英国の国家サイバーセキュリティセンターと米国のサイバーセキュリティ・インフラ保護庁などは26日、人工知能(AI)の安全な開発と運用に向けた新たな国際ガイドラインを発表した。取り組みには、日本を含む18カ国が参加。日本の国家情報セキュリティセンター(NISC)や科学技術政策担当大臣官房などが関与している。
ガイドラインの目的は、AIシステムが意図した通りに機能し、機密データを守ること。策定にはグーグル、IBM、マイクロソフトなどが参加。AIシステムの提供者、データサイエンティスト、開発者、マネージャー、意思決定者、リスク所有者などの関係者に向けたガイドラインとなる。
20ページに及ぶこのガイドラインには、AIシステムの設計、開発、展開、運用の各段階において、セキュリティの重視が求められ、各段階で「デフォルトのセキュリティ」を強調している。これにはデータの改ざん防止、悪意のある利用の監視、信頼できるソフトウェア供給者の選定などが含まれる。一方で同ガイドラインに法的拘束力はない。
開発競争が激化し、安全性の担保が問われるAI業界
AIのセキュリティを巡ってはChatGPTの開発元であるOpenAI社でも内紛を巻き起こしていた。報道によれば同社の複数の研究者が人類に脅威を与える可能性があるAGIの発見について取締役会に警告する手紙を書いていた。同AGIのシステムをめぐっては起業家のイーロン・マスク氏も25日に反応し、自身のAI会社xAIが提供するGrokでも同様のシステムの開発を進めていくとした。
一方で同社アルトマンCEOは5月、AIの専門家らとともに、AIによる人類の絶滅リスクを軽減することが、パンデミックや核戦争と同様の世界規模のリスクとして全世界の優先課題にすべきとの声明を公表していた。
AIの導入に積極的な日本政府
日本政府はAIの導入に積極的で、岸田政権は国家戦略としてAIとWeb3の推進を掲げている。自由民主党は4月13日、政策調査会の政調審議会にて「Web3ホワイトペーパー ~ 誰もがデジタル資産を活用する時代へ ~」および、AIホワイトペーパー(案)」を了承。7月27日には米マイクロソフトが、日本政府に「ChatGPT」最新版のサービスの提供をすると表明していた。マイクロソフトは、提携関係にあるOpenAI社のChatGPT最新版を、年間約3億3000万円でデジタル庁に提供する。
岸田首相は10月、国連「インターネット・ガバナンス・フォーラム(IGF)」に参加し、10月中にまとめる経済対策に「AIの開発・導入」を強化する方針を示していた。今秋のG7(主要7カ国)オンライン会議で、AI開発者向けの国際行動規範の策定を進めるとしていた。経済対策の策定においては、偽情報や偽画像のリスクも指摘し、関係者全員の協力が必要との立場を強調した。
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