イーサリアム(ETH)のメインネットで23日、平均取引手数料(ガス代)の急落が観測された。取引手数料の低下はネットワークのユーティリティ向上につながるため、イーサリアム価格にポジティブな影響をもたらすものと期待される。一方でイーサリアムは供給過多の傾向が続いており、価格下落の懸念を抱く専門家もいる。イーサリアム価格の見通しは不透明な状況となっている。
取引手数料低下はイーサリアム上昇の契機となる可能性も|Santiment
オンチェーン分析会社Santimentによると、イーサリアム・ネットワークにおける平均取引手数料は23日、歴史的低水準となる1.15ドルを記録。主な要因として、イーサリアムのレイヤー2ブロックチェーンが拡大していることや、中央集権型取引所(CEX)におけるイーサリアム取引の減少が挙げられる。
過去を振り返ると、イーサリアムの取引手数料低下は、その後ユーティリティ向上につながるケースが多い。それは分散型金融(DeFi)プロトコルやNFTマーケットプレイスといった分散型アプリケーション(DApps)利用の増加といった形で現れる。取引手数料低下に伴い、イーサリアム上のオンチェーン活動をより安価に行えるようになるためだ。
Santimentは、オンチェーン活動の減少はイーサリアム価格にとって潜在的なプラスとなると解釈し、以下のコメントを残している。
イーサリアムのネットワーク手数料は2023年の最低水準まで下がり、1トランザクションあたりの平均取引手数料は1.15ドルとなった。歴史的に見て、イーサリアムがより手頃な価格で流通するようになると、ユーティリティは増加に転じる。ユーティリティ増加は、時価総額向上につながる可能性がある。
Santiment公式X(旧ツイッター)
イーサリアム供給量のデフレ傾向に懸念|IntoTheBlock
イーサリアムの取引手数料が年初来安値を更新し、焼却(バーン)されるトークン枚数が減ったため、ETH供給量は増加に転じている。イーサリアムのオンチェーン分析を提供するUltrasound.moneyによると、過去30日間でイーサリアム供給量は1万6122ETHの純増が観測されている。新規発行枚数6万6720ETHに対し、焼却枚数5万0597ETH。
イーサリアムは現在、取引手数料が低下したために供給過多の状態となっている。暗号通貨の供給過多は通常、価格下落への圧力を加えるものとして懸念されている。
オンチェーン分析会社IntoTheBlockが23日に公開した最新レポートによると、「この1ヶ月でイーサリアムの供給量が増加しデフレ傾向に逆戻りしているため、価格の下押し要因となっている可能性がある」と指摘。さらにビットコイン(BTC)時価総額とイーサリアム時価総額の乖離が進んでおり、両者の開きは年初来最高水準の2.68倍に達したと報告。イーサリアム価格に関し、Santimentとは対照的に、弱気の見通しを立てている。
イーサリアム価格は現在、前日比0.78%減の1578ドル。直近7日間で3.2%下落している。
イーサリアムPoSの仕組み解説記事はこちら
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