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三菱UFJ信託銀・STANDAGEほか、ステーブルコインを活用した貿易システムを開発へ

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ヘッドライン

  • 三菱UFJ信託銀行とSTANDAGE、Progmat、Gincoはこのほど、国産ステーブルコインを活用した貿易決済システムの開発に向けて共同検討を開始した
  • 同プロジェクトは、即時入金が可能となることで、総額の4割を占める新興国との貿易を活性化し、日本企業にとっても多様な取引機会を提供する
  • システムでは電子船荷証券(eBL)をNFT化し、ブロックチェーン上での記録により信頼性を高める。信用状(L/C)に依存しない即時・同時決済システムにより、決済期間の短縮と送金コストの削減が実現される
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三菱UFJ信託銀行(MUFJ)とSTANDAGE、Progmat、Gincoはこのほど、国産ステーブルコインを活用した貿易決済システムの開発に向けて共同検討を開始した。ブロックチェーン技術を活用した効率的な決済手段の実現を目指す。

総額約2800兆円にも上る貿易取引では決済プロセスは手数料が高いとされており、決済に時間がかかる問題がある。特に新興国向け貿易では、取引から入金までのタイムラグにより、中小企業が海外との取引を躊躇することが問題とされている。同プロジェクトは、即時入金が可能となることで、総額の4割を占める新興国との貿易を活性化し、日本企業にとっても多様な取引機会を提供する。

共同検討に当たっては、三菱UFJ信託銀行が信託型ステーブルコインの信託業務を担い、Progmatはステーブルコイン発行基盤の「Progmat Coin」を使った開発を、STANDAGEはブロックチェーンとステーブルコインを活用した貿易決済システムの開発を行い、Gincoはビジネス向けウォレットの共同開発を担当する。プロジェクトの目標は、2030年までに年間1兆円の利用を達成することであり、今春にベータ版の完成を、24年内には初のユースケースの創出を目指している。

システムでは電子船荷証券(eBL)をNFT化し、ブロックチェーン上での記録により信頼性を高める。信用状(L/C)に依存しない即時・同時決済システムにより、決済期間の短縮と送金コストの削減が実現される。新興国との取引における不平等や不利益が解消される可能性がある。

暗号資産取引所バインナンス・ジャパンの千野代表は23年9月、貿易事業でのステーブルコインの利用拡大が見込まれるとの見解を示していた。ステーブルコインの社会実装が実現すれば年間1000兆円規模の企業間決済の効率化につながるととされており、税務監査などの透明化も期待されている。  

ブロックチェーン技術を使用した貿易事例

国内取り扱い暗号通貨(仮想通貨)のXDCネットワーク(XDC)は23年10月、ペーパーベースの船荷証券(BL)を電子船荷証券(eBL)に変換しトークン化した状態での貿易取引に成功した。取引された商品は、グリーンリサイクル向けの銅線スクラップで、取引総額は15万ドル。住友商事・英通信関連会社ボーダーフォンデジタルアセットブローカー(DAB)・InnoWaveは同月、チェーンリンク(LINK)のクロスチェーンプロトコル(CCIP)を活用した貿易の概念実証を完了させていた。

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Shota Oba
国際関係の大学在籍中に国内ブロックチェーンメディアでのインターンを経て、2つの海外暗号資産取引所にてインターントレーニング生として従事。現在は、ジャーナリストとしてテクニカル、ファンダメンタル分析を問わずに日本暗号資産市場を中心に分析を行う。暗号資産取引は2021年より行っており、経済・社会情勢にも興味を持つ。
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