米インフレ加速で金と暗号資産下落

  • 米国のインフレ率上昇で米国債利回りが上昇し、金と暗号資産が下落した。
  • 市場がさらなるFRBの金融引き締めを織り込む中、インフレ対策資産としての評価にもかかわらず金価格が下落した。
  • 債券利回りの上昇により無利息資産の魅力が低下し、ビットコインも続落した。
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米国のインフレ率が再び高水準となったとの報告が10日、発表された。これを受け、ゴールド、ビットコイン、S&P500を含む全金融市場が下落した。

伝統的に安全資産とされてきた金でさえも、インフレヘッジとして機能しない状況。債券市場は、インフレヘッジが苦戦する場合があること、すなわち物価上昇が同時に金利上昇も意味する場合があることをあらためて示した。

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ゴールドのインフレ・トレードが崩壊

8月の米生産者物価は0.4%上昇し、予想と一致した。年率では5.4%に達し、事前予想の5.3%をわずかに上回った。

インフレによって現金の価値が目減りする際、金が恩恵を受けるとされてきた。しかし、現物XAU/USDは1%超下落し、4400ドル超から4350ドル付近まで下落した。

外国為替取引業者にとって、この動きは痛手だ。金の標準ロットは100オンス。100ドルの下落で、1ロットの買い持ちポジションにつき約1万ドルの損失となる(取引コスト含まず)。

本当の影響は債券市場から生じた。10年物米国債利回りは4.9%台に乗せ、2023年10月以来の水準。30年物は5.35%台となった。

利回り上昇は、現金や国債の魅力を高める。金は利息を生まない。ビットコインも同様である。

ビットコインと金(XAU/USD)の価格推移 出典: TradingView
ビットコインと金(XAU/USD)の価格推移 出典: TradingView

CME FedWatchの確率は、発表後に9月の利上げ織り込み度が62%程度から70%に上昇した。

なぜ高インフレが金に打撃を与えたのか

今回の統計では内訳が重要だった。米労働統計局は「最終需要財の価格は1.1%上昇し、最終需要サービスの指数は0.1%上昇した」と発表した。

このうち3分の2以上はエネルギー価格の上昇によるもの。報告内容は全体的なインフレというよりエネルギー価格ショックの色合いが濃かった。

ドル高も進行し、利上げ観測の高まりでドル建て金価格には新たな逆風となった。

BeInCryptoは今週初め、「米国債利回りが5%近くに達すると、機関投資家からビットコインや金への資金流入と直接競り合う事態もあり得る」と警鐘を鳴らしていた。

次の注目は金曜日に発表される米消費者物価指数(CPI)。再び高水準となれば、FRBにとって追加利上げ圧力となり、「インフレヘッジ」資産がインフレ自体でどこまで売られる可能性があるか試される。

9月利上げ確率 出典:CME FedWatch Tool
9月利上げ確率 出典:CME FedWatch Tool

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