投資家は6月、金上場投資信託(ETF)から89億ドルを引き揚げた。うち北米のETF商品が55億ドルを占め、金価格の下落が加速した。
月間の流出は、金が4か月連続で値下がりした中で発生した。米連邦準備理事会(FRB)の強硬姿勢や中東情勢の緊張により、投資家は金から離れた。金は11.7%下落した。
6月に金ETFの流出が加速
ワールド・ゴールド・カウンシルの報告によれば、運用資産残高は13%減の5260億ドルとなった。保有量も74トン減少し、4047トンに落ち込んだ。投資家が割り当てを見直すきっかけとなる大幅な価格下落に伴う売却だった。
月内には、新たに就任したFRBのケビン・ウォーシュ議長が強硬姿勢を示唆したほか、米国とイランの対立がインフレ懸念を高めた。これらが今後の利上げ期待を押し上げ、実質金利の上昇とドル高が金の「無利息保有」に対する機会コストを高めた。
北米ファンドの上半期流出額は77億ドルに達し、地域としては2013年以来最も低調な年明けとなった。欧州ファンドも6月に8億1800万ドルの流出となった。欧州中央銀行(ECB)が25ベーシスポイントの利上げを実施した影響による。ECBによる利上げは2023年9月以来、初めてとなる。
主要3地域以外の市場もマイナスに転じた。流出額は6月だけで2億6200万ドルとなり、2026年の純買付額は1億600万ドルに縮小した。オーストラリアが1億9700万ドル、南アフリカは3600万ドルの流出だった。
「先行きについては、地域ごとの金ETFフローは安定する可能性がある。一方で地政学、経済成長、金融市場を巡る不確実性が続く。このような状況下では、ポートフォリオ保護を重視する投資家の需要が維持され、安全資産として金ETFへの戦略的な関心が続く可能性がある」と報告書は述べている。
6月下落も上半期はプラス維持
それでも、2026年上半期の世界全体の流入額は80億ドルと依然プラスを維持した。アジアは120億ドルの純流入となり、同地域として過去最高を記録した。とはいえ6月は中国ファンド主導で23億ドルの流出となり、月間としては過去最大だった。
インドはこの傾向に逆行し、現地投資家が価格下落を買い場とみなして資金流入となった。世界全体の金保有量は上半期で18トン増となったが、金価格下落を受けて運用資産残高は6%減少した。
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