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イーサリアムはビットコインを超えられるのか?

17分
投稿者 Shota Oba
編集 Shota Oba

ヘッドライン

  • イーサリアムは、スマートコントラクトと呼ばれるプログラム実行機能を搭載したプラットフォーム
  • イーサリアムはビットコインを超えられるのか?どちらが優位に立つのかは、現時点では未知数
  • 投資判断を行う際は、それぞれのメリットとデメリットを理解した上で、最適な選択することが重要

暗号資産業界において、イーサリアム(ETH)とビットコイン(BTC)は常に覇権争いを繰り広げてきました。投資家にとって最も気になる話題の1つです。最近、イーサリアムETFの承認可能性が高まっていることから、その将来性にも注目が集まっています。しかし、イーサリアムがビットコインを超えるかどうかは、現時点では未知数です。それぞれ資産としての特徴が異なるため、各自の投資目的について判断するのがオススメです。

本記事では、イーサリアムとビットコインそれぞれの特徴と将来性を比較し、投資判断に役立つ情報を提供します。記事後半では、イーサリアム関連ニュースをまとめつつ、それぞれの銘柄をおすすめする人の特徴を紹介します。

イーサリアムの特徴

イーサリアムは、DApps(分散型アプリケーション)を構築するためのプラットフォーム。DAppsとは、中央管理者が存在せず、ネットワークに参加するすべてのユーザーによって運営されるアプリケーションのことで、ETH(イーサ)とは、イーサリアムのネイティブトークンです。

イーサリアムは、スマートコントラクトと呼ばれるプログラムをブロックチェーンに組み込むことができる点が特徴。スマートコントラクトは、条件が満たされると自動的に実行される契約で、これにより、取引の自動化や仲介者なしでの契約締結などが可能になります。

例えば、イーサリアム上で開発されたDeFi(分散型取引所)では、スマートコントラクトによって取引の決済や出金などが自動化されており、また、イーサリアム上で開発された分散型保険では、スマートコントラクトによって保険金の支払いが自動化されています

  • スマートコントラクト:条件が満たされると自動的に実行される契約で、イーサリアムの根幹の技術
  • DApps:Decentralized Applicationsの略称。中央管理者を介さずに運営されるアプリケーション
  • DeFi:Decentralized Finance(分散型金融)の略称。従来の金融機関よりも低コストで迅速な取引を実現する金融サービス

イーサリアムはまだ発展途上にありますが、従来のインターネットの形を変える可能性を秘めた技術。今後は、さらに多くの分野で活用されることが期待されています。

イーサリアムはビットコインを超えるのか?

結論から言えば、イーサリアムがビットコインを超えるかどうかは、現時点では未知数です。時価総額を基準にするとビットコインがイーサリアムを大きく上回っており、単純比較ではイーサリアムの追い越しは容易ではありません。しかし、今後10年という長期的視点で考えると、イーサリアムはビットコインに匹敵する—or あるいは凌駕する—成長率を示す可能性も十分にあります。

イーサリアムは、単なる暗号資産(仮想通貨)ではなく、スマートコントラクトと呼ばれる画期的な技術を搭載したプラットフォーム。この技術により、従来では不可能だった様々なアプリケーション開発が可能となり、DeFi(分散型金融)やNFT(非代替性トークン)など、革新的なサービスが続々と誕生しています。

一方、ビットコインはデジタルゴールドとしての性質を持ち、主に価値保存の目的で利用されています。イーサリアムとビットコインは、利用目的が異なるという点も重要なポイントです。

イーサリアムの強み

  • スケーラビリティ改善
    • Pectraアップデート:2025年4月末予定。スループット倍増。
    • Fusakaアップデート:2025年後半予定。最大12倍に。
    • MegaETH(テスト中):秒間10万トランザクション処理可能。
  • 機関投資家の導入
    • 2024年に米国でETH現物ETFが承認
    • BlackRock、Fidelityなど8本のETFで32億ドルが流入
    • 2025年4月にETHオプション取引も承認
  • 企業参加:Ethereum Enterprise Allianceに500社以上(三菱UFJ、トヨタ、JP Morgan等)

ビットコインの強み

  • 先駆者優位性:最初の暗号資産としての信頼
  • 供給の希少性:2100万枚で固定、4年ごとの半減期
  • ネットワークの堅牢性:PoWによる高セキュリテ

投資目的で暗号資産を保有する場合、将来的な成長性と利用目的の両方を考慮する必要があります。短期的な視点では、ビットコインの方が安定した投資先と言えるでしょう。しかし、長期的な視点では、イーサリアムの方が高いリターンを得られる可能性も秘めています。

2025年のビットコインおよび、イーサリアム価格予測

出典BTC予測価格範囲ETH予測価格範囲コメント
Forbes~18.5万ドル~11,000ドルETHが市場価値で追いつくのは困難
Nasdaq(Steno Research)~15万ドル~8,000ドルBTC優位は変わらず
Galaxy~18.5万ドル記載なしBTC成長に楽観的
BeInCrypto~10万8,000ドル記載なしBTCは2025年中に過去最高値に達する可能性が77%と予測されている

必要な価格逆算

ETHがBTCの市場価値(約3.15兆ドル)を超えるには:
26,250ドル/ETH(1.2億ETH基準)が必要で、現在の予測では到達困難とされています。

イーサリアムの最新動向について

2024年、米国証券取引委員会(SEC)は、ブラックロックやフィデリティなどの大手資産運用会社が申請していイーサリアム現物ETFを承認。同承認により、多くの機関投資家が参入し、ETFへの資金流入が大きく増加しています。

