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USDTを日本円に換金する方法|資金決済法対応完全ガイド

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著者:
Shota Oba

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編集:
Shigeki Mori

08日 4月 2025年 20:00 JST
Trusted-確かな情報源

USDT(テザー)を日本円に換金したいけど、どうすればいいの?」そんな悩みを抱える方は多いでしょう。日本の取引所ではUSDTが扱われていないため、直接の換金はできません。そこでおすすめなのが、USDTをXRP(リップル)に交換してから、国内取引所へ送金して円に換えるルートです。この方法なら、手数料も安く、送金もスピーディー。さらに日本の規制(資金決済法・トラベルルール)にも対応できます。

本稿では、中央集権型取引所(CEX)を使った換金ルートの詳細に加え、DeFi経由の方法、日本の規制や注意点までわかりやすく解説します。


中央集権型取引所を使ったUSDT換金ルートとは?

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日本ではUSDTをそのまま日本円に換金することはできないため、海外と国内の暗号資産取引所(CEX)を組み合わせた方法が主流です。一般的な流れは以下の通りです。

海外取引所でUSDTをXRPに交換 → XRPを国内取引所へ送金 → XRPを売却して日本円に換金 → 銀行口座に出金

このルートが定番として推奨されているのには、いくつかの明確な理由があります。

  • 国内取引所ではUSDTを扱っていない
    • 2025年時点でも、日本国内の取引所ではUSDTの取り扱いがありません。そのため、一度別の暗号資産(XRPなど)に交換してから国内に送る必要があります。
  • XRPは送金コストが安く処理が速い
    • XRPは送金手数料が非常に低く、数秒〜数分で着金します。ビットコインやイーサリアムと比べても圧倒的に手数料を抑えられ、換金までの待ち時間も短縮できます。
  • 規制に準拠した安全な換金方法
    • このルートは、日本のKYC(本人確認)やAML(マネーロンダリング防止)規制に沿った運用が可能です。最終的に日本の登録済み取引所から銀行口座へ出金されるため、法的にも安全性・信頼性の高い方法です。

このような理由から、「USDT → XRP → 日本円」というルートは、日本居住者にとって最も現実的かつ安全な方法といえます。

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関連記事:海外の暗号資産取引所を利用するのは違法か?

具体的ステップ:USDTを円に換金する手順

テザーのビットコイン準備金、USDT、テザーのUSDT、テザー

ここまで解説してきた内容を踏まえ、初心者に最もおすすめできるUSDT換金ルートは次のとおりです。
◎ 推奨ルート:海外CEX(USDT)→ 海外CEX(XRPに交換)→ 国内CEX(XRP受取・円転)→ 銀行口座

上記のルートが基本であり、コスト・速度・安全性のバランスに優れています。最後に、このルートを取る際の具体的なステップとコスト最適化のポイントを整理しておきましょう。

関連記事:【2025年展望】CBDC&ステーブルコインの日本国内での動き

おすすめの換金ルートとコスト最適化戦略

  1. 国内取引所の口座開設・本人確認
  2. 海外取引所の口座開設(必要に応じて)
  3. USDTを海外取引所へ入金
  4. 海外取引所でUSDTをXRPに交換
  5. 海外取引所から国内取引所へXRP送金
  6. 国内取引所でXRPを売却(円に換金)
  7. 日本円を銀行口座に出金

以上が基本的な手順です。特に(1)〜(3)の事前準備を怠らずに行うことで、後の換金プロセスがスムーズになります。

海外取引所でUSDTをXRPに交換する場合

まずは海外の暗号資産取引所で、USDTをXRPに交換します。このステップは、前述のように国内で直接USDTを扱えないため必須のプロセスです。ここでは、その理由と具体的な手順、手数料の目安を解説します。

なぜUSDT→XRPに交換するのか:
日本の取引所はUSDTをサポートしていないため(資金決済法上の制約)、USDTのままでは国内に送金できません。そこで、多くの国内取引所が扱うXRPに替えて持ち込むわけです。XRPは送金コストが安く高速なため、ブリッジ通貨として最適と言えます。

利用する海外取引所の例:
日本語対応があるBybitやMEXC、Bitgetなどが人気です。Bybit→Coincheck、MEXC→bitbank などの組み合わせが一例として挙げられます。どの組み合わせでも基本の流れは同じなので、自分が使いやすい取引所を選びましょう。

【ステップ1】USDTを海外取引所へ送金(ウォレットにある場合)

もしUSDTをMetaMask等のウォレットに保有しているなら、まずそれを海外取引所口座に入金(送金)します。送金時は以下に注意しましょう。

画像:メタマスク

取引所から取得したUSDT入金アドレスを正確にコピーし、MetaMask側で貼り付けます。ネットワーク種類(ERC-20、TRC-20等)もアドレスに対応するものを選択します。

画像:メタマスク

少額(例えば10USDT程度)で試し送金を行い、正しく着金するか確認します。問題なければ残りのUSDTを送金しましょう。

※ガス代節約のため、USDTが複数チェーンに対応している場合は手数料の安いチェーンを使うのがおすすめです。ERC-20(イーサリアム)だとガス代が高くなることがあるので、対応していればTRC-20(Tron版USDT)などを検討するとよいでしょう。

