米IT大手メタ(旧フェイスブック)は11月、フェイスブックとインスタグラムについて、広告を表示しない有料版を開始する。導入が順調に進んだ場合、日本でもサービス適用を開始する可能性がある。
米メタ、広告なし有料版開始の背景
広告表示なしの有料版フェイスブックおよびインスタグラムは、欧州連合(EU)、アイスランド、スイス、ノルウェー、リヒテンシュタイン居住のユーザーを対象に提供が開始される。料金は、ウェブブラウザ上でアクセスする場合は月額9.99ユーロ(約1580円)、iOSアプリおよびAndroidアプリ経由で加入する場合は月額12.99ユーロ(約2060円)。
今回発表された有料サービスは、欧州でのユーザーデータ収集および使用を巡る規制強化に対応したもの。EU圏では2024年3月より、デジタル市場法(DMA)の適用を開始する。同法では、利用者の同意なしにデータを収集し利用するターゲティング(追跡型)広告を禁止する。メタ社はプレスリリースで以下のコメントを残している。
EU、欧州経済地域(EEA)、スイスで新たな有料サービスを提供するが、従来の広告付きインターネットも引き続き提供し、(中略)ユーザー情報のプライベートかつ安全な管理体制を約束する
メタ社プレスリリース
データとプライバシーの保護を巡る議論|分散型ID
インターネットを活用したライフスタイルが浸透するにつれ、管理主体(企業)を介さずに、個人が自らのデジタル・アイデンティティを管理できる自己主権型アイデンティティ(SSI)を社会実装する必要性が高まっている。とくにSSIの代表的ソリューションである分散型ID(DIDs)の導入事例が増えている。
現状、メタ傘下のフェイスブックやインスタグラムをはじめ、グーグル、マイクロソフトなど既存IT大手のサービスでは、各企業が管理主体となっている。ユーザー側が、個人情報や普段のウェブ上での行動がどのように収集され、利用されているか、正確に知る手段はないのが現状だ。サービスごとに個人情報の登録手続きを行う現状の仕組みでは、個人情報の漏洩リスクも懸念されており、実際、企業側による顧客情報の不正流出がたびたび発生している。
そこで、デジタル・アイデンティティを第三者の企業に委ねることなく、ユーザーが自身で管理できるソリューションとして分散型IDが提唱されている。分散型IDの仕組みを導入することで、プライバシー保護、セキュリティ強化、ユーザーエクスペリエンスの向上などのメリットが期待される。
Follow us on:
X(Twitter):@BeInCryptoJapan
Telegramチャンネル:@BeInCrypto Japan オフィシャルチャンネル
免責事項 - Disclaimers
当ウェブサイトに掲載されているすべての情報は、誠意をもって作成され、一般的な情報提供のみを目的としています。当ウェブサイトに掲載されている情報に基づいて行う一切の行為については、読者ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。