韓国大手IT企業Kakaoの子会社「GroundX」が開発を手掛けるパブリックブロックチェーンのKlaytn (KLAY)財団は16日、LINE率いるFinschia(FNSA)財団とともに、アジアのWeb3技術とエコシステムのリーダーを目指し、ブロックチェーンの統合提案を提出した。同提案が採択されれば、420以上のDAppsと2億5000万以上のウォレットが統合される。
新しいブロックチェーンはKlaytnとFinschiaの長所を融合し、イーサリム仮想マシン(EVM)とCosmWasmと互換性を持つ。これにより、EthereumとCosmosの開発者が利用できるようになり、技術的利点を活かしつつ、両エコシステム間の相互運用性が高まる。統合に伴い、KLAYとFNSAの代わりに新しいネイティブコインが発行される。新コインは改善されたトークノミクスを持ち、エコシステムリザーブは廃止される。KLAYとFNSAの保有者は新コインと交換可能だ。
- CosmWasm:Cosmosエコシステム用に設計されたスマートコントラクトエンジン。同フレームワークは、ブロックチェーン間の相互運用性と開発者の利便性を高めるために作られており、安全で効率的なコントラクト開発を可能にする。
- エコシステムリザーブは、ブロックチェーンプロジェクトがそのエコシステムの成長と維持のために割り当てる資金やトークンのプール。これらは一般にプロジェクトの開発、マーケティング、その他の活動の資金として使われる。
- Zero Reserveトークノミクス:ブロックチェーンプロジェクトが特定の通貨のリザーブを持たない方針を指す。これにより、市場の需給に基づいた価値の形成が促され、通貨の価値安定性が高まる。
- トークノミクスにおけるデフレとインフレ:通貨の供給量の増減による価値の変動を指す。デフレは供給量が減少し価値が上がる現象で、インフレは供給量が増加し価値が下がる現象である。
KlaytnとFinschiaの統合により、アジア最大のWeb3エコシステムが誕生する見込みである。新しいメインネットは、KlaytnのKakaotalk統合とFinschiaのLINE統合を受け継ぎ、アジア全域で使われるメッセージングプラットフォームを通じて、使いやすいWeb3体験を提供する。
アジア最大のブロックチェーンエコシステムを目指し多角的な分野での展開をめざす
提案が承認されると、新しい財団はチェーンの統合作業を開始し、現実資産(RWA)トークン化、GameFi、DeFi分野でのエコシステム拡大を目指す。
新しいネイティブコインのトークノミクスは、持続可能性に焦点を当てる。低インフレ率と、ネットワーク活動の増加に応じた3層のバーニングモデルにより、コインはデフレ方向へと進む設計がされている。このアプローチは、新規発行コインの24%に相当する非流通KLAYを即座にバーンし、Zero Reserveトークノミクスを採用することで、保有者に安定性をもたらす。新財団はリザーブに依存せず、ブロック報酬によって補充されるエコシステム基金とインフラ基金を通じて透明に運営される。
KlaytnとFinschiaのガバナンスメンバー統合により、アジア最大の分散型Web3ガバナンス構造が誕生する見込みだ。最大100のガバナンスメンバーを有するこの構造には45の大企業が参加する。新ブロックチェーンでは、パーミッションレスなバリデーター参加が可能で、誰でもネットワークバリデーターとして活動できるようになる。
両財団は「KakaoとLINEというアジアの主要IT企業によって始まった公共ブロックチェーンの統合により、大きな相乗効果が生まれることを期待している。統合を通じて、技術と採用の面でアジアのブロックチェーン業界をリードする機会にしたい」と語った。両財団は19日に予定されているKlaytnコミュニティタウンホールで、提案について説明する予定だ。
LINE NEXTは11日、運営するグローバルNFTプラットフォーム「DOSI」、日本含む世界180ヵ国で提供を開始した。新たにAndroid向けモバイルアプリをリリースし、iOS版も近日中に提供が予定されている。DOSIは、デジタルコマースとしてリニューアルされ、多様なデジタルアイテムを取引可能になった。NFTプロジェクトAzuki・Beanzを手がけるChiru Labsは12日、LINEのキャラクター「BROWN」とNFTコレクション「Azuki」のセカンドコレクション「BEANZ」がコラボレーションアイテムの販売を開始した。
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