【ステップ2】USDTをXRPに交換

USDTが海外取引所に入ったら、次にそれをXRPに両替(スワップ)します。各取引所での具体的な操作は多少異なりますが、一般的な手順は以下のとおりです。

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  • 海外取引所の現物取引画面で「XRP/USDT」のペアを選択
  • 売却(Buy XRP)の注文欄にUSDTの利用額を入力し、市場価格でXRPを購入します
  • 指値注文でゆっくり約定させても構いませんが、市場価格でも手数料程度の差異であれば即時約定させて問題ないでしょう
  • 取引が成立すると、口座内のUSDTが減少し、代わりにXRPが取得できているはずです。取得したXRPの数量を確認してください

この時、海外取引所で発生する手数料は以下の2点です。

  • トレード手数料: 通常0.1%前後(VIPランクで変動)。例:1,000 USDTの取引で約1 USDT。
  • スプレッド: 板が薄いと発生。ただしXRP/USDTは流動性が高く影響は軽微。

XRP以外の通貨ではダメ?

XRPは中継通貨として最も一般的ですが、他にもライトコイン(LTC)やステラルーメン(XLM)などの選択肢があります。これらも送金手数料が安く国内取引所で扱われています。

とはいえ、XRPは対応取引所が多く流通量も多いため、初心者にはXRP経由が最も無難といえるでしょう。特別な理由がない限り、XRPを選ぶのがおすすめです。

DeFi(分散型金融)経由でUSDTを換金する方法

中央集権型の取引所を使う以外に、MetaMaskなどのウォレットと分散型取引所(DEX)を活用してUSDTを換金する方法も考えられます。例えば、「手元のUSDTをDEXで他の仮想通貨にスワップし、それを国内取引所に送って円に換金する」といった流れです。ここではDeFi経由の換金方法の概要と、初心者が注意すべきポイントを説明します。

ウォレットから直接スワップ:

画像:メタマスク

MetaMaskなどWeb3ウォレットにUSDTを保有している場合、UniswapやPancakeSwapといったDEXでUSDTを別の暗号資産にスワップ(交換)することが可能です。例えばEthereumチェーン上のUSDTをETHに交換するといった形です。

国内取引所でサポートされる通貨に交換:
スワップ先の通貨は、国内取引所が受け入れている銘柄にする必要があります。Ethereumチェーン上であればETHやERC-20版の主要トークン、BSC上であればBEP-20版の主要トークンなどが考えられます。ただしXRPは独自チェーンの通貨のため、Uniswap等で直接入手することはできません(Wrapped XRPなどを介する必要があり複雑です)。そのため、例えばETHやBTCなどにスワップする方法が現実的でしょう。

国内取引所へ送金して円転:

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画像:メタマスク

DEXでUSDTから交換したETHやBTCを、自分の国内取引所口座に送金します。あとは先ほどと同様、受け取った通貨を売却して日本円に換え、銀行出金します。

一見すると、中央集権取引所を経由する方法と大差ないようにも思えます。しかし、DeFi経由にはいくつかの注意点とデメリットもあります。

DeFi経由の注意点まとめ

  • ガス代がかかる
     スワップや送金時にネットワーク手数料(例:ETH)が発生。混雑時は数十ドルに達することも。
  • スリッページのリスク
     流動性の低いタイミングや大口取引では、交換レートが不利になる可能性あり。分割スワップが有効。
  • 操作ミス=資金喪失につながる
     ウォレットアドレスやネットワーク選択の誤りは自己責任。送金ミス時にサポートがない。
  • 直接日本円にはできない
     スワップ後も国内取引所を介する必要があり、DeFiだけでは換金が完結しない。

コスト最適化のポイント

国内取引所の選択
日本円出金手数料は取引所によって異なります。以下の表に主な取引所の手数料をまとめました。無料出金が可能なところを使えば数百円の節約になります。

国内取引所日本円出金手数料(税込)
Coincheck407円(一律)
bitbank3万円未満:550円、3万円以上:770円
bitFlyer三井住友銀行宛:220円〜440円、その他銀行宛:550円〜770円
GMOコイン無料(※大口出金のみ400円)
SBI VCトレード無料
DMM Bitcoin無料
BITPoint月1回無料(2回目以降は1回330円)

※2025年時点。出金頻度によって取引所の選定がコストに大きく影響します。

  • 送金ネットワークの工夫
    • USDTを海外取引所に送る際は、手数料の安いチェーン(例:TRC-20、BEP-20)を活用するのが有効です。ERC-20のみを保有している場合でも、ブリッジ機能を使って移行すれば、送金コストを大幅に削減できます(ただしブリッジにはリスクと追加手数料あり)。
  • 一括送金と分割送金
    • 一度に全額を送ると手数料は1回分で済みますが、失敗時の損失も大きくなります。不安な方は、まず少額でテスト送金を行い、正常に着金を確認してから残額を送るのが安全です。
  • 為替レートの確認
    • USDTは1ドルに連動しますが、実際の換金ではドル円の相場が影響します。大きな金額を換金する場合、作業日の為替レートを確認し、リスクを平準化するため分散して換金するのも一つの戦略です。
  • 取引所のキャンペーン活用
    • 一部の取引所では、期間限定で出金手数料無料キャンペーンやスプレッド縮小施策が行われています。換金のタイミングを合わせれば、思わぬコスト削減につながります。公式サイトやアプリの通知を定期的にチェックしましょう。

