暗号資産(仮想通貨)は市場は日々進化しており、特に2025年には新たなテーマが続々と登場しています。投資家にとって、今後の市場動向を予測するための情報は非常に重要です。その中でも、世界最大級の暗号資産運用会社であるグレイスケールが発表した最新レポート「Grayscale Research Insights(2025年第2四半期版)」は、投資家にとって貴重なデータとなります。
本稿では、グレイスケールが選んだ「2025年におすすめの仮想通貨20銘柄」について、DeFiやWeb3、AI(人工知能)などの重要テーマに基づいて、各銘柄の投資ポイントや将来性を詳しく解説します。
暗号資産運用会社グレイスケールとは?
グレイスケール・インベストメンツ(Grayscale Investments)は、米国を拠点にする世界最大の暗号資産運用会社です。親会社はデジタルカレンシーグループ(DCG)で、2013年設立以来、ビットコインなどを裏付け資産とした投資信託商品を提供しています。
主力商品の「GBTC(ビットコイン投資信託)」は、世界最大規模のビットコイン投資ビークルであり、2025年初時点で約65万BTC(発行済BTCの約3.16%)を保有。資産運用残高(AUM)は約165.5億ドルに達しています。
グレイスケールは米国の証券規制に準拠し、「誰もがデジタル経済にアクセス可能であるべき」という理念を掲げています。
投資家がグレイスケールに注目する理由
投資機会とリスク管理の教訓
裁定取引や割安銘柄への投資チャンスを提供。一方で過去の破綻事例からリスク管理の重要性を学べる。
市場への影響力
市場供給量の約1%を保有し、価格への影響が大きい。
機関投資家の需要指標
GBTCのプレミアム・ディスカウントが機関投資家の動向を示す。
規制動向の先行指標
SECとの訴訟やETF承認が、規制の方向性を先読みする材料になる。
「グレイスケール効果」
新規採用銘柄の価格上昇や大量保有銘柄の売却リスクを伴う。
伝統市場と暗号資産の橋渡し役
機関投資家が市場参入する際の入口となっている。
関連記事:暗号資産運用会社グレイスケールとは?
選定基準となったグレイスケールのCrypto Sectorsとは?

デジタル資産業界にはNFTを除いても4,000万種を超えるトークンが存在しています。市場を効率的に把握するため、グレイスケール・リサーチは仮想通貨を用途別に5つのセクター(Crypto Sectors)に分類しています。投資家は、FTSE/Russellと共同開発した専用インデックスで各セクターのパフォーマンスを確認できます。
2025年第1四半期時点で、この分類に含まれる資産は227銘柄で、合計時価総額は約2.6兆ドルとなり、全市場時価総額の約85〜90%をカバーしています。さらに2025年第1四半期のアプリケーションレイヤーに属する資産群は、前年同期比で99%増加した約26億ドルもの手数料収入を記録しました。これはブロックチェーン技術の実用性が向上し、市場が成熟してきていることを示しています。
5つのCrypto Sectorsの分類
以下は各セクターの詳細です。
① 通貨(Currencies)
分散型決済システムや価値の保存手段として利用される資産。
- 主な銘柄:ビットコイン、XRP、ジーキャッシュ
② スマートコントラクト・プラットフォーム
スマートコントラクトの基盤インフラを提供するネットワーク。
- 主な銘柄:イーサリアム、ソラナ、ポリゴン
③ 金融(Financials)
ユーザーがP2Pで貸借や取引を行える金融アプリケーション。
- 主な銘柄:Maker、Uniswap、Aave
④ 消費者・カルチャー(Consumer & Culture)
分散型メディア、ゲーム、エンターテインメント関連のアプリケーション。
- 主な銘柄:ApeCoin、Decentraland、Sandbox
⑤ ユーティリティ&サービス
既存の分散型アプリケーションの機能を強化する企業向けサービス。
- 主な銘柄:Chainlink、Filecoin、Lido DAO
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今回の選出銘柄では、特に実社会におけるブロックチェーン技術の実用例として、現実世界の資産(RWA)のトークン化、分散型フィジカルインフラ(DePIN)、知的財産(IP)の分野にフォーカスしています。
特筆すべき新規銘柄は以下の通りです。
- Maple (SYRUP):機関投資家向け分散型融資プラットフォーム。現在TVL(預かり資産総額)が6億ドルを超え、2025年に20億ドルを目標にしています。
