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ビットコインはやめたほうがいい?|ビットコイン投資のリスクとは

22 mins

「ビットコインへの投資はあやしいのでやめたほうがいい」そんな声をよく聞きませんか?実際、2024年には国内大手取引所のDMMビットコインがハッキングされたり、2017年から2022年にかけて、日本が北朝鮮からの暗号資産ハック被害で世界トップになったりと厳しい現実があるのも事実です。しかし、世界最大の資産運用会社ブラックロックがビットコイン上場投資信託(ETF)を発行し、JPモルガンもビットコインETFを保有するなど、ビットコイン(BTC)が信頼性のある資産クラスとしての地位を築き始めているのも事実です。

本稿では、ビットコイン投資をやめたほうがいいのか、そしてその投資に伴うリスクとリターンについて詳しく解説します。

ビットコインはやめたほうがいい?まずはリスクとメリットを理解しよう

リスクメリット
海外取引所やセルフカストディウォレットを使った場合、自身のビットコインが危機に晒されても保証がない。国内取引所で保管する限り、ハッキングなどされても分別管理されているため、資産がなくなることはない。
日本国内では最大税率55%が課税され、大きな利益を出した際に税務処理が複雑になる。近年、ビットコインはトップクラスのリターンを出している投資商品である。
ボラティリティが激しく、価格変動による心理的な負担が大きい。年々ボラティリティが縮小しており、長期的な投資で安定したリターンが期待できる。
国内取引所がハッキングや破産した場合、分別管理されているものの、資産の引き出しがしばらくできない可能性がある。世界6.8%しかビットコインを含む暗号資産を保有しておらず、早期参入者として大きなリターンが見込める。
ビットコインの規制が各国で異なり、特定の国や地域では厳しい制約や禁止措置が取られるリスクがある。トランプ大統領候補、ブラックロック、東京電力子会社、メルカリなどの著名人や大手企業がビットコインに注目しており、将来性が期待される。
その堅牢性と匿名性から犯罪などのマネーロンダリングに使用された例がある。ビットコインのプロトコル自体がハッキングされたことはなく、非常に堅牢なシステムである。

関連記事:メルカリを使ったビットコイン投資の始め方

  • ボラティリティは、資産価格の変動幅を示す指標です。ビットコインは価格変動が大きく、短期間で利益も損失も発生しやすい性質があります。
  • セルフカストディウォレットは、自分で暗号資産の秘密鍵を管理するウォレットです。取引所を介さず資産を守れますが、秘密鍵の紛失には注意が必要です。

ビットコイン投資のリスクとその回避方法:安全に投資するためのガイド

ビットコイン投資には高リターンの可能性がありますが、同時にリスクも伴います。ここでは、そのリスクを軽減しながら安全に投資するための具体的な方法を解説します。

1. 長期投資を視野に入れ、半減期の仕組みを理解する

ビットコインのボラティリティ(価格変動の激しさ)は、過去の半減期によって徐々に縮小しています。また、近年では機関投資家が参入し、さらに安定性が高まっています。このため、長期的な投資が推奨されます。短期的なトレードは依然としてリスクが高く、ボラティリティにより大きな損失を被る可能性があるため、慎重な判断が求められます。

ビットコインの半減期とは、約4年ごとに新たに供給されるビットコインの量が半減するイベントで、供給の減少が価格に影響を与えるため、市場の動向を予測するために重要な要素です。半減期を理解することで、長期的に安定したリターンを得るための戦略が立てやすくなります。

関連記事:半減期〜2025年がビットコイン購入のチャンスの理由

2. 国内取引所を利用し、レバレッジ取引を避ける

国内取引所を利用することで、リスクを大幅に軽減することができます。日本の取引所は、法律に基づいて顧客資産を分別管理しており、取引所がハッキングされたり破産したりしても、資産は保護されます。一方、海外取引所は分別管理の規定がないことが多く、ハッキングや破産が起きた際に資産を安全に保つ保証がありません。このため、国内取引所を選ぶ方が安全です。