以上のポイントを押さえておけば、USDTから日本円への換金を、無駄なコストをかけずに安全・効率的に行うことができます。

USDTが国内取引所で扱えない理由と規制の現状

2025年4月時点で、日本国内でUSDT(テザー)はいまだ上場・取扱いされていません。一方で、同じく米ドル連動型ステーブルコインであるUSDC(USDコイン)は、すでにSBI VCトレードに上場しており、今後bitFlyerやbitbankといった他の国内取引所でも導入が予定されています。

この違いの背景には、日本の法制度、特に「資金決済法」の存在があります。

資金決済法によるステーブルコイン規制

2022年に資金決済法が改正され、2023年6月からステーブルコインは「電子決済手段」として法的に位置づけられました。これにより、銀行や信託会社、資金移動業者などが条件付きで発行・流通を可能にしましたが、海外で発行されたステーブルコインを日本国内で流通させるには、別途登録が必要となります。

これまで日本では、法定通貨と連動するデジタル通貨は明確な法的枠組みが存在せず、取引所での取扱いが事実上制限されていました。USDTについても、発行元であるテザー社の裏付け資産の開示不足に対する不信感が長年根強く、国内での上場が認められていない現状があります。

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国際的な規制の動きも影響

日本だけでなく、国際的にもUSDTを取り巻く規制強化の流れが続いています。欧州連合(EU)では、暗号資産市場規制(MiCA)の施行により、複数の大手取引所が2024年末にUSDTの上場廃止。さらに、米国でもステーブルコインに関する法案が進行中で、可決されればテザー社に対して準備金の厳格な管理と報告義務が求められる可能性があります。

こうした背景から、日本国内における取扱いの制限ではUSDTを取り扱うことが難しく、個人ユーザーはUSDTを直接円に換金することができません。そのため、海外取引所で一度XRPなどに交換し、国内取引所で日本円に換金する「迂回ルート」が現実的な選択肢となっています。

関連記事:ステーブルコイン「USDC」の使い方は?

トラベルルールとUSDT送金時の注意点

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USDTの換金ルートを利用する際に知っておくべき規制として、「トラベルルール(Travel Rule)」があります。

トラベルルールとは

画像:金融庁

これはマネーロンダリング対策を目的とした国際的な規制で、暗号資産の送金時に、送金者と受取人の情報を取引業者間で共有することを義務づけるものです。日本でも2023年6月1日に施行され、国内の暗号資産交換業者同士の間では、トラベルルール対応の送金ネットワークが必須となりました。

国内取引所間では制限がある

たとえば、Coincheck(TRUSTを採用)bitbank(Sygnaを採用)といった異なるシステムを導入している取引所間では、トラベルルールの互換性の問題により直接送金できないケースがあります。

このような制限により、送金がエラーになることがあり、ユーザーは「なぜ送金できないのか?」と困惑する可能性があります。

海外CEX・個人ウォレット経由の送金はどう扱われるのか

この制限は、あくまで「国内取引所同士」の送金に適用されるものです。したがって、海外取引所や個人ウォレットを経由した送金では、現時点では直接影響を受けません

たとえば、「海外取引所 → 国内取引所」という送金ルートでは、トラベルルールに基づく情報連携は必須ではなく、通常の送金手続きが可能です。ただし将来的にこの点についても規制が強化される可能性はあります。

ユーザーが注意すべきこと

  • 国内取引所間で送金する際は、送金先のアドレスが「国内登録業者のものであるかどうか」に注意。
  • 万が一送金がブロックされた場合は、自分のウォレットに一度送金し、そこから目的の取引所に送金することで回避可能。

今回紹介しているUSDT換金ルートでは「海外(非登録業者)→国内(登録業者)」のパターンであるため、トラベルルールの制限は直接関係しません。とはいえ、今後の規制強化に備えて、基本的な仕組みを理解しておくと安心です。

関連記事:日本政府、トラベルルールなどを含む改正法を閣議決定=6月1日施行

まとめ:USDTを日本円に換金するなら、XRP経由が安全で現実的

ステーブルコイン、ギルブランド、ルミス

USDTは日本国内の取引所で直接換金できないため、海外でXRPに交換し、国内取引所を通じて日本円に変えるルートがもっとも実用的です。特にXRPは送金が速く、手数料も安いためコストパフォーマンスに優れています。国内業者を通すことで規制面の安心感も得られます。DeFi経由の換金も可能ですが、ガス代や操作の難易度から中級者以上向きと言えるでしょう。まずは本記事で紹介した中央集権型取引所ルートを使い、着実にステップを踏んでみましょう。規制や基本のルートも押さえておけば、スムーズにUSDTを日本円に換金できます。

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