- Geodnet (GEOD):全世界規模でリアルタイムの測位データを提供するDePINプロジェクト。自動運転や精密農業への応用が期待されています。
- Story Protocol (IP):知的財産市場(70兆ドル規模)のトークン化を目指し、AI学習用途へのIP使用をオンチェーンで管理可能にするプロジェクトです。
【2025年最新版】グレイスケール厳選のおすすめ暗号資産(仮想通貨)20選

以下はグレイスケールが2025年に特に推奨する暗号資産20銘柄です。
銘柄名 | ティッカー | カテゴリー | テーマ | 時価総額(10億ドル) | 完全希薄化後の時価総額(10億ドル) | 90日間価格変動率(%) |
---|---|---|---|---|---|---|
ビットコイン | BTC | 通貨 | マクロ/普及 | 1,663.3 | 1,763.5 | 52.8 |
イーサリアム | ETH | スマートコントラクトプラットフォーム | インフラ/トークン化 | 238.0 | 238.4 | 77.4 |
ソラナ | SOL | スマートコントラクトプラットフォーム | インフラ | 65.3 | 76.4 | 112.2 |
チェーンリンク | LINK | ユーティリティ&サービス | DeFi/トークン化 | 8.9 | 14.0 | 105.8 |
Sui | SUI | スマートコントラクトプラットフォーム | インフラ | 7.2 | 22.8 | 115.2 |
Hyperliquid | HYPE | 金融 | DeFi | 5.1 | 15.2 | 121.7 |
Uniswap | UNI | 金融 | DeFi/ETHエコシステム | 4.1 | 6.8 | 95.9 |
Aave | AAVE | 金融 | DeFi/ETHエコシステム | 2.7 | 2.9 | 122.5 |
Bittensor | TAO | ユーティリティ&サービス | AI | 2.1 | 5.2 | 149.4 |
Ethena | ENA | 金融 | ステーブルコイン | 1.9 | 5.4 | 148.8 |
Story Protocol | IP | ユーティリティ&サービス | AI | 1.5 | 5.8 | 417.3 |
Optimism | OP | スマートコントラクトプラットフォーム | スケーリング/ETHエコシステム | 1.4 | 3.7 | 105.9 |
Lido DAO | LDO | ユーティリティ&サービス | ステーキング/ETHエコシステム | 0.9 | 1.0 | 127.9 |
Helium | HNT | ユーティリティ&サービス | DePIN/SOLエコシステム | 0.6 | 0.7 | 115.5 |
Virtuals Protocol | VIRTUAL | 消費者&カルチャー | AI/Baseエコシステム | 0.5 | 0.7 | 181.7 |
Jito | JTO | ユーティリティ&サービス | ステーキング/SOLエコシステム | 0.7 | 2.1 | 112.5 |
Aerodrome | AERO | 金融 | DeFi/Baseエコシステム | 0.4 | 1.5 | 119.3 |
Grass | GRASS | ユーティリティ&サービス | AI | 0.3 | 1.3 | 156.2 |
Maple | SYRUP | 金融 | DeFi/トークン化 | 0.1 | 0.2 | 134.2 |
Geodnet | GEOD | ユーティリティ&サービス | DePIN | 0.1 | 0.3 | 84.9 |
市場のメイン銘柄:ビットコイン・イーサリアム
ビットコイン(BTC)
ビットコインは暗号資産の代名詞であり、「デジタルゴールド」とも呼ばれ、時価総額トップを維持しています。発行上限が2100万BTCと固定されていることから、インフレ耐性のある価値保存手段として人気です。2024年には米国で現物ETF承認への期待が高まり、機関投資家の資金流入が拡大。世界経済の不安定さを背景に、デジタル時代の安全資産として需要が拡大すると期待されています。
イーサリアム(ETH)
イーサリアムはビットコインに次ぐ第2位の暗号資産で、スマートコントラクトを備える代表的なブロックチェーンです。DeFiやNFTといった分野の基盤となり、Web3エコシステムを支えています。2022〜2025年の大型アップグレード(マージとシャペラ)で、環境負荷の少ないProof of Stakeに移行し、現在はレイヤー2(L2)による処理能力の向上が進んでおり、さらなる成長が見込まれています。
