SNS発のジョークやミーム画像をきっかけに誕生した「ミームコイン」は、暗号資産の中でもとくに高い話題性と爆発的な値動きで注目を集めています。近年では、日本円で直接購入できるミームコインも登場し、初心者でも手軽に取引を始めやすくなりました。一方で、ボラティリティの激しいミームコインは購入方法やリスク管理の知識が不可欠です。
本稿では、日本円で買えるミームコイン一覧および、購入方法、さらに主要銘柄の概要について詳しく解説します。
ミームコインを日本円で購入するには?基本的な方法

日本円でミームコインを購入する方法は、大きく「国内取引所で直接購入する」場合と「海外(またはDEX)で購入する」場合に分けられます。
まず、日本円で直接買える銘柄は限られています。金融庁に登録済みの暗号資産交換業者(仮想通貨取引所)で上場している銘柄のみ、日本円建てで売買できます。DOGE(ドージコイン)やSHIB(柴犬コイン)、PEPE(ぺぺコイン)、MONA(モナコイン)などはすでに国内取引所に上場しており、日本円での取引が可能です。まずはこれら国内上場銘柄からチェックすると良いでしょう。
しかし、多くの新興ミームコインは日本の取引所では取り扱っておらず、海外の取引所や分散型取引所(DEX)を利用して購入するのが一般的です。たとえば、2024年に話題となったPepeコイン(PEPE)も、日本では2024年10月にBITPOINTへ初上場するまでは、国内取引所で購入できませんでした。そのため、上場前に購入したい場合は海外取引所口座を開設するか、DEXでトークンスワップする必要がありました。
日本円で直接購入可能な主要ミームコイン(日本円対応)
まずは日本国内の取引所に上場しており、日本円で直接購入できる主なミームコインを紹介します。国内上場済みということは、金融庁の定める「暗号資産」として認定されているということであり、取引の合法性や安全性の面で信頼度が高い銘柄です。
以下に本稿執筆時点で取り扱いされている銘柄を挙げ、それぞれの特徴と購入可能な取引所をまとめます。
コイン名(通貨記号) | 主な国内取引所 | 特徴・概要 |
---|---|---|
ドージコイン(DOGE) | Coincheck、bitbank、GMOコイン等 | 世界初のミームコイン。柴犬「かぼす」のネットミームが由来。供給上限なしでインフレ型。 |
柴犬コイン(SHIB) | BITPOINT、SBI VCトレード等 | ドージコインをパロディして2020年に開発。ERC-20トークンで総供給589兆枚超。コミュニティ主導で焼却(バーン)なども実施。 |
ペペコイン(PEPE) | BITPOINT、bitFlyer、OKCoin Japanなど | 2023年登場。カエルのキャラクター「Pepe the Frog」がモチーフ。取引毎に一部焼却されるデフレ機構を採用。国内初上場は2024年10月BITPOINT。 |
モナコイン(MONA) | Coincheck、bitbank、ビットレックス等 | 日本初のミームコイン(2013年誕生)。ASCIIアート「モナー」がモチーフ。ライトコイン派生の独自ブロックチェーンを持つPoWコイン。根強い国内コミュニティあり。 |
それでは、各コインの詳細と魅力を見ていきましょう。
ドージコイン(Dogecoin / DOGE)
ドージコインは、すべてのミームコインの元祖ともいえる存在です。2013年12月、アメリカ人エンジニアのジャクソン・パーマー氏とビリー・マーカス氏によって、インターネットジョークとして開発されました。柴犬のミーム「Doge」がロゴに使われ、コミカルな見た目から一気にネット上で拡散。ユーモアと技術が融合した、暗号資産の代名詞的存在です。
技術的にはライトコインをベースとしたPoW(プルーフ・オブ・ワーク)型の通貨で、独自のブロックチェーンを持つ「コイン」である点がトークンとは異なります。ブロック生成速度が速く、送金手数料も低いことから、初期からチップ文化やコミュニティ主導の寄付活動にも活用されてきました。
