス)6万5000トンの国際取引を完了している。
中国は過去数年、世界貿易における米ドル支配を弱めるため、人民元建ての石油取引などに取り組み、エネルギー貿易における脱ドル化を推進してきた。ロシアをはじめBRICS各国もこの流れに同調。CBDCはブロックチェーン基盤を活用しており、高速送金と格安の送金手数料を実現できる。そのため、クロスボーダー取引における新たな決済手段として世界各国で実験・検証が進んでいる。
日本銀行では現時点でCBDCの発行計画はないものの、7月にアスターネットワークの渡辺創太CEO率いるスターテイル・ラボらを招聘し、CBDCフォーラム第1回を開催。各国中央銀行の取り組みを検討しながら、日本におけるCBDC導入を検討していく。
ガソリン急騰の裏に原油価格の高止まり|国民から不満の声
日本ではレギュラーガソリン価格が1リットルあたり180円を超え、9月に過去最高値を更新した。政府のガソリン補助金延長によってやや値下がりしたものの、23日時点で173.4円。依然として高止まりの状況だ。背景には原油価格の高騰や円安、中東情勢の緊迫化など複数の要因が関与している。
価格高騰がきっかけとなり、ガソリンの税制度に関しても不満の声が上がっている。ガソリンには、ガソリン税(53.8円/L)に加えて石油石炭税(2.8円/L)と、1Lあたり56.6円の税金がかかっている。さらに、同税金部分に対して10%の消費税もかかる。このため「二重課税にあたるのではないか」と改善を求める声が出ている。
また、ガソリン税の一部(25.1円)を一時的に免除し、消費者の負担を抑える「トリガー条項」についても発動が見送られている。しかし同条項を発動した場合、年間1兆円の税収がなくなるとされており、結局のところ国民の税負担が増える可能性も。燃料価格の上昇を抑えるガソリン補助金について政府は24日、24年4月末まで延長する方向で調整に入った。しかし同補助金についてはすでに6兆円が計上されており、国民の財政負担がさらに膨らむ可能性が指摘されている。
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