インフラ基盤プロジェクト:ソラナ・Sui・チェーンリンク・Optimism
ソラナ(SOL)
ソラナは1秒間に数千~数万件を処理できる高速ブロックチェーンです。独自の合意形成方式「Proof of History」により、低コスト・高速処理を実現しています。2023年にスマートフォン「Saga」を展開するなど独自路線も話題になりました。最近はミームコインブームが落ち着いたものの、依然として有力なスマートコントラクト基盤であり、今後はネットワークの安定性や相互運用性向上に期待が集まっています。
Sui(SUI)
SuiはMeta出身チームが開発した新興レイヤー1ブロックチェーンで、独自の「Move」言語を使用します。取引の並列処理による高速性が特徴で、ゲームやNFT分野などでの活用が期待されています。イーサリアムやソラナほどエコシステム規模は大きくありませんが、革新性や開発チームの信頼性から、今後の成長ポテンシャルが高いと評価されています。
チェーンリンク(LINK)
チェーンリンクはスマートコントラクトに現実世界のデータを提供するオラクルネットワークです。為替や天候データなどを安全にブロックチェーンに取り込み、DeFiや保険サービスに不可欠な役割を担っています。クロスチェーン通信プロトコル(CCIP)も展開しており、ブロックチェーン間の連携にも対応。Web3と現実世界をつなぐ重要な存在として、需要の増加が予想されます。
Optimism(OP)
Optimismはイーサリアムの処理能力を向上させるレイヤー2ソリューションで、オプティミスティック・ロールアップという技術を採用しています。高速かつ低コストの取引を提供し、OPトークンはネットワークのガバナンスに活用されています。Optimismは「Superchain」というビジョンを掲げ、自社技術(OP Stack)をCoinbaseのBaseチェーンなど他のチェーンにも提供中。イーサリアムの成長とともに重要性が増しています。
関連記事:Base、アービトラム超え=レイヤー2ネットワークリストで最大に
分散型金融(DeFi)プロジェクト:Uniswap・Aave・Lido・Maple・Hyperliquid・Ethena・Jito
ユニスワップ(UNI)
ユニスワップはイーサリアム上で稼働する分散型取引所(DEX)の代表格です。AMM(自動マーケットメイカー)により、ユーザー同士が直接トークンを交換可能。UNIトークンはガバナンス投票に使用されます。最近はPolygonやBSCなど多くのチェーンへも展開しており、中央集権型取引所に代わる分散型取引プラットフォームとして重要性が高まっています。
アーベ(AAVE)
アーベは複数チェーンで展開する分散型レンディングプラットフォームです。ユーザーは暗号資産の貸出や借入が可能で、ガバナンスにはAAVEトークンを利用。独自のステーブルコイン(GHO)発行され、単なる貸借に留まらない総合金融サービスへ拡大しています。オープンな金融インフラとして、今後も中心的な役割を担うでしょう。
リド(LDO)
リドは流動性を維持したまま暗号資産のステーキングを可能にするプロトコルです。ステーキング時に受け取る代替トークン(例:stETH)を使い、他のDeFiでの運用もできます。LDOトークンはDAOのガバナンスに利用。イーサリアムPoS移行以降、最大のステーキングプールとして注目されています。今後、他チェーン対応や新サービス展開も予定されています。
メープルファイナンス(SYRUP)
メープルは機関投資家向けのオンチェーン信用市場プラットフォームです。スマートコントラクトを使い企業への無担保融資を可能にします。SYRUPトークンはガバナンスとステーキング報酬用。貸付資産(TVL)は6億ドル超に達し、伝統金融とDeFiを結ぶプロジェクトとして注目されています。ただし、無担保融資の性質上リスクは高く、市況変動の影響を受けやすい面があります。
ハイパーリキッド(HYPE)
ハイパーリキッドはオンチェーンの分散型デリバティブ取引所です。パーペチュアル先物を中心に、高速ブロックチェーン上で取引を完全オンチェーン化。専門トレーダー層に注目され、時価総額は一時50億ドル規模となりました。分散型の先物市場として期待されますが、競合プロジェクトも存在し、今後の競争激化も予想されます。
関連記事:“億り人”を多数輩出した分散型取引所ハイパーリキッド(HYPE・ハイリキ)とは?