2024年7月の取引開始以降、イーサリアムETFは累計で約32億ドルの資金流入を記録。 特に2024年12月5日には、1日で4億2,850万ドルの流入があり、過去最大の単日流入額となりました。 このような動きは、2024年の米大統領選での政権交代による暗号資産市場への期待感の高まりと連動しています。

出典:クリプトクアント

SECは2025年4月、ブラックロックの「iShares Ethereum Trust(ETHA)」に対するオプション取引を正式に承認。 投資家はETHAを対象としたオプション取引を通じて、リスクヘッジやレバレッジ戦略を活用できるようになります

また、規制面では、米国証券取引委員会(SEC)によるイーサリアムETF関連の動きが注目されています。2025年初頭から、Cboe BZXやNYSE Arcaといった取引所が既存のETH現物ETFにステーキング機能を組み込む提案を相次いでSECに提出。。これが承認されれば、従来の投資家もETFを通じてイーサリアムのステーキング報酬(利回り)を受け取れるようになり、暗号資産へのアクセスが大幅に簡便化される見込みです。

関連記事:SEC、グレースケールのイーサリアムETFステーキング提案決定延期

RWA(現実資産)のトークン化市場の掌握

出典:RWAxyz

ステーブルコインや株式、債券といったトークン化資産(RWA)の分野では、イーサリアムとそのレイヤー2であるzkSyncが全体の約8割を占める圧倒的なシェアを誇っています。さらに、他のレイヤー2ソリューションも含めると、RWA領域におけるイーサリアム系ネットワークの存在感は80%を優に超えているのが現状です。

次期アップグレード「Pectra」

2025年初頭にリリースが予定されている「Pectra」アップグレードは、「Prague」と「Electra」の2段階で構成され、イーサリアムの実行レイヤーとコンセンサスレイヤーの両方に改善が加えられます。Pragueではネットワーク効率やセキュリティ、トランザクションの利便性向上が図られ、Electraでは「PeerDAS」などの新機能によりデータの一貫性と可用性が強化される予定です。

あわせて導入されるEIP-3074では、複数操作を1つのトランザクションにまとめられる機能や、第三者が手数料を肩代わりできる「スポンサー付きトランザクション」などが実装され、ウォレットとdAppの操作性が大幅に向上します。さらに、バリデータがステーキングできる上限が現在の32ETHから2,048ETHに引き上げられることで、大口ステーキング事業者の参加が容易になり、ネットワークのスケーラビリティと安定性が一層高まると期待されています。

イーサリアムとビットコイン:おすすめする人の特徴

ビットコイン(BTC)価格

ビットコインとイーサリアムの違いを比較表を用いて、解説します。

ビットコインイーサリアム
発行枚数2100万BTC(上限)無制限(将来的に上限が決まる可能性あり)
主な利用用途や価値資産の保存手段(デジタルゴールド)スマートコントラクトやDAppsの開発に利用
創設者サトシ・ナカモト(匿名)ヴィタリック・ブテリン
コンセンサスアルゴリズムProof of Work(PoW)Proof of Stake(PoS)
時価総額ランキング1位2位
誰向けの金融商品か価値の保存を目的とする個人や企業スマートコントラクトを使った新しいサービスを開発する個人や企業(将来性を感じる投資家など)

ビットコインは、価値貯蔵の手段としての役割が主であり、物の対価として支払うための決済手段として中央集権的な状態から抜け出すことを目的として作られました。

一方、イーサリアムはプラットフォームとして機能し、スマートコントラクトを実行するための仕組みとして機能しています。同じ暗号資産ですが、両者にはさまざまな違いがあり、その暗号資産の目的にも大きな違いが見られます。なお、イーサリアムとビットコインは、以下のような主要な違いがあります。

イーサリアム

  • 特徴:スマートコントラクトと呼ばれるプログラム実行機能を搭載したプラットフォーム。DeFiやNFTなど、革新的なアプリケーション開発が可能
  • 将来性:スマートコントラクト技術の進化と共に、DeFiやNFT市場の拡大が期待される
  • おすすめする人:スマートコントラクト実装のサービスに興味がある人、長期的な投資で高いリターンを目指す人

ビットコイン

  • 特徴:世界初の暗号資産として確立された地位を持つ。発行枚数が限られている(2100万枚)ため、希少性が高い
  • 将来性:デジタルゴールドとしての価値が期待される。価格変動が比較的少ないため、安定資産としての有望
  • おすすめする人:短期的な利益よりも安定性を重視する人、長期的な投資で安定性を目指す人

まとめ:イーサリアムがビットコインを超える可能性は未知数

ENS Unstoppable Domains、スポット・イーサリアムETF

本記事では、イーサリアムはビットコインを超えられるのか?両者の将来性を中心に解説してきました。イーサリアムは、スマートコントラクトと呼ばれるプログラム実行機能を搭載したプラットフォーム。DeFiやNFTなど、革新的なアプリケーション開発が可能で、将来性が高いと評価されています。一方、ビットコインは、世界初の暗号資産として確立された地位を持ち、発行枚数が限られているため、希少性が高いという特徴があります。

イーサリアムはビットコインを超えられるのか?どちらが優位に立つのかは、現時点では未知数です。投資判断を行う際は、それぞれのメリットとデメリットを理解した上で、最適な選択することが重要になるでしょう。イーサリアムとビットコインそれぞれを比較し、投資判断の参考にしてみてください。

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国際関係の大学在籍中に国内ブロックチェーンメディアでのインターンを経て、2つの海外暗号資産取引所にてインターントレーニング生として従事。現在は、ジャーナリストとしてテクニカル、ファンダメンタル分析を問わずに日本暗号資産市場を中心に分析を行う。暗号資産取引は2021年より行っており、経済・社会情勢にも興味を持つ。
筆者の紹介を全文表示
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