イーサリアムの価格動向をしばらく追っている読者であれば、月間6%の上昇も急速に反転する可能性があることはご存じだろう。ETHは上昇チャネル内で推移しており、この形自体は強気だが、いくつか警戒すべき兆候が現れている。
オンチェーンでは資金流入が続いているが、一方で取引活動や大口保有者の動きは鈍化している。この乖離により、ETHは構造的な下支えがあるものの、頑強な1,915ドルの天井の下で戦術的なぜい弱さを抱えている。
取引低迷でも資金流入続く
カギとなるのは資金の動向である。Dune Analyticsによると、イーサリアムの月間DEX取引高は4月から7月にかけて約42%減少したが、DeFiアプリにロックされた資本(TVL)は約7.8%増加し、4,200億ドル付近まで拡大した。ステーキング率も過去最高の33.98%となった。
これは敗北ではない。 ソラナもピークから約79%減少し、BNBチェーンが取引高トップに立っているなど、取引全体が低調だ。資金は取引よりも利回り確保へと移行している。
この構造は一見強気シナリオに見えるが、価格を押し上げる実需の部分が細っている点に注意が必要である。
チャネルが弱まる中でクジラが売り越し
その実需の細りは、最大級のウォレットにも現れている。ETHは7月8日以降、上昇チャネルを維持しており、この形自体は強気だ。
しかし、買いの出来高は7月14日以降で減少し、8月6日以降は売り圧力が急増している。 そしてクジラが動いた。
トークンのテクニカル分析と市場の最新情報:さらに詳細なインサイトをご希望の場合は、編集者ハルシュ・ノタリヤが毎日お届けするニュースレターにご登録ください。こちら。
取引所を除く保有量は8月10日の1億2,544万ETHから1億2,386万ETHに減少。強気に見えた局面でも、約30億ドル分売却されていた。
大口保有者が売却に動き、出来高も細る場合、上昇は勢いを失う。これが1つの水準で価格が頭打ちになる要因といえる。
イーサリアム価格を分ける1,915ドル
すべての圧力が1,915ドルで交錯する。イーサリアム価格は7月31日以降、同水準で7度跳ね返されており、トレンドの分岐点となる。1日終値が同水準を超えれば1,978ドル、さらにチャネル上限へと展開し、ETHの価格予想が示す道筋となる。
逆に直近の下値を割り込むと情勢は急変する。1,875ドルを下回る終値では、強気相場から中立へと転換し、1,843ドル、さらに1,811ドルが視野に入る。新たな実需が戻り1,915ドルを突破するまでは、資金がイーサリアム価格を下支えし続けるものの、上値は重いままとなり、大口勢はこの構図の継続に賭けている。
アナリスト見解:DEXの利用減少はイーサリアム固有の問題ではない。市場全体の調整とみるべきだ。真の懸念はクジラにある。1,915ドルでの強い上値抵抗がクジラの無関心の要因と考えられる。1,915ドルを明確に回復すれば、大口保有者の楽観論が戻る可能性がある。









