Web3サービスとは、ブロックチェーンやスマートコントラクトなどの技術を活用した、分散型のインターネットのことです。Web2.0までのインターネットは、GoogleやFacebookなどの巨大IT企業が提供するプラットフォームに依存しており、ユーザーのデータやコンテンツは中央集権的に管理されていましたがWeb3サービスでは、より透明性や信頼性の高いインターネットを実現することが期待されています。
そこで本記事では、Web3サービスの特徴や国内外の代表的サービスを紹介していきます。Web3サービスは、まだ発展途上ではありますが、今後ますます注目を集めていくと考えられます。Web3サービスに興味がある人は、ぜひ最後までご覧ください。
Web3とは?
Web3とは、ブロックチェーンや分散型アプリケーションなどを利用することで、ユーザーが自分のデータやアイデンティティを自由に管理できるインターネットの新しい形です。Web3は、Web 2と呼ばれる現在のインターネットと対比されており、データやコンテンツが少数の大手IT企業に集中しているという中央集権化の問題を解決できると期待されています。
Web3では、ユーザーはブロックチェーン上で安全に情報をやりとりでき、また、暗号通貨やトークンなどを使って、新しい価値やコミュニティに参加できることが大きな特徴です。Web3は、イーサリアムの共同創設者であるギャビン・ウッド氏が、2014年に初めてWeb3という言葉を使ったと言われています。Web2の課題を解決し、よりオープンで民主的なインターネットを目指すものとして、今注目を集めている業界です。
またWeb3は、日本の国家戦略として推進されており、日本政府は、ブロックチェーン技術やWeb3の導入を含むデジタル変革に現在取り組んでいます。国家戦略としてのWeb3推進は、産業界や研究機関、エンターテイメント業界など様々な分野での取り組みを促進しており、日本国内のWeb3系企業が、国の後押しを受けることで、今後より成長を加速させていく可能性が高いでしょう。
Web3サービスの概要と特徴
Web2までのサービスは、GoogleやFacebookなどの巨大IT企業が提供するプラットフォームに依存しており、ユーザーのデータやコンテンツは中央集権的に管理されていました。Web2サービスは非常に便利で使いやすいサービスが多いですが、一方は中央集権型のサービスとしての問題点もありました。
これに対してWeb3サービスでは、ユーザー自身がデータを管理・運用できるようになるため、より透明性や信頼性の高いインターネットを実現することが期待されています。
Web3サービスの特徴
Web3サービスの特徴は、大きく分けて以下の3つが挙げられます。
- 分散化している:Web3サービスでは、ブロックチェーンによってデータやコンテンツが分散管理されるため、中央集権的な管理者の影響を受けにくいのが特徴。データの改ざんや不正アクセスなどのリスクを低減し、より透明性や信頼性の高い仕組みを実現しています
- オープンソース:オープンソースとは、ソースコードを無償で公開し、誰でも自由に利用・改変できるソフトウェアのことで、Web3サービスは基本的にオープンソース上に公開されています
- 暗号通貨やNFTを使った経済圏:Web3サービスは、暗号通貨やNFT(非代替性トークン)と密接に関連しており、Web3型の経済圏として確立されているケースが多いです
Web3サービスの代表例
- DeFi(分散型金融):DeFiは、ブロックチェーン技術を活用した分散型の金融サービス。中央銀行や金融機関などの中央集権的な機関を介さずに、ユーザー同士で直接、資金の貸し借りや投資を行うことができます。スマートコントラクトによって自動化された取引が可能になるため、手数料や利息を大幅に削減することができるのが特徴
- DApps(分散型アプリケーション):ブロックチェーン技術を利用して構築されるデジタルアプリケーション。従来のアプリが1つ以上のサーバー上で動作し、中央集権的な管理体制下で運営されていますのに対して、DAppsはコンピューターノード(ノード)ネットワーク上で実行されます
- DAO(分散型自律組織):ブロックチェーン技術やスマートコントラクトなどの技術を活用して、中央集権的な管理者を必要としない組織。現状、完全なるDAOとして機能している組織は少なく、ビットコインが最も綺麗なDAOとして認知されています
国内発のWeb3の代表的サービス
国内初のWeb3代表的サービスについて解説します。
- Astar Network
- Oasys
- FiNANCiE
国内発のWeb3の代表的サービス①:Astar Network
アスターネットワークとは、ポルカドットのパラチェーンとして開発された、分散型アプリケーションを構築するためのプラットフォームであり、日本発のパブリックブロックチェーン。マルチチェーン時代のスマートコントラクトハブを目指しており、渡辺創太氏を中心としたStake Technologiesが開発を行っています。
トヨタ自動車、ソニーグループ、博報堂DYホールディングス、KDDIなどの日本を代表する企業からも出資を受けており、日本発のWeb3サービス・パブリックブロックチェーンとして国内外から期待されています。
国内発のWeb3の代表的サービス②:Oasys
Oasys(オアシス)は、2022年2月に設立された、日本発のゲーム特化ブロックチェーンプロジェクト。コンセプトとして「Blockchain for The Games」を掲げ、ゲーム開発者やプレイヤーのニーズに応えるブロックチェーンプラットフォームの開発を目指しているプロジェクトです。
プロジェクトの中心企業はシンガポール拠点の「Oasys Pte. Ltd.」ですが、ブロックチェーン技術のエキスパートを中心に、業界大手のゲーム企業やブロックチェーンテクノロジー企業との協業のもと、企画・開発が進められており、GameFi業界の発展とともに、さらに需要が高まっていくことが期待されているWeb3サービスです。