エテナ(ENA)
エテナは独自方式のステーブルコイン「USDe」を発行するプロジェクトです。ビットコインやイーサリアム現物を担保としながら先物ショートを活用し、ドル価値を安定化させています。利回り付与型ステーキング機能も提供し、DeFiにおける新しい安定資産モデルとして注目されています。ただし、仕組みが複雑なため金融リスクも高めです。
ジト(JTO)
ジトはソラナチェーン上でMEV(最大抽出可能価値)を最適化するプロジェクトです。取引順序を最適化し、追加収益を効率的に得るインフラを提供。JTOトークンはプラットフォーム利用とガバナンス用途。2024年には年間手数料収入が大幅増加しました。ソラナエコシステム内の重要インフラとして期待されています。
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Web3サービス・データ系プロジェクト:Helium・Geodnet・Grass・BitTensor・Virtuals Protocol
ヘリウム(HNT)
ヘリウムは、分散型ワイヤレス通信ネットワークを提供するプロジェクトです。参加者が「Hotspot」を設置し、IoT向け長距離通信を実現。参加報酬としてHNTトークンを獲得できます。2023年にはSolanaチェーンに移行しエコシステムを拡大中ですが、収益モデルや報酬減少による参加者減少という課題も存在します。それでも、物理インフラの分散型構築を進める革新的プロジェクトとして期待されています。
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ジオドネット(GEOD)
ジオドネットは、世界規模で分散型の高精度測位インフラを構築しています。ユーザーが測位デバイスを運用し、ネットワークへの貢献報酬としてGEODトークンを獲得。世界130か国以上で1万4,000台超が稼働中で、毎月の収益も安定的に伸びています。自動運転や精密農業などへの応用が期待される一方、取引所への上場は限定的で流動性リスクには注意が必要です。
グラス(GRASS)
グラスは、ウェブ閲覧データの収益化を目的とした分散型プロジェクトです。ユーザーはブラウザの未使用帯域を提供し、GRASSトークンを獲得できます。収集されたデータは企業やAI開発者に提供され、個人データの収益還元を実現します。プライバシー保護や規制面の課題もありますが、個人データ所有権を個人に取り戻す画期的な試みとして注目されています。
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ビットテンソル(TAO)
ビットテンソルは分散型AIネットワークを構築し、機械学習に貢献した参加者にTAOトークンで報酬を付与。ノードがAIモデル提供や計算リソースを提供することでAIモデルがオープンに発展します。AIとブロックチェーンを融合した先駆的プロジェクトで、AI市場の分散化を目指し成長を続けています。
バーチャルズ・プロトコル(VIRTUAL)
バーチャルズは、自律AIエージェントの作成・運用を支援するプラットフォームです。Baseチェーン上で構築され、金融取引や情報収集ボットなどのAIエージェントをトークン化して取引可能にします。エージェントが自律的に利益を生み出し、その運用益を参加者が得られる仕組みです。一時的な熱狂が落ち着いたものの、自律型ビジネスのインフラとして将来性があります。
コンテンツ/IP分野のプロジェクト:Story Protocol
ストーリープロトコル(IP)
ストーリープロトコルは、知的財産(IP)をトークン化するプロジェクトです。音楽や物語などの著作権やライセンスを細分化・販売可能にします。有名アーティストのIP活用など注目が集まり、クリエイターは新たな資金調達手段を、ファンは作品の成功に直接関与できる仕組みです。知的財産市場の改革を目指す画期的プロジェクトですが、規制や権利調整の課題も残ります。
ベースチェーン関連プロジェクト:Aerodrome
エアロドローム(AERO)
エアロドロームは、CoinbaseのBaseチェーン上で展開する分散型取引所(DEX)です。効率的な流動性供給と独自のトークン設計が特徴で、AEROトークンは報酬やガバナンスに利用されます。稼働直後から高い取引量を記録し、Baseエコシステム内での主要DEXとなっています。ただ、競合DEX(Uniswapなど)との競争があり、今後のユーザー誘致策やプロトコル強化が課題です。
日本の仮想通貨取引所未上場トークン取引における注意点

上記のトークンは国内取引所に上場していないものが多く、取引には海外取引所(CEX)やDEXを利用する必要があります。海外取引所を利用する場合、日本の規制やトラベルルールなど、以下のポイントを必ず押さえておきましょう。
