イーサリアムは4月末までに、Shapella(上海)アップグレードを完了した。これによりステーキングされているイーサリアム(Staked ETH)の出金が可能となった。当社アナリストが最新状況について報告した。
イーサリアム・ステーキングの出金ユーザー数、クラーケンがトップ
オンチェーン分析ツールDuneによると、大手暗号資産(仮想通貨)取引所であるクラーケン、バイナンス、コインベースの3社が87万7,000ETH以上のステーキング解除に関与しており、市場全体におけるステーキング解除されたイーサリアムの87.5%に相当する。
ステーキングされているイーサリアムの出金ユーザー数をみると、クラーケンが15,000人以上を記録し、トップとなった。以下、2位のバイナンスは5,676人、3位のコインベースは2,849人となっている。
一方、ブロックチェーン分析ツールを提供するNansenのデータによると、上記の取引所3社は、ステーキングされているイーサリアム出金総額のうち、77.8%に相当する785,742ETHにしか関与していない。
イーサリアム・ステーキング撤退、米国で進む
米国の暗号資産取引所は、いずれも規制当局との対立が深刻化している。この状況下で、イーサリアム・ステーキングから撤退するユーザーが続出するのは当然の流れといえる。
クラーケンは、イーサリアム・ステーキングのサービス登録を怠ったとして、米国証券取引委員会(SEC)から3,000万ドルの罰金を科された。これを受け、同取引所は米国顧客のイーサリアム・ステーキング解除と出金を迫られた。
コインベースも、イーサリアム・ステーキングを含む一部の商品提供について、米SECからウェルズ通知(Wells Notice)を受け取った。
ウェルズ通知(Wells Notice)とは:
米SECが個人または企業に対して強制措置を講じようとする際に送付する書簡を指す。米SECの調査が終了した時点で発行され、米SECが証券取引法違反で起訴すべきと判断したことを当該人物や企業に通知するものである。ウェルズ通知は米SECが強制措置をとることを最終的に示すものではなく、通知を受け取った個人や企業は、訴訟回避や和解について米SECに対し陳情することができる。
バイナンスは今のところ米SECによる制限を受けていないが、米商品先物取引委員会(CFTC)から訴訟を起こされ、規制当局との戦いに直面している。
イーサリアム・ステーキングがトレンド
米国の主要取引所からの撤退が相次いでいるものの、Nansenのデータによると、イーサリアムのステーキング入金枚数は1,885万ETHと、過去最高を記録している。
過去24時間の間に、46,000ETHが入金され、一方で24,567ETHが出金された。当社では、4月19日の時点でイーサリアム・ステーキングの入金がトレンドになりつつあることを報告していた。この傾向は過去7日間続いている。
DeFi分析ツールDeFiLlamaのデータによると、LidoやRocket Poolといったリキッドステーキング・プロトコルにロックされた資産総額は、平均して5%増加した。
翻訳:BeInCrypto Japan
原文:Centralized Exchanges Responsible for Roughly 88% of Full-Staked Ethereum Withdrawals
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