米連邦地裁判事、イーロン・マスク氏と米証券取引委員会(SEC)との間で合意された150万ドルの和解を承認。2022年のTwitter株購入開示遅延を巡る訴訟が終結した。
米連邦地裁のスパークル・スックナナン判事は、安易な承認を警告した上で、7月8日に本合意に署名した。
判事がマスク氏とSECの和解を精査した理由
SECは2025年1月にマスク氏を提訴した(訴訟記録より)。同委員会の訴状によると、マスク氏は2022年3月14日にTwitterの5%保有比率を超えたが、3月24日の開示期限から11日遅れて報告した。
その時点で、マスク氏は密かに9%の保有比率まで積み増していた。Twitter株は開示後に27%以上急騰し、SECはこの遅延によって少なくとも1億5000万ドルの利益を得たと主張した。
スックナナン判事は2月にマスク氏による訴訟棄却申し立てを却下した。5月13日の審問で、同氏のリボーカブルトラストがSECの主張する利益の1%に相当する制裁金を支払うことについて疑問を呈した(ロイターより)。
SECは6月、和解が1年近くかけた交渉の結果であるとして正当性を主張した(ブルームバーグより)。同委員会は制裁金について次のように説明した。
「証券取引法第13(d)条単独違反事件としては、SEC史上最大の制裁金」
この判断がマスク氏にもたらす意味
マスク氏のトラストは、主張の内容を認めも否定もせず制裁金を支払う。本人への請求は裁判所が棄却した。主張される1億5000万ドルの利益も手放さないと、ニューヨーク・タイムズは報じた。
この結果は、2018年のテスラの「資金調達確保」発言を巡るSECとの衝突時よりも穏当な内容。あの際は、マスク氏とテスラがそれぞれ2000万ドルの制裁金を支払い、同氏は会長職を失った。
今回の裁定により、投資家がSpaceXの報酬パッケージや 今週のNasdaq100指数採用などを検討する上での法的な障害が一つ解消された。
テスラ株の直近の上昇やSpaceXのビットコイン資産の動きも、こうしたマスク氏の事業への注目を維持している。
今回の承認により、440億ドル規模のTwitter買収を巡る最後の主な当局との対立が解消。SECが今後、開示期限違反に対し、回収額1%という水準でどこまで厳格に規制運用していくかが問われる。