発行枚数に上限がないインフレ型通貨であり、年間50億DOGEが新規発行され続けています。このため価格の長期的な上昇は起こりにくい一方、日常的な決済用途には適しているとされます。
日本では、2022年にCoincheckを皮切りに、bitbankやGMOコインなど複数の取引所で上場。初心者でも少額から購入しやすく、知名度・取扱実績ともに国内で安定した人気があります。
主な取扱取引所:Coincheck、bitbank、GMOコイン
柴犬コイン(Shiba Inu / SHIB)
柴犬コインは、2020年に匿名開発者「Ryoshi」によってローンチされたERC-20トークンです。「ドージコイン・キラー」を自称し、単なる模倣ではなく自律分散型のエコシステム構築を掲げた点が大きな特徴です。
最大のインパクトは、その圧倒的な発行枚数です。初期供給は1京(10,000兆)枚、現在も589兆枚以上が市場に存在しており、価格は極端に低位です。SNSでは「数千円で数億枚買える」という手頃感から一気に拡散し、2021年には世界的なブームを巻き起こしました。
Ethereum基盤であるため、流通や保管の互換性が高く、DEXやDeFiとも連携しやすい設計です。プロジェクトはShibaSwap(DEX)、NFTマーケット、そして独自のレイヤー2ソリューション「Shibarium」の展開など、徐々にインフラを強化しています。
また、価格維持とコミュニティの熱量維持を目的に、トークンのバーンも継続的に行われています。開発者がVitalik Buterin氏に保有トークンを寄付した経緯なども話題となりました。
主な取扱取引所:BITPOINT、SBI VCトレード、OKCoin Japan、bitFlyer
ペペコイン(Pepe / PEPE)
PEPEは、2023年に登場した新興ミームトークンで、「Pepe the Frog(ペペ・ザ・フロッグ)」というインターネット上の人気ミームをモチーフにしています。匿名チームによって立ち上げられ、ローンチ時にはプレセールや手数料を一切設けない、フェアローンチ形式が採用されました。
最大の特徴は、420兆6900億枚という供給量に加え、取引ごとに自動でトークンを焼却(バーン)するデフレ設計です。このため、流通量が徐々に減少していく構造になっており、希少性が高まる仕組みとなっています。
2023年5月にはミームバブルの象徴として注目を浴び、時価総額は一時1700億円(約12億ドル)に到達。BinanceやOKXなどの大手海外取引所に上場したことで一気に流動性が拡大しました。
ただし、2023年8月には開発チームの一部が資金を持ち逃げするという問題も発生し、プロジェクトの信頼性が一時低下。のちに残ったメンバーによって釈明と再建が図られましたが、こうしたリスクもミームコインに付きものです。
日本では2024年10月にBITPOINTが初上場し、2025年以降はbitFlyerやOKCoin Japanでも取り扱いが開始されました。
主な取扱取引所:BITPOINT、bitFlyer、OKCoin Japan
モナコイン(Monacoin / MONA)
モナコインは、日本発のミームコインとして古参の立場を築いています。2013年末に2ちゃんねるユーザー有志によって開発された、世界初の国産暗号資産であり、アスキーアート「モナー」をモチーフにしています。
技術的にはライトコイン由来のPoW型ブロックチェーンを持ち、独自チェーンで稼働しています。ブロック生成は約1.5分ごと、発行上限は1億512万MONA、さらに半減期も備えています。
モナコインは単なるジョークコインではなく、秋葉原のPCショップで決済に利用されるなど、日本国内では比較的早い段階から実需が意識されてきました。投げ銭文化とも相性が良く、Twitter連携の投げ銭Botが登場したり、同人イベントで利用されたりと、独自の活用が広がりました。
2020年代以降は新規話題性に欠け、時価総額ランキングでは下位にとどまっているものの、コミュニティの結束は根強く、GitHubなどでは開発が継続中です。
2017年に金融庁登録銘柄として認可され、現在も主要取引所で日本円建てで購入できます。
主な取扱取引所:bitFlyer、Coincheck、bitbank
