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テザー社のステーブルコインUSDT、銀行危機後に需要高まる

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ヘッドライン

  • 3月の銀行危機により、テザー社は100億ドル近くのUSDTを新規発行した
  • 米FRBは流動性のある現金を市場に供給したが、投資家の不安は解消されていない
  • テザー社は調査メディアからの執拗な攻撃に直面しながらも、回復力を証明した
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暗号資産(仮想通貨)市場で最も有名なステーブルコインの1つ「テザーUSD(USDT)」を運営するテザー社は3月末までに、97億ドル相当のUSDTを新規発行した。米ドルの通貨発行権を持つFRB(米国連邦準備制度理事会)が同時期、4000億ドルを発行したことを考えると、非常に印象的な数字と言えよう。当社アナリストがこれらの最新状況について報告した

米ドルおよびUSDT市況

シリコンバレー銀行シグネチャー銀行、シルバーゲート銀行、ファースト・リパブリック銀行などが次々と破綻した銀行危機において、USDTの発行枚数増加は、投資家から需要が急増したことの表れと言える。スイス金融大手クレディ・スイスの破綻や、ライバル企業のUBSによる救済は言うまでもない。

こうした動きは銀行に対する信頼を揺るがし、米FRBは2週間で4,000億ドルの流動性を供給した。

FRBバランスシート(米FRB

銀行危機は、ステーブルコインやその他の暗号通貨にとって好都合であった。香港に拠点を置くテザー社が発行するUSDTは、大手メディアの攻撃に直面しながらも、マーケットキャップは上昇を続けている。

USDTのマーケットキャップ(CoinMarketCap

USDT、米メディアから標的にされる

テザー社に対する批判を繰り返すメディアとしては、米大手メディア「ウォール・ストリート・ジャーナル」が有名だ。ここ数カ月、同メディアはテザー社の正当性を疑う記事を数多く発表してきた。

ウォール・ストリート・ジャーナルは3月3日、テザー社にまつわるスクープ記事を掲載した。テザー社と親密な関係にある暗号資産企業が銀行口座を取得するため書類偽造を行い、ペーパーカンパニーを利用した疑いがある、という報道だった。

テザー社はしばしば、他の企業や個人の背後に身元を隠していた。(中略)テザー社は第三者を利用することで、数億ドルの押収資産や指定テロ組織とのつながりなど問題が発生することもあった。

ウォール・ストリート・ジャーナル

テザー社はウォール・ストリート・ジャーナルの報道に対し、「調査企業を恣意的に選別している」とプレスリリースで反論した。

テザー社は、ウォール・ストリート・ジャーナルの時代遅れで不正確、かつ誤解を招くような報道の標的にされ続けている。(中略)FTX、セルシウス、ジェネシスなど同業他社の破綻に焦点を当てたことはほとんどない。

テザー社プレスリリース

テザー社は、こうした「偏った報道」がグローバルな金融インフラ構築の障壁になることはないと主張している。なお当社では本記事のリリースに際しテザー社へコメントを求めたが、期限までに回答はなかった。

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Shunsuke Saito
青森県出身。2021年に暗号資産(仮想通貨)投資を開始後、22年よりライターとして従事。国内暗号資産メディアにてライター・編集を経て、23年3月、BeInCrypto(ビーインクリプト)にジャーナリストとして参画。ビットコイン、NFT、PoSノード、DeFiなどへの投資経験を持つ。
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