MetaMaskは標準でXRP(リップル)に対応していませんが、「Snaps(スナップス)」というプラグインを利用することで、XRP Ledger(XRPL)を利用できるようになります。このSnapsを使えば、XRPL上のDAppsへの接続、XRP NFTの保有、XRPの購入が可能です。
本稿では、MetaMaskでXRPを購入するための3つのステップや、知っておくべきポイントをわかりやすく解説します。
【主なポイント】
➤ MetaMaskウォレットをダウンロードし、XRPL用のSnapをインストールすることで、XRPをMetaMask上で直接購入できます。
➤ MetaMaskはSnapsを通じてXRPをサポートするようになり、XRPやXRPL関連の資産をMetaMask内で直接購入・保有・管理することが可能になりました。
➤ XRPLアカウントを有効化するには通常10XRPの残高(リザーブ)が必要で、XRP関連資産を追加するごとに追加のリザーブが必要になります。
➤ MetaMask Snapsはサードパーティ製の拡張機能でウォレットの機能を広げますが、許可内容を十分確認し、信頼できるソースからのみインストールすることが重要です。
MetaMaskでXRPを購入する方法
MetaMaskでXRPを購入する手順は以下の通りです:
1.MetaMaskをダウンロードしてウォレットを作成します。
2.XRPL用のSnapをMetaMaskに追加します。
3.XRPLのSnapを通じてXRPを購入します。
各手順の詳細を見ていきましょう。
1.MetaMaskをダウンロードする
・MetaMaskを検索:公式サイトまたはアプリストアでMetaMaskを検索。

・インストール:新規ウォレットの作成または既存ウォレットをインポート。

・ウォレット設定:MetaMaskの設定を完了後、XRP購入が可能になります。

MetaMaskウォレットの詳しいインストール方法や安全な使い方については、『MetaMask完全ガイド』をご覧ください。
2.XRPL用SnapをMetaMaskに追加
・設定を開く:MetaMaskのメニュー(縦3点)をクリックし、「設定」を選択。

・Snapsを有効化:「設定」→「実験的機能」からSnapsを有効にする。

・Snap追加:「MetaMask Snaps」ページでXRP Ledger Snapを追加。

・ウォレット接続:MetaMaskとXRPLアカウントを連携。リカバリーフレーズでセットアップ可能。

3.MetaMaskでXRPを購入
・XRPを入金:XRPLアカウントをアクティベートし、「購入」ボタンでXRPをMetaMask経由で購入。

・購入額を選択:希望の購入量を入力し、「購入する」をクリックして完了。

XRP Ledger(XRPL)とは?
XRPLは高速かつ低コストな取引が可能なブロックチェーンです。ビットコインやイーサリアムと異なり、PoWやPoSではなく、ビザンチン障害耐性(BFT)をベースにしています。
XRPLの基軸通貨はXRPで、当初は銀行間の送金用ブリッジ通貨として設計されましたが、現在では個人間送金にも活用されています。

Ripple Labs社がXRPLおよびXRPを活用した製品やサービスを開発しており、David Schwartz氏らが2012年に創業しました。
イーサリアムとは異なり、XRP Ledgerはスマートコントラクトをネイティブではサポートしていません。その代わり、分散型取引所(DEX)、NFT、マルチシグ対応などの機能がプロトコルレベルで標準搭載されています。
XRPLとEthereumの比較
特徴 | XRPL | Ethereum |
---|---|---|
コイン | XRP | ETH |
シビル攻撃耐性 | BFT | PoS |
スマートコントラクト | × | 〇 |
手数料 | 低コスト | 高コスト |
すでにご存知かもしれませんが、MetaMaskは元々XRPウォレットではなく、イーサリアム系のWeb3ウォレットです。XRPLとイーサリアムはどちらもレイヤー1のブロックチェーンですが、両者には多くの違いがあります。
イーサリアムはスマートコントラクトを中心としており、開発者がトークン、NFT、DAppsなどを自由に設計できます。そのため、イーサリアム上のほぼすべての機能は、SolidityやVyperといった専用のプログラミング言語で書かれたカスタムコードに依存しています。
一方、XRPLはシステムレベルで機能が組み込まれています。トークン作成やNFTなどの基本的な機能がプロトコルそのものに標準搭載されているため、コード記述によるミスのリスクが低減され、セキュリティ面でも優位になります。
イーサリアムは柔軟でプログラム可能性が高い反面、手数料が高く複雑さも伴います。一方でXRPLは手数料が安価で決済速度も速く、必要な機能が最初から揃っています。
ユーザーや開発者にとっては、プログラム可能性を重視したエコシステム(イーサリアム)とプロトコルレベルでの機能性を重視したエコシステム(XRPL)という、異なる2つの環境を使い分ける必要があります。
MetaMask Snapsとは?
MetaMaskSnapsは、EthereumやEVM互換チェーンに限定されたMetaMaskウォレットの機能を拡張するカスタムプラグインです。Snapsを使えば、開発者はMetaMaskのインターフェイス上で直接、新たなプロダクトや独自のトランザクションロジック、その他さまざまな機能を提供できます。
イメージとしては、MetaMaskをブラウザ、Snapsをブラウザの拡張機能(エクステンション)に例えることができます。ブラウザの拡張機能が第三者によって作成・管理されるのと同様に、MetaMaskSnapsもサードパーティ製です。
Snapはサンドボックス環境内で動作し、ブロックチェーンとの通信や演算処理、ユーザーインターフェイスの変更が可能です。そのため、MetaMaskはEVM非互換のXRPL、ビットコイン、ソラナといったネットワークにも対応できるようになります。
MetaMask Snapsの安全性
前述の通り、MetaMaskSnapsは第三者によって開発・運営されています。Snapsは公式のMetaMaskSnapsディレクトリ(アプリストアのようなもの)で一般に公開される前に、以下のような承認プロセスを経ています。
・適格性の要件(完全に機能することやドキュメント整備など)
・提出手順(GitHubのSnapsRegistryリポジトリにて情報を提供し、デモ動画を提出)
・審査プロセス
公式に掲載されたSnapsであっても、それがMetaMaskによって推奨されているという意味ではありません。
また、誰でもSnapを作成し、MetaMaskを通さずユーザーに直接提供することも可能です。そのため、ブラウザ拡張機能と同じく、悪意ある開発者によってウォレットが不正アクセスされる危険性も存在します。
MetaMaskSnapsは許可制になっており、ユーザーがセキュリティをコントロールできるようになっています。それぞれのSnapは特定のアクションを行うために明確に許可を求める必要があり、ユーザーが個別に承認する仕組みです。
MetaMaskSnapsを安全に使うには?
MetaMaskSnapsを安全に利用するためには、公式ディレクトリで承認されたSnapsのみをインストールすることをおすすめします。公式に承認されたSnapは、機能やセキュリティ、権限利用の妥当性について審査されています。誰でもSnapを作成・配布できますが、公式で承認されたものの方が信頼性は高くなります。
Snapをインストールする際は、要求される権限を慎重に確認し、自分が理解し納得できるものだけ許可しましょう。ブラウザ拡張機能と同様に、Snapsはインターネットへのアクセス、トランザクション署名、他のサイトやSnapとの通信などの機能へのアクセスを要求します。

