クロスチェーンを提供するDeFi(分散型金融)プロトコルMultichain(マルチチェーン)で11日、1億300万ドル(143億円相当)にのぼる暗号資産(仮想通貨)の異常な資金移動が確認された。現時点で公式発表はされていないが、ハッキング被害による資産流出と思われる。
マルチチェーンは、ブロックチェーン間で暗号通貨を移動(ブリッジ)できるプロトコル。便利な一方でセキュリティ面の脆弱性が指摘されており、ハッカーにとって格好のターゲットとなっている。マルチチェーンの利用経験があるユーザーは、Revoke Cash等で関連するスマートコントラクトのリボーク(承認取り消し)が強く推奨される。
マルチチェーン、7日にも174億円超の不正流出
マルチチェーンは7日にも1億2500万ドル(174億円超)にのぼる暗号通貨の不正流出を経験している。マルチチェーン公式Twitterは同日、全てのユーザーに対しサービス利用の停止と関連するコントラクトのリボークを喚起した。この時に不正流出が確認されたブリッジの接続先は、レイヤー1ブロックチェーンのファントムだった。
米ステーブルコイン企業サークルとテザーは8日、マルチチェーンから不正流出したUSDコイン(USDC)およびテザーUSD(USDT)の凍結措置を行った。ブロックチェーン分析企業Chainalysis(チェイナリシス)は10日の最新ブログで、「6日のマルチチェーン不正出金騒動は、内部者によるハッキングまたはラグプル(出口詐欺)だった可能性がある」と指摘している。
マルチチェーンは運営に問題を抱えていることが明白な状況だ。5月には一部ユーザーの間でウォレットへの着金が完了しないシステム不具合が発生し、サービスを一時停止。同時期、運営メンバーが中国で現地当局に逮捕されたとの噂も出回っていた。さらにマルチチェーンのジャオ・ジュンCEOは音信不通が続いている。
Follow us on:
X(Twitter):@BeInCryptoJapan
Telegramチャンネル:@BeInCrypto Japan オフィシャルチャンネル
免責事項 - Disclaimers
当ウェブサイトに掲載されているすべての情報は、誠意をもって作成され、一般的な情報提供のみを目的としています。当ウェブサイトに掲載されている情報に基づいて行う一切の行為については、読者ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。