グレースケール、分散型AI銘柄に注目 アンソロピックが鍵

  • グレースケールは、ビットテンソル(TAO)を中心とする分散型AIを大きな機会と位置付けた。
  • 米国が新たなAnthropic Claudeモデルを禁止したことを受け、TAOトークンは約30%急騰した。
  • Anthropicも自社の商用製品における利用制限をめぐり、集団訴訟に直面している。
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グレースケールのザック・パンドル調査責任者は、Anthropic社の課題が山積する中で、分散型AIが大きなチャンスになると指摘した。そのレポートの主役となったのがBittensor(TAO)だ。同アルトコインは過去5日間で約30%上昇している。

Bittensorは分散型アーキテクチャを持つことで、世界中の投資家が中央集権型AI事業者へのエクスポージャー見直しを進める中、構造的に強靭な代替手段となっている。

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グレースケールがBittensorを「勝者」と見る理由

分散型AIとは、トレーニング、推論、モデルの所有権を中央集権的な事業者ではなく、世界のネットワーク全体に分散させるブロックチェーンベースのプロジェクト群である。パンドル調査責任者は、中央集権型事業者のボラティリティが高まる中、この分野を構造的なチャンスとして位置付けた。

Bittensor(TAO)は、パンドル氏の議論の中心となっている。プロトコルはサブネットのネットワークによって、参加者がAIモデルをトレーニング・共有し、最も有用な成果をTAOトークンで報酬化する仕組みを持つ。グレースケール調査責任者は、この設計が中央集権型AIを襲う規制ショックへの耐性があると指摘した。

市場はすぐさま反応した。TAOトークンは短期間で約30%上昇。これはパンドル氏のレポートに加え、Anthropic社の課題表面化が追い風となった結果だ。この動きにより、Bittensorは暗号資産業界全体で「分散型AI」の主要トピックとして再浮上した。

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Bittensor(TAO)の価格推移 - 7日間 出典:CoinGecko
Bittensor(TAO)の価格推移 – 7日間 出典: CoinGecko
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パンドル氏の主張は明快である。中央集権型AI事業者は、単一の政府指令や訴訟によって世界中でサービスが停止されるといった集中的な規制・運用リスクを抱えている。一方、分散型ネットワークは、そのリスクを数千の独立参加者へ分散できる

「Bittensorは分散型原理に基づいたAIの新たなビジョンを提示する。グローバルな分散型ネットワークを通じ、承認不要でAIリソースへアクセスを可能にすることを目指す。いわば、AI版ビットコインだ。デジタルマネーの分野におけるビットコインと同じことを、BittensorはAIで実現しようとしている」とパンドル氏は最近のブログ投稿で述べた。

また、Bittensorの構造設計は独自である。同プロトコルのサブネットは機械学習やエージェント、推論などさまざまな領域で価値提供を競い、トークンインセンティブがモデル品質と直接連動する市場を形成する。これにより、中央集権的な管理者不在のままネットワークは拡大する。

投資家にとって、パンドル氏の注目は重要である。分散型AIが次のサイクルで主要な潮流となる可能性を、機関投資家が認識し始めたサインといえる。中央集権型AI大手が世界各地で規制・法務・運用の圧力に直面する中で、この傾向は加速する見通しだ。

Anthropicの困難が業界にもたらす影響

Anthropicは現在、2つの大きな問題に同時直面している。米国政府は輸出規制指令を出し、外国籍ユーザーによるFable 5およびMythos 5モデルへの全アクセスを停止。この決定を受け、Anthropicは世界中すべての顧客向けに両モデルの提供を停止せざるを得なくなった。

この指令は、特定の「狭義の脱獄」手法による国家安全保障リスクを理由に挙げている。しかしAnthropic側はこの命令に公然と異を唱え、脆弱性はごく小規模にとどまり、すでに他の公開最先端AIモデルでも回避策なしに利用できるものだと主張している。

加えて、Anthropicは商用Claude製品の利用制限をめぐる集団訴訟にも直面。原告側は、同社が有料顧客に対してアクセスを不当に制限したと主張し、法的・評判面の圧力が一段と強まっている。

この二重苦は大きい。Anthropicは中央集権型AIで最も評価の高い企業の1社だが、ほんの数日で、主力モデルの国際提供を失い、米連邦裁判所で訴訟対応までも迫られる事態に陥った。

分散型AIにとっては絶好の機会である。投資家や開発者は、単一の政府指令で無効化される中央集権型モデルへのエクスポージャー見直しを進めている。分散アーキテクチャを持つBittensorは、業界全体で構造的に強い代替案と映るようになった。

パンドル氏のレポートは、まさにこの転換点に合わせて浮上した。グレースケール調査責任者は、中央集権型AIに対する規制圧力は一時的ではなく構造的なものとし、分散型ネットワークは今後の法規制環境変化のもとで増大する資本流入を捉えられる可能性が高いと分析する。


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