国内発のWeb3の代表的サービス③:FiNANCiE
FiNANCiE(フィナンシェ)は、ブロックチェーンを活用したトークン発行型のクラウドファンディングサービスです。クリエイターや企業がプロジェクトを立ち上げ、トークンを発行することで、投資家(ユーザー)から資金を募ることができ、投資家は、プロジェクトの成功に応じてリターンを受け取ることができるのが特徴。
プロジェクトを応援することで、プロジェクトのトークンを保有でき、トークン保有者は、プロジェクトのコミュニティに参加したり、特典を受けたり、トークンを売買したりすることが可能になっています。
フィナンシェは「10億人の挑戦を応援するクリエイターエコノミーの実現」をビジョンに掲げており、国内唯一のWeb3サービスプラットフォームとして、注目を集めています。
海外発のWeb3の代表的サービス
海外発のWeb3の代表的サービスについて解説します。
- Open Sea
- UniSwap
- The Sandbox
海外発のWeb3の代表的サービス①:Open Sea
Open Sea(オープンシー)とは、ブロックチェーンを基盤とした発行されたNFT(非代替性トークン)を作成・出品・売買することができる世界最大級のNFTマーケットプレイスです。
Open Seaでは、クリエイターやアーティストが独自のNFTを発行し、オークション形式や固定価格で他のユーザーに販売、ユーザーはウェブブラウザ上でNFTを購入することができます。OpenSeaは、NFT市場の中心的存在として多くのユーザーやクリエイターに支持されており、クリエイターとコレクター・投資家が繋がるプラットフォームとして、暗号通貨市場において重要な役割を果たしているマーケットプレイスです。
海外発のWeb3の代表的サービス②:UniSwap
Uniswapは、イーサリアムブロックチェーン上で動作する分散型の暗号通貨取引所です。取引所運営者が存在しない「DEX」であり、ユーザー同士が直接暗号通貨を交換することができます。2018年にリリースされて以来、急速に成長し、現在では世界最大規模ののDEXとなっています。
また、Uniswapは独自トークン「UNI」を発行しており、UNIは、Uniswapのガバナンストークンとして運営や意思決定に参加することができるのが特徴。トークンを発行し、DAO的な組織運営を行なっている、世界でも有数のWeb3サービスといえます。
海外発のWeb3の代表的サービス③:The Sandbox
The Sandboxは、プレイヤーがイーサリアムのブロックチェーン上でゲームコンテンツを構築・所有・収益化できるメタバースプラットフォームです。ディセントラランドと同様に、ザ・サンドボックス・メタバースは独自のERC-20ユーティリティ・トークンであるSANDを持っています。基本的に「SAND」はサンドボックスのトランザクションを実行するビークルとして機能します。
究極的には、この主導的なゲームメタバースプラットフォームは、クリエイターがNFT作品をアップロード、公開、取引することを可能にします。これまで長年にわたり、サンドボックスは、スヌープ・ドッグ(Snoop Dogg)、ボーアド・エイプ・ヨットクラ、Ubisoftなど、主流のブランド、アーティスト、クリエイターと提携してきました。今後、さらにユーザーが増えると予想されている世界的なWeb3型メタバースサービスです。
Web3サービスの問題点やリスク
Web3サービスの問題点やリスクについても解説していきます。
- 法整備の遅れ
- セキュリティの脆弱性
Web3サービスの問題点やリスク①:法整備の遅れ
Web3に関する法律は、現在のところ十分に整っていません。Web3サービスは、中央集権的なWeb2.0の課題である、プライバシーやセキュリティ、透明性の向上などが期待されています。
しかし、その一方で、Web3の技術が、詐欺やマネーロンダリングなどの犯罪に利用される可能性や、ユーザーの保護が十分に行われていないといった問題も世界各国で指摘されています。Web3に関する法整備が進めば、Web3サービスがさらに活発化し、マスアダプションしていく可能性も高まるでしょう。
Web3サービスの問題点やリスク②:セキュリティの脆弱性
Web3サービスやブロックチェーンは、高いセキュリティを備えていることが特徴ですが、スマートコントラクトの脆弱性を狙った攻撃などのリスクがあります。
実際に、2022年には、イーサリアムベースのスマートコントラクトで、約620億円相当の暗号資産が盗まれる事件や、バイナンススマートチェーンのスマートコントラクトのバクなどの発見がありました。
先進的な技術を持ち合わせている一方、セキュリティ上のリスクも高いため、今後は高度なセキュリティを備えたWeb3サービスの登場や、システムのアップデートに期待が集まります。
まとめ:今後もあらゆるWeb3サービスが台頭していく
本記事では、Web3サービスの特徴や国内外の代表的サービスを紹介しました。Web3とは、ブロックチェーンやスマートコントラクトなどの技術を活用した、分散型のインターネットのこと。
日本国内からも、Astar NetworkやOasys、FiNANCiEなどといったグローバルで戦うWeb3サービスが台頭してきています。日本とWeb3は相性も良く、国家戦略としてもWeb3の普及が押し進められています。Web3サービスは、まだ発展途上ではありますが、今後ますます注目を集めていくと考えらるでしょう。今後の、Web3サービスの普及とその進展に注目です。
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