MetaMask内で許可したSnapsはウォレットの設定画面でいつでも確認・管理可能です。たとえば、XRP Ledger Snapには以下の権限があります。
・XRPアカウントの管理
・インターネットへのアクセス
・MetaMask上でのダイアログ表示
・デバイス内でのデータ保存・管理
・他のSnapsやウェブサイトとの通信許可
XRP Ledger Snapとは?
XRP Ledger SnapはMetaMaskウォレットの機能を拡張するSnapの一つです。このSnapを使えば、MetaMaskでXRPを保有し、XRPトークンやNFTの管理、トランザクションの送受信、XRPLベースの分散型アプリ(DApps)との連携が可能になります。
XRPLのDAppsを訪問すると、MetaMaskウォレットが自動的にアプリを認識します。そのため、XRPLとEthereumのウォレット間には互換性がなくても、シームレスなユーザー体験が可能になります。
XRP Ledger Snapの主な機能:
・XRP管理:MetaMaskでXRPの残高確認、送受信、トランザクションのモニタリングが可能です。
・トークンおよびNFTサポート:XRPと共にXRPL上のトークンやNFTを管理できます。
・トランザクション管理:直感的なインターフェイスでXRPLとの送受信が容易です。
・DApps連携:XRPLベースのDAppsへMetaMask経由でアクセス可能です。
・セキュリティ:MetaMaskのセキュリティ機能を活用しつつXRPL操作が可能です。
XRPL SnapをMetaMaskに設定すると、ウォレットのシードフレーズでアカウントをバックアップできます。また、XamanやCrossmarkといった他のウォレットからアカウントをインポートすることも可能です。
アカウントを有効化するためにXRPを購入する必要がある場合、Snap内で直接購入できます。XRPLSnapでは、法定通貨から暗号資産への決済ゲートウェイ「Transak」を利用して、ユーザーが簡単にXRPを購入できるようになっています。
さらにXRPLではアクティブなアカウント維持のために通常10XRPのリザーブが必要となります。またトラストライン作成やトークン・NFTなど資産を追加するごとに約2XRPの追加リザーブが求められます。
自己責任での運用を忘れずに
本ガイドで示したように、MetaMaskを使ったXRPの購入は非常に簡単で、3ステップで完了します。これはMetaMaskSnapsという軽量なプラグインによるものですが、Snapはアプリと同じであるため、権限やセキュリティを必ず確認し、信頼できるソースからのみインストールしましょう。
免責事項:本記事は情報提供のみを目的としており、投資アドバイスを意図したものではありません。必ずご自身で十分なリサーチ(DYOR)を行ってください。
よくある質問
はい、MetaMaskでXRPを購入・保有することが可能です。これはMetaMaskSnapsを通じて実現します。XRPLSnapはPeersyst社が開発し、Sayfer社による監査を受けています。
いいえ、MetaMaskはEVM互換チェーンやERC-20トークンのように、XRPLを標準でサポートしているわけではありません。ただし、ウォレット拡張機能であるSnapを追加することで、XRP資産の管理やXRPLのDAppsへの接続が可能になります。
MetaMask公式の承認プロセスを経たSnapsは、一般的に非公式のものより安全性が高いです。ただし、Snap自体は誰でも作成・配布可能なため、信頼できる公式経路でSnapsを探してインストールすることが重要です。
はい、MetaMaskはSnapsを通じてXRPLに対応しています。XRPLSnapを使えば、XRPの保管やXRPトークン・NFTの管理、さらにDAppsとの接続も可能になります。
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