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【独占記事】 JPYC岡部典孝代表独占インタビュー【前編】:日本円ステーブルコインが切り開く新たな金融の在り方

10 mins
更新 Shota Oba

日本最大級の国際Web3カンファレンス「WebX」が7月25・26日に開かれ、世界各国のWeb3業界の要人が来日。様々なアジェンダとともに日本のWeb3の未来について議論が行われた。BeInCrypto Japanは日本国内で日本円ステーブルコインを先駆けて開発を行うJPYC岡部典孝代表にインタビューを行った。

Q . まず、JPYCについて説明していただけますか?

JPYCには会社としてのJPYCとステーブルコインとしてのJPYCが2つ存在します。JPYC株式会社は2019年11月に設立され、21年1月より、日本で1番早くイーサリアム上など6つ以上のチェーンでステーブルコインであるJPYCを発行しています。最初はプリペイド規定で発行されていましたが、USDC運営会社のサークル社からの出資などを受け、世界企画のステーブルコインとして昨年バージョン2にグレードアップしました。全てをUSDCと同じスマートコントラクトに統一し、日本で発行しています。サークルが投資した初の会社であり、ドルとユーロのステーブルコインと同じ規格で日本円のステーブルコインを同一規格にすることにより、最終的に世界中のステーブルコインを同じ規格にし、「どれか1つのステーブルコインを持っていれば全世界で使える世界」の実現を目指しています。

Q .サークルのUSDC企画に対応しており、出資も受けているとのことですが、今後どのような協業を行なっていきますか?

サークル社との関係は2年前からで以降、様々な協業提携を進めています。規格の統一などを行った後、国内では新たにできた電子決済手段取扱業のライセンスの取得準備を進めています。これが実現すれば、USDCの販売や日本円への交換業務なども始めたいと考えています。また、JPYCとUSDCを相互に交換できるサービスなども提供したいと思っています。中長期的には、日本の金融機関や伝統的な大きな会社に対して、サークルが作った優れたAPIの導入支援なども行いたいです。サークルは株主でもあるのですが持ち株の比率はそこまで高くありません。ですので今後、同社および、同社周辺の投資家などと関係をさらに強化する可能性もあります。

Q .6月1日からの法改正により、様々な企業がステーブルコイン実装に向けて積極的に動いていますが、三菱UFJのプログマなどとの協業は考えていますか?

プログマさんのコンソーシアムにはJPYC社として参加しており、プログマ上でJPYCを発行する協業もあり得ると思います。それにより、プログマ上の他のコインとJPYCまたは、USDCとの交換を通して手数料をいただく可能性があります。

Q .JPYCは7月24日に、第三者型前払支払手段発行者としての登録が完了しました。同発表により今後JPYCにどんな影響を与えると見ていますか?

前払式のライセンスは大きくわけて、自家型と第三者型の2つがあります。弊社が現在JPYCで発行しているものは自家型の場合、いわゆる現金化もできませんし、自分たちの(JPYC社の)お店でしか使えないため、利便性が相当低いという欠点がありました。これが、第三者型になると、加盟店を募集して、加盟店で使っていただけるようになります。JPYC社では第三者型のライセンスを今年の3月に所得しており、年末までにベータ版のサービスを提供する予定です。

例えば、ブロックチェーンゲームの会社が加盟店になっていただけたら、JPYCでその会社のNFTが買える、あるいは、NFTプラットフォームなどでも導入していただくと、JPYCでNFTが買えるようになるわけです。今まではそれを一気に精算できなかったんですが、第三者型のライセンスがあると、加盟店さんとJPYC社との間では精算ができるようになります。例えば100万円分JPYCを売り上げたら、99万円を振り込みますというのが第三者型のライセンスです。今までだと、クレジットカードで売って100万円分売り上げでは、(クレジットカードの決済手数料が高いので)97万円や96万円しか入ってこなかったものが、JPYCであれば99万円の手取りになるわけですね。そもそもブロックチェーン上でシステムを作っているところにとっては、クレジットカードと繋ぐより、JPYCと繋ぐ方が1番楽だと確信しています。

Q .渡辺創太氏がCEOを務めるスターテイルラボやコインチェックが日銀のCBDCフォーラムメンバーに選出されましたがCBDCをどう見ていて、どのように差別化を図っていきますか?

昨日も、日銀のフィンテックセンター長と話していたんですが、日銀とも連携をしていこうと思っていて、今回、資金業同業者の日銀の口座を作って、全銀ネットという銀行のネットワークに加入できるようになったので、銀行と繋ぎやすくなってきています。

CBDCは、銀行のシステムとは別の枠になりますが、その取り組みには非常に期待しています。棲み分けとしては、日本円のCBDCというのは、パブリックチェーンで出ないことは確定していて、基本的にプライベートな世界になります。

一方でJPYCは、誰でも使える、お店も使えるし、一般の消費者も使える、多分、パブリックチェーンで使えるという意味で、非常に得意な立ち位置だと思っています。パブリックチェーンで繋がっているってことは、世界中と繋がっているわけなので、日本ユーザーCBDCをいくら持っていても、ビットコインや他の仮想通貨に変えるってのは厳しいですけども、外国の資産にアクセスするときには、JPYCを経由して、USDCにしてから、外国のものと変えていく。一方、外国の資産を日本に戻したい時は、USDCから、JPYCを経由して、CBDCに戻すなど、いわゆる継点の非常に大事な位置になる思っています。ここで、手数料が片道1パーセントとか2パーセントとか取られていたら、日本人みんな儲からないわけです。

だから、手数料を0.1パーセント程度に極力低くする。それがCBDCの成功にとても非常に大事だし、日本人および、日本企業の財産が増えていけるかの瀬戸際なんだと思います。そういった意味では、JPYCは確実にこれからも大事な位置、そして決済の要になっていけると確信しています。

インタビュー・文:Shota Oba
写真:Shota Oba

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Shota Oba
国際関係の大学在籍中に国内ブロックチェーンメディアでのインターンを経て、2つの海外暗号資産取引所にてインターントレーニング生として従事。現在は、ジャーナリストとしてテクニカル、ファンダメンタル分析を問わずに日本暗号資産市場を中心に分析を行う。暗号資産取引は2021年より行っており、経済・社会情勢にも興味を持つ。
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