海外取引所の利用における法規制リスク
日本居住者が海外の暗号資産取引所を利用すること自体は違法ではありませんが、海外取引所は日本の金融庁に登録されていないため、法的保護が適用されません。金融庁は無登録業者の利用について繰り返し警告を発しています。日本語対応や積極的な勧誘活動を行う海外取引所の場合、金融庁によるサービス停止措置やアクセス制限のリスクも存在します。
日本の「資金決済に関する法律」(平成二十一年法律第五十九号 第六十三条の二)は、暗号資産交換業者が事業を行うためには内閣総理大臣の登録を受けることを求めています。
暗号資産交換業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行ってはならない。
平成二十一年法律第五十九号 第六十三条の二
同法律は主に「暗号資産交換業」の提供者側に対するものであり、利用者に対する規制は含ま
実際に2025年4月には、金融庁の要請により、KuCoinやBybitなど海外暗号資産取引所がAppleおよびGoogleの公式アプリストアから削除。突然のサービス停止や資産凍結といったリスクもあるため、海外取引所を利用する際は十分理解した上で運用しましょう。
金融庁は2025年4月に暗号資産の分離課税導入を検討中ですが、海外取に関しては、金融庁への未登録や規制外という理由で適用が難しいとされています。また、海外取引所は信頼性やCARF(暗号資産に関する報告枠組み)対応の課題があり、規制強化の動きも見られます。
関連記事:Bybitほか、海外暗号資産取引所アプリが日本のApp Storeから削除か
トラベルルールへの対応と送金制限リスク

トラベルルールとは、暗号資産送金時に送金者と受取人の個人情報(氏名、顧客識別番号、ブロックチェーンアドレスなど)の通知を義務付ける規制。日本では、犯罪収益の防止を目的として2023年6月1日に施行された「犯収法」の改正によって導入されました。国内取引所から海外取引所へ暗号資産を送金する際にも適用されます。
取引所間の送金互換性の問題
日本国内の取引所は「TRUST」や「Sygna」など異なるトラベルルール対応ソリューションを採用しています。異なるソリューション間では原則として送金が不可能であるため、事前に利用する取引所間の互換性を確認しておく必要があります。また、海外取引所側で対応可能な暗号資産が限定される場合もあるため、取引を行う際に対応銘柄と送金手数料を事前に把握しておくことが重要となります。
日本の暗号資産の規制動向と市場概要

日本は暗号資産規制の先進国で、金融庁(FSA)が投資家保護や市場の安定化を推進しています。2017年の改正資金決済法により取引所登録制が義務付けられ、資本金、顧客確認(KYC)、マネロン防止(AML/CFT)対策が求められています。現在、登録業者は31社で、2023年には国際基準の「トラベルルール」も強化されました。
2025年2月、金融庁は暗号資産を金融商品取引法(FIEA)上の金融商品に分類し直す検討を開始し、情報開示やインサイダー規制の強化を目指しています。ステーブルコインに関しても2022年の規制で発行者が銀行等に限定されましたが、2025年には準備金の運用要件が緩和されました。
税制面では雑所得の高税率(最大55%)を株式等と同じ20%に引き下げる案が議論され、2024年には法人の未実現利益に対する課税も免除されました。一方、スポット型ETFの承認議論は市場のボラティリティ懸念から慎重姿勢が継続。DeFi規制ガイドライン策定も進められています。
口座数は2025年3月末時点で約1,240万口座に急増。取引高は現物・証拠金合わせて約3.6兆円、預託金残高は約3.3兆円に達しています。円安や大手企業の参入が市場活性化を促していますが、高税率や詐欺リスクへの対策が課題として残っています。
関連記事:金融庁、暗号資産関連法改正に前進=金商法で規制強化、税率引き下げも
まとめ:市場の潮流を読み取り、適切な仮想通貨選びをしよう

暗号資産(仮想通貨)市場は成熟段階に入りつつあり、単なる投機対象から実社会での具体的な用途へと進化しています。グレイスケールが選出した20銘柄は、AIや分散型金融(DeFi)、知的財産(IP)のトークン化、分散型フィジカルインフラ(DePIN)といった革新的なテーマに注目しています。ただし、市場は依然としてボラティリティ(価格変動)が高く、規制動向の影響を大きく受けることにも注意が必要です。投資家は常に最新の市場環境や規制情報を把握し、自らのリスク許容度や投資目的に合った銘柄を厳選することが重要です。
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