仮想通貨（暗号通貨）市場は近年、急速に成長しており、その中でもイーサリアムは最も人気のあるプラットフォームの1つになっています。しかし、イーサリアムは「スケーラビリティ問題」を抱えており、トランザクション処理速度が遅く、手数料が高くなるという課題があります。この課題を解決するために、レイヤー2ソリューションポリゴン（MATIC）が注目されています。
そこで本記事では、ポリゴンの特徴や仕組み・その将来性について詳しく解説します。ポリゴンへの投資を検討している人や、ポリゴンの概要を知りたい人はぜひ本記事を産後までご覧ください。
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ポリゴンとは？
ポリゴン（MATIC）は、イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決するために開発されたレイヤー2ソリューション。ポリゴンの価値は「スケーラビリティを解決する」ことにあります。
イーサリアムは「利用者数の増加」に伴い、スケーラビリティ問題に直面しています。利用者数が増加に伴いトランザクションの処理速度が低下し、手数料が高騰しており、ユーザーにとって大きな負担となっている状況です。特に、DeFiやNFTなどの分野で利用が拡大しているため、その問題が顕著になっています。また、処理速度が低下すると、ネットワーク全体が脆弱になるため、DoS攻撃などのリスクが高まるなどの問題があります。
そこで開発されたのが、ポリゴンなどが代表される「レイヤー2ソリューション」です。イーサリアムメインチェーンとは別に処理を行うレイヤー2ソリューションの開発が活発化しており、ポリゴンは、イーサリアムと互換性を持ちながらも、高速かつ低コストなトランザクションを実現しています。今後、イーサリアムの利用者が増えれば、ポリゴンの需要もさらに高まっていくと考えられます。
ポリゴンの特徴３つ
1. 高速かつ低コストなトランザクション：ポリゴンは、独自のコンセンサスアルゴリズムを採用しているため、イーサリアムと比べて数秒でトランザクション処理が完了し、手数料も非常に低く抑えられているのが特徴
2. イーサリアムとの互換性：イーサリアムと互換性があるため、多くのDAppsが開発されています。開発者は、イーサリアムのスマートコントラクトをそのままポリゴンに移行することが可能
3. 活発な開発コミュニティ：ポリゴンには、活発な開発コミュニティがあり、常に新しい機能が開発されています。ポリゴンチームは、開発者コミュニティとの協力関係を重視しており、常に開発者にとって使いやすいプラットフォームを提供している
ポリゴンの仕組み
ポリゴン（MATIC）は、イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決するために生まれた、セカンドレイヤーの1つ。ポリゴンは、高速で低コストな取引を可能にし、イーサリアムとの互換性もあるため、多くの開発者が採用しています。ポリゴンの仕組みについて、以下から解説していきます。
1. ポリゴンにおけるトランザクション処理
ポリゴンでは、イーサリアムメインチェーンとは別に処理を行うことで、スケーラビリティ問題を解決しています。具体的には、以下の2つの方法でトランザクション処理を行っています。
- サイドチェーン：Polygon PoSチェーンと呼ばれるサイドチェーンを使用して、イーサリアムメインチェーンとは別にトランザクション処理を行う。サイドチェーンは、イーサリアムメインチェーンと独立したブロックチェーンであり、独自のコンセンサスアルゴリズムを採用することで、高速な処理を実現している
- ZK Rollup：ZK Rollupは、複数のトランザクションをまとめて処理することで、トランザクション処理速度を向上させることが可能。トランザクションのデータを圧縮してオフチェーンで処理し、結果のみをメインチェーンに記録することで、メインチェーンの負荷を軽減していいる
2. ポリゴンにおけるセキュリティ
ポリゴンは、イーサリアムと互換性を持ちながら、独自のセキュリティ機構を備えています。
- プルーフ・オブ・ステーク：Polygon PoSチェーンでは、プルーフ・オブ・ステーク（PoS）と呼ばれるコンセンサスアルゴリズムを採用。PoSでは、マイニングではなく、ステーキングと呼ばれる方法でブロックの検証を行っており、マイニングよりもエネルギー消費量が少なく、セキュリティも高い
- Plasma：Plasmaと呼ばれる技術によって、サイドチェーンのセキュリティを強化している。サイドチェーンの状態をメインチェーンに定期的に記録することで、不正行為を防止しています
3. ポリゴンにおける開発環境
ポリゴンは、開発者にとって使いやすいプラットフォームを提供しており、開発環境も優れているプロジェクトといえます。
- Polygon SDK：Polygon SDKは、開発者が簡単にDAppsを開発するためのツールキット。Ethereum SDKと互換性があるため、イーサリアムの開発経験があれば、すぐにPolygon上でDApps開発を始めることが可能
- Polygon Bridge：イーサリアムとPolygon間の資産移転を可能にするツール。ユーザーは、Polygon Bridgeを使って、ERC-20トークンやNFTを簡単にイーサリアムとPolygon間で移転することができる
- Polygon Studios：Polygon上で開発されるゲームやメタバースなどのプロジェクトを支援するプログラム。Polygon Studiosは、開発者向けに資金提供や技術サポートを提供している
ポリゴン（MATIC）の競合となるトークン
ポリゴンは、イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決するレイヤー2ソリューションとして注目されていますが、ポリゴン以外にも同様のソリューションを提供するトークンが存在します。ここでは、MATICの競合となるトークン3つとその特徴について解説します。
