イーサリアム(ETH)のトレーダーが、価格下落の深まりとともに2つの陣営に分かれている。約10万件のアドレスがパニック売りの動きでバイナンスに入金した一方、同時に出金も増加した。
こうした分裂した反応は、オンチェーンの動きだけにとどまらない。Polymarketでは、投資家が反発とさらなる下落の両方を有力な結果として織り込んでおり、イーサリアムの今後を巡る市場の見解が大きく分かれている状況。
ETHがパニック安を試す中、バイナンスへの入金が急増
BeInCrypto Marketsによると、イーサリアムは1730ドル付近で取引されており、過去1日で約1.57%下落したが、1週間でおよそ7%上昇している。
足元の下落は、米国とイランの緊張激化と時期を同じくした。この地政学的リスクが3月以降、リスク資産に大きな影響を与えている。
アナリストのDarkfost氏は、暗号資産市場が地政学及びマクロ経済の緊張感の中、「完全な迷いの局面」にあると指摘した。
「米国とイランの対立は、1週間で戦争から和平へと事態が転換し得る。また、2026年のFRB利上げリスクも加わる中、ETHのようなリスク資産は極めて脆弱な状況に置かれる」と同氏はコメントした。
同氏はこうした環境下で、小さな市場変動でも「パニック対応」が起きやすいと指摘。その事例として、イーサリアムが1500ドル付近まで急落した場面を挙げた。
この動きの最中に、バイナンスでは入金アドレスの急増が観測された。ここ3年間で最高水準となる場面もあり、売り圧力が高まった。急落時には、ほぼ10万件のユニークな入金アドレスがETHを同取引所に送付した。
入金アドレスの増加は、現物市場での売り圧力拡大を示す指標となる。
一方で、出金も同時に伸びており、一部の投資家が安値でETHを蓄積し、他方は弱気の中で市場から撤退したことを示唆する。
「この双方向の動きが、市場参加者の見方に割れ目が生じていることを反映する。一部はパニック売りに動く一方、他はETHの買い増し好機と見ている」とDarkfost氏は付言した。
Polymarketのオッズもイーサリアムの分断されたセンチメントを映す
迷いは予測市場にも波及している。Polymarketでは、ETHが2026年に2000ドルへ回復する確率は75%、逆に1500ドルに到達する確率も68%と見積もられている。
ポジションも急速に変動。1500ドルへの下落を見込むオッズは直近で23ポイント上昇し、1250ドル目標のオッズは25ポイント下落した。
取引が最も集中しているのは下値志向だ。1500ドル予想にはおよそ133万ドル、1000ドル予想には約126万ドルの出来高が集まっている。一方、2000ドル超の目標値には数千ドル単位の小規模な取引が中心。
このオッズは、ETHの最近の価格推移を反映する。トークンは6月上旬に2000ドルを割った後、その価格帯を回復できていない。対して、1500ドル台には過去1か月で2度到達し、6月6日に1505.90ドル、6月26日に1510ドルまでつけた。
このため、上値目標はETHが1か月以上前に失った水準となる。下値は最近、相場が経験したエリアであり、重い売りが続く限り、買い手は1500ドル台を守る展開が続こう。
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