国内取引所での購入(最も簡単・安全な方法)

日本円でミームコインを購入する最も簡単な方法は、国内の暗号資産取引所に上場している銘柄を直接購入することです。国内取引所であれば、日本円を入金してそのまま対象のコインを購入できるため、手続きもシンプルで、初心者にも扱いやすいのが特長です。
購入までの基本ステップ
- 国内取引所の口座開設
Coincheck、bitbank、BITPOINTなど、購入したいミームコインを取り扱っている取引所の口座を開設します。開設には本人確認(KYC)が必要ですが、日本語対応のサポートがあるため初めての方でも安心です。 - 日本円を入金
銀行振込やコンビニ入金、クレジットカード決済など、取引所ごとの方法で円を入金します。日本の取引所であれば即時入金・出金にも対応しており、操作も簡単です。 - 対象コインを購入
販売所や取引所形式の板で、購入したいミームコインを選択し、日本円で購入します。例として、Coincheckでドージコイン(DOGE)を買う、BITPOINTで柴犬コイン(SHIB)を買う、といった形になります。
メリット
- 金融庁登録済みの国内事業者であるため、信頼性が高い
- 万が一のトラブル時にも日本語サポートが受けられる
- 日本円ベースの売買なので、税務申告・出金もシンプル
デメリット
- 日本で買えるミームコインの種類は限られている
ミームコインの多くは新興で、国内上場までに一定の審査期間が必要です。そのため、日本で買えるのはごく一部にとどまり、話題の新銘柄を早期に購入したい場合は、DEXや海外取引所を利用する必要があります。
ミームコイン投資の注意点・リスク管理

ミームコインは一攫千金の可能性も秘めた反面、極めてハイリスクな投機対象でもあります。ここでは、投資時に押さえておくべき重要ポイントをまとめます。
価格変動が極端に激しい
ミームコインは他の暗号資産と比べてボラティリティ(価格変動)が桁違いに大きいです。数日で数十倍に上昇することもあれば、あっという間に暴落する例も多々あります。実際には、多くの投資家が損失を被っているという報告もあります。
「ゼロになるリスクもある」という前提で、資金配分には注意が必要です。余剰資金で、少額ずつ分散購入するのが無難です。
プロジェクトの信頼性を見極める
ミームコインはジョーク的に生まれたプロジェクトが多く、開発者が匿名・運営が不透明というケースも少なくありません。そのため、詐欺プロジェクトや突然の開発放棄(いわゆる:ラグプル)が発生するリスクが高くなります。
- チームの正体や透明性
- トークン保有量の偏り(インサイダーリスク)
- SNSでの過度な煽り投稿
このような兆候が見られる場合は、避ける判断も重要です。公式サイト・ホワイトペーパー・コミュニティの評判を必ずチェックしましょう。
日本の法規制とリスク
国内未上場のミームコインを購入・保有すること自体は違法ではありません。ただし、それらは金融庁に認可された「暗号資産」ではないため、トラブル時に公的な補償は一切ありません。
さらに、それらの販売・勧誘を日本国内で行えば、無登録営業として法に触れる可能性もあるため注意が必要です。
つまり、「海外ミームコインは完全に自己責任であり、公的な保護は受けられない」という点を常に理解しておく必要があります。
また、税務上は利益が出れば雑所得として課税対象になります。取引履歴の記録と管理も忘れずに行いましょう。
関連記事:暗号資産(仮想通貨)が暴落した時にすべき7つのこと
まとめ:リスク管理を徹底してミームコイン取引を正しく行おう

ミームコインは、そのユニークなビジュアルとSNSでの拡散力から、他の暗号資産と比べても短期間で大きく価格が動きやすい特徴があります。最近では、日本円で直接購入できるミームコインも増えてきたため、初心者でも参入しやすくなっています。一方で、海外取引所やDEXを経由しないと入手できない銘柄も多く、事前にプロジェクトのリサーチやリスク管理を理解しておくことが重要です。
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