また、レバレッジ取引(少ない元手で大きなポジションを取る取引)は、リターンを狙える一方で、同時にリスクも大幅に増大します。特に、ビットコインのようなボラティリティが高い資産では、損失が拡大するリスクがあるため、リスクを抑えたい投資家には推奨されません。

関連記事:ビットコインの始め方とは?おすすめ運用方法も紹介

3. 間接的なビットコイン投資を検討する

ビットコインに直接投資することが不安な場合、マイニング関連株や、ビットコインに大きく投資している企業への投資を検討するのも有効です。これにより、ビットコインそのものを保有せずに、間接的にビットコイン市場の成長を享受することができます。

さらに、こうした株式投資はビットコインの税制面でも比較的優遇されることが多く、暗号資産の複雑な税務処理を回避する方法となります。また、将来的には国内でのビットコインETFの承認が期待されており、これによりより簡単かつ安全にビットコインに投資できる可能性も高まっています。

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過去のハッキング事例から学ぶ:ビットコインのリスク対策とは?

これまで日本国内でも数件の暗号資産のハッキングや取引所倒産が発生してきました。しかし、上記にも述べたように日本の資産分別管理の規定により多くの場合において資産が返還されました。以下にこれまで起こった事例を解説します:

FTXジャパンの破産事例(2022年)

  • 2022年11月、親会社のFTXが経営破綻した影響でFTXジャパンも破産手続きを開始しました。しかし、日本の法規制に基づき顧客資産は分別管理されており、破産手続き中も顧客資産が保護されました。2023年2月から顧客への出金が再開され、大部分の資産が返還されました。この事例は、日本の規制が顧客保護に効果的に機能した例です。

マウントゴックス事件(2014年)

  • マウントゴックスは2014年に約85万BTC(当時約480億円相当)をハッキングされ、破産しました。当時、顧客資産の分別管理が不十分で、多くの資産が保護されませんでした。事件後、裁判手続きを通じて一部資産の回収が進み、現在も返還手続きが続いています。この事件は、暗号資産取引所のセキュリティと規制の重要性を強く認識させた事例です。

関連記事:マウントゴックス事件とは?ビットコイン返済が続く事件の経緯をわかりやすく解説

DMMビットコインハッキング事件(2024年)

  • 2024年、DMMビットコインはハッキングによる不正アクセスを受け、一部の顧客資産が影響を受けました。DMMビットコインは速やかに対策を講じ、システムのセキュリティをさらに強化しました。DMMビットコインは約2週間後にはユーザーへの被害を補償するためDMMグループなどからの資金調達を完了させたと報告しました

関連記事:北朝鮮Lazarus、3億500万ドルのDMMビットコインハックの資金を送金

投資家ができる対策は?

  1. ハードウェアウォレットを使う
    ハードウェアウォレットは、オフラインで暗号資産を保管できる物理デバイスです。これにより、インターネットからのハッキングリスクを避け、資産を安全に保管することができます。秘密鍵を自分で管理できるため、第三者に依存せずに安心して資産を保持できます。
  2. 国内取引所の安全性を理解した上で長期投資を検討する
    日本の国内取引所は、法規制に基づいて顧客資産を分別管理しています。このため、ハッキングや取引所の破産時にも資産が守られる仕組みが整っています。国内取引所を利用することで、長期的に安定した投資を行いながら資産を安全に保つことができるため、信頼性の高い取引所を選びましょう。
  3. セルフカストディウォレットの使い方を覚える
    セルフカストディウォレットは、自分自身で秘密鍵を管理するウォレットです。これを使うことで、取引所や第三者に依存せず、完全に自分の資産を管理できます。使い方を学び、安全に運用することができれば、ハッキングや取引所のリスクを回避できますが、秘密鍵の紛失や管理ミスに注意が必要です。

関連記事:ビットコインウォレットは?

これらの対策を実施することで、投資家は自らの資産をより安全に守り、長期的な投資成功の可能性を高めることができます。

ビットコインへの投資は今後もやめたほうがいいのか?