- ソラナ（SOL）：ソラナは、高速な処理速度と低コストなトランザクションを実現するレイヤー1ソリューションです。独自のコンセンサスアルゴリズムであるProof of History (PoH)を採用することで、従来のブロックチェーンよりも高いスケーラビリティを実現しています
- アバランチ（AVAX）：アバランチは、複数のサブネットを組み合わせることでスケーラビリティを実現するプラットフォームです。サブネットはそれぞれ独立したブロックチェーンであり、異なる用途に特化することが可能
- ポルカドット（DOT）：ポルカドットは、異なるブロックチェーンを接続する「シャードチェーン」と呼ばれる技術を用いるプラットフォーム。異なるブロックチェーン間で資産やデータを共有することができます
ポリゴンは、イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決する有力なソリューションの一つですが、ソラナ、アバランチ、ポルカドットなどの競合トークンも存在しており、それぞれ異なる特徴を持っています。異なるアプローチでスケーラビリティと機能性を提供しているため、開発者や投資家にとっても良い選択肢となっているといえるでしょう。
ポリゴンの価格動向
ポリゴン（MATIC）は、1月9日に発表された取引手数料計算のアップグレードをきっかけに、上昇トレンドに突入した可能性があります。
2021年12月の史上最高値更新後、長期的な下降トレンドに苦しんでいましたが、6月には0.32ドルという安値を記録しました。しかしその後、下降抵抗線からのブレイクアウトに成功し、12月にはついに上値突破を果たしました。
暗号通貨トレーダーやアナリストは、ポリゴンの今後の価格動向については、強気の見通しを持っています。ポリゴン・チームは、ポリゴンzkEVMの取引手数料計算の新しいアップグレードを発表。
ポリゴン zkEVM メインネットベータ版において、effectiveGasPrice が有効化されました。この新しいメカニズムは、トランザクション実行量とデータ可用性に基づいて、より正確かつ完全なトランザクション手数料をユーザーに提供します。
Polygon：X
これらの要因から、MATICは今後さらに上昇していく可能性が高いと言えるでしょう
ポリゴンの将来性
ポリゴンは、イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決するために生まれたプロジェクトであり、市場の形成とともに需要が増加する可能性が高いため、その将来性は非常に高いと言えます。
重視する点は「スケーラビリティ問題の解決ソリューション」という点です。ポリゴンは、サイドチェーンやZK Rollupなどの技術を用いることで、イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決しており、今後も技術改良や開発によって、スケーラビリティ対策が向上していく可能性が高いです。
また、イーサリアムの利用者が増えれば、ポリゴンの需要も高まっていくと考えられます。イーサリアム2.0への移行や今後の大型アップデートなど、イーサリアムの経済圏が拡大していく要素は多く存在します。
加えて、企業向けソリューションの開発にも力を入れており、世界的企業との提携も進んでいます。今後、企業のブロックチェーン導入が進むにつれて、ポリゴンの需要も高まっていく可能性があるといえるでしょう。
ポリゴンを採用しているプロジェクト事例
ポリゴンを採用しているプロジェクト事例を解説します。
- ロッテ
- スターバックス
- ウォルトディズニー
ポリゴンを採用しているプロジェクト①：ロッテ
ロッテは、韓国の大手菓子メーカー。ポリゴンと提携を行い、ロッテのNFTプロジェクト「Belly GOM」を世界展開すると発表しました。
Belly GOMは、ロッテが2022年に発行したNFTプロジェクトで、ロッテの人気キャラクター「ベロ」をモチーフにしています。全10,000体のNFTが発行され、現在はOpenSeaなどのNFTマーケットプレイスで販売されています。
ポリゴンを採用しているプロジェクト②：スターバックス
スターバックスは、世界最大のコーヒーチェーンであり、顧客体験の向上とロイヤリティプログラムの強化において積極的にブロックチェーン技術を活用している企業としても知られています。
顧客がコーヒーの購入やクイズなどに挑戦することでポイントを獲得できるロイヤリティプログラム「Starbucks Odyssey」やNFTシリーズ「First Store Collection」は、ポリゴン上で展開されています。
ポリゴンを採用しているプロジェクト③：ウォルトディズニー
ポリゴンはディズニーアクセラレータープログラムに選出されました。ディズニーアクセラレーターは、ウォルト・ディズニー・カンパニーが2014年から実施しているスタートアップ支援プログラムで、毎年、世界中から選りすぐりの10社前後が参加。
ディズニーは、ポリゴンと協力してNFTデジタルコレクションやNFTをディズニーが導入できるよう概念実証を開発しています。
まとめ：ポリゴンは「スケーラビリティ問題」 の有力な解決ソリューションになる
本記事では、イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決するレイヤー2ソリューションであるポリゴン（MATIC）について解説しました。ポリゴンは高速かつ低コストなトランザクションや、イーサリアムとの互換性から、ユーザーが増加しており今後の成長が期待されているプロジェクト。
競合との競争や規制などの課題も存在しますが、「スケーラビリティ問題の解決ソリューション」という点でますます需要も高まっていくはずです。実際にポリゴンに投資をする際は、課題やリスクを理解しつつ投資をしましょう。今後のポリゴンの実需とその価格上昇に期待が集まります。
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