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イーサリアム取引手数料が平常値に|ミームコインブーム沈静化か

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ヘッドライン

  • イーサリアム(ETH)取引手数料は、5月のミームコインブームで高騰も現在は通常レベルに
  • 5月の分散型取引所におけるトランザクションの大部分がミームコイン取引関連だった
  • イーサリアムのデンクン・アップグレードはガス代削減を実現するEIP4844、別名プロト・ダンクシャーディングを実装
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イーサリアム(ETH)のブロックチェーンにおけるガス代(取引手数料)平均値は5月、ミームコインブームにより高騰したが、現在は通常レベルまで戻った。ガス代高騰の背景として、分散型取引所(DEX)で上場したミームコインにトレーダーが集中し、自動売買ボットによる取引が大幅増加したことが挙げられる。ガス代平均値はピーク時、20ドルを超えていたが本稿執筆時点では7.34ドルとなっている。

イーサリアムのガス代、5月は高騰|分散型取引所のミームコイン取引増

最大手分散型取引所ユニスワップは5月第1週、暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースを週次取引高で上回った。ユニスワップは12億ドル、コインベースは9億4800万ドルだった。

オンチェーン分析ツールDUNEのデータによると、分散型取引所全体の月間取引高(5月)は740億ドルだった。これは、4月の月間取引高670億ドルから70億ドル増。イーサリアムのガス代上昇を牽引した暗号通貨として、ラップETH(WETH)やテザーUSD(USDT)、ミームコインのエイペドコイン(APED)、ボボコイン(BOBO)などが挙げられる。

分散型取引所全体の月間取引高(Dune Analytics

ガス代の上昇は、ブロックチェーン上のオンチェーン取引件数増加と相関関係にある。ミームコイン取引のほとんどは、レイヤー2ネットワークのアービトラム(ARB)、オプティミズム(OP)、ポリゴン(MATIC)で行われていた。

レイヤー2ブロックチェーンは、メインとなるレイヤー1ブロックチェーンのスケーラビリティ問題(トランザクション件数の増加による取引処理の遅延やガス代高騰)を解決するもの。ガス代の目安値gwei(1ETHの10億分の1を示す値)の日次中央値は、5月ピーク時の142から22まで下落した。

gweiの日次中央値(Dune Analytics

イーサリアムの次期アップグレードDencun(デンクン)

イーサリアムのShapella(上海)アップグレードは、ステーキングされていた約1800万ETHおよび、バリデータノードのステーキング報酬引き出しを可能にした。アップグレード後のイーサリアム・ステーキング状況は、ステーキング入金枚数が出金枚数を上回っている。

イーサリアムの次期アップグレード「デンクン」で実装される注目機能はEIP(イーサリアム改善提案)4844、別名Proto-Danksharding(プロト・ダンクシャーディング)だ。EIP4844は、トランザクション処理に関わる情報の一時保存先となるスペースを増やし、イーサリアム・ブロックチェーンをスケーリングするもの。これにより、レイヤー2ブロックチェーンのガス代削減も実現できる。

同アップグレードは23年後半の実装完了が予定されている。

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Shunsuke Saito
青森県出身。2021年に暗号資産(仮想通貨)投資を開始後、22年よりライターとして従事。国内暗号資産メディアにてライター・編集を経て、23年3月、BeInCrypto(ビーインクリプト)にジャーナリストとして参画。ビットコイン、NFT、PoSノード、DeFiなどへの投資経験を持つ。
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