結論から言えば、ビットコインへの投資を今後もやめたほうがいいかはその人の資産状況や将来設計によるでしょう。しかしその一方で、ビットコインが他のアセットクラスに比べて高いパフォーマンスを出していることは事実であり、そのパフォーマンスにさまざまな大企業が注目しています。

出典:Visual Capitalist

ビットコインは2023年に156%のリターンを記録し、全ての主要アセットクラスを上回るパフォーマンスを見せました。これは2020年以来の最高の成績であり、11のビットコインETFの承認に対する期待が価格上昇を後押ししました。また、2024年の半減期や、米国政府が利下げを行う可能性がポジティブな要因となっています。

ビットコインのボラティリティは依然として高いものの、過去10年間の平均リターンは年671%。2023年にはS&P 500が25%、米国債が5%のリターンを記録する中、ビットコインは依然として他の資産クラスと比較してリスクとリターンの両方で優れた成績を残しました。

さらに、ビットコインを直接買わずに投資が行えるETFが各国で承認されていることから、アメリカやオーストラリアヨーロッパなどで多く企業がビットコインへの間接的投資を行っています。これらの要因から多くの企業や投資家を惹きつけています。また上記でも述べたように、暗号資産へ投資しているユーザーが少ないことから早めに参入することで、多くの人よりも高いリターンが期待できます。

ビットコインのリターンと税制改革の動向などから、投資をしないことがいいとは限らない

上記に述べたように、ビットコインのパフォーマンスは他のアセットクラスと比べても高いです。これまではビットコインを含む暗号資産は投機的な側面の強いアセットとして認知されていましたが、ビットコインの半減期の仕組みによりそのボラティリティの激しさも軽減しつつあります。これにより、より多くの個人投資家にも参入しやすいアセットになっていくことが予測されます。

2024年9月時点では暗号資産に関する税制改正は行われていないため最大55%の課税がされうります。しかし、政府界隈でも積極的に税制改正の要望が提出されていることから、より投資が行われやすい環境になることが期待されます。税制改革が行われるまで売却をせずに長期的に保有するのもひとつの手でしょう。

さらに、これまで暗号資産の厳しい規制を行ってきた米国政府もそのスタンスが揺ごうとしています。トランプ大統領候補は米国をビットコイン超大国にすると宣言しており、国家予算をビットコインへ投資するとの政策も明かしています。通例となりますが、米国大統領選挙後はビットコイン価格が急騰する傾向にあります。これらの複合的な追い風要因を加味すると、ビットコインへの投資を今後も行わないという判断を今してしまうことは少し早すぎる決断かもしれません。

関連記事:安全性の高い海外の暗号資産取引所9選

まとめ:ビットコインへの投資は早めに、そして国内での資金運用が適当

ビットコインへの投資について「やめたほうがいい」という意見もよく耳にします。しかし、ビットコインは世界最大の資産運用会社ブラックロックやJPモルガンが注目し、ビットコインETFの保有を始めたことにより、信頼性のある資産としての地位を確立しつつあります。したがって、安易に「やめたほうがいい」と判断するのは早計と言えるでしょう。

国内での資金運用を通じてビットコイン投資のリスクを抑えることも可能です。国内取引所を利用すれば、法規制による分別管理でハッキング被害の際にも資産が保護されます。さらに、税制改革が進む可能性もあり、国内での運用を検討することがリスク回避のための1つの手段となるでしょう。ビットコイン投資を考える際には、早期参入と安全な資金運用のバランスを取ることが重要となります。

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Shota Oba
国際関係の大学在籍中に国内ブロックチェーンメディアでのインターンを経て、2つの海外暗号資産取引所にてインターントレーニング生として従事。現在は、ジャーナリストとしてテクニカル、ファンダメンタル分析を問わずに日本暗号資産市場を中心に分析を行う。暗号資産取引は2021年より行っており、経済・社会情勢にも興味を持つ。
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