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Play to Earn(プレイ・トゥ・アーン)関連の暗号資産トップ7

16 mins

ヘッドライン

  • Play-to-Earn(P2E)モデルは、ゲームをプレイして暗号資産やNFTを獲得できる新しい経済モデルで、Immutable(IMX)、Axie Infinity(AXS)などが注目されています。
  • P2E関連の暗号資産市場は、特にポリゴンやAxie Infinityなどが牽引し、ウォレット数や取引量が増加する中で、今後も成長が期待されます。
  • 2023年には市場の苦境も見られましたが、ウォレット数の増加やユニークアクティブウォレットの成長が示すように、P2E市場は引き続き注目を集める分野です。

Play to Earn(プレイ・トゥ・アーン:P2E)モデルは、ゲームを楽しみながら暗号資産を稼ぐことができる新しいエコシステムとして注目を集めています。2024年現在、多くのPlay to Earn関連の暗号資産が市場に登場し、その中でも特に注目すべきトークンがいくつかあります。本記事では、時価総額トップ7のP2E関連暗号資産を紹介し、それぞれの特徴についてわかりやすく解説します。

Play to Earnとは?新しいゲーム経済モデルの概要

Play to Earnとは、プレイヤーがゲームをプレイすることで仮想通貨やデジタル資産を獲得できる新しいビジネスモデルであり、ブロックチェーン技術を基盤としています。従来のゲームでは、ゲーム内で獲得したアイテムやキャラクターはゲームの範囲内でしか価値を持たず、外部に持ち出すことができません。しかし、P2Eでは、これらのゲーム内アイテムがNFTとしてトークン化され、ブロックチェーン上で独自の価値を持つ資産として取引可能となります。プレイヤーは、ゲーム内のタスクやチャレンジを達成することで、暗号資産やNFTを獲得し、これを外部のマーケットプレイスで売買することで、実際の収益を得ることができます。

P2Eゲームの仕組みは、ブロックチェーン技術により、ゲーム内のアイテムやキャラクターの所有権がプレイヤーに分散される点に特徴があります。ブロックチェーンは、各取引を安全かつ透明に記録する分散型台帳を提供し、これによりプレイヤーが取得したNFTや暗号資産の所有が保証されます。また、ゲーム内で獲得したNFTや暗号資産は、外部のプラットフォームで他のプレイヤーと取引できるため、ゲームの枠を超えた経済圏が形成されます。さらに、P2Eゲームでは、プレイヤーが自らの資産を他のゲームプロジェクトに利用したり、DeFi(分散型金融)の仕組みを利用して追加の収益を得ることも可能です。このように、P2Eはゲームプレイを通じてプレイヤーに実世界の経済的利益をもたらす新しい形態のエコシステムを構築しています。本稿執筆時点でP2E関連の暗号資産の時価総額は86億2561万ドルになっています。

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時価総額トップ7Play to Earn関連暗号資産

1, Immutable (IMX)

Immutableは、イーサリアム上でWeb3ゲームを簡単に構築するためのプラットフォームです。主力製品のImmutable Xは、StarkWareのzk-rollup技術を使用して、ガス料金を抑えつつ高速で安全な取引を実現します。また、Immutableはポリゴンと提携し、zkEVMを導入することで、スマートコントラクトの互換性とゲーム開発の効率を向上させています。IMXトークンは手数料支払い、ステーキング、ガバナンスに使用され、エコシステム全体で流動性を高めます。Immutableは、Web3ゲームの開発と展開を加速させる重要なプラットフォームです。対応するゲームには、NFTトレーディングカードゲーム「Gods Unchained」、モバイルRPG「Guild of Guardians」、オープンワールドRPG「Illuvium」などがあります。

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2, Notcoin (NOT)

Notcoinは、Telegramを基盤としたゲームで使用され、シンプルな「Tap-to-Earn」メカニズムを中心に設計されています。このゲームの特徴は、プレイヤーが画面をタップするだけでNotcoinを獲得できるシンプルさと、ブースト機能やパワーアップを活用して効率的にトークンを稼げる点です。対応するゲームには、画面をタップしてNotcoinを獲得する基本的なゲームプレイに加え、リーダーボードやクエスト、チーム戦などの要素が含まれています。さらに、NotcoinはTONブロックチェーンと統合されており、高速で安全なトランザクションが可能です。

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3, Axie Infinity (AXS)

Axie Infinityは、2018年にSky Mavisが開発しブロックチェーンゲームで、ポケモンやたまごっちにインスパイアされています。プレイヤーはイーサリアムブロックチェーン上でNFTとして表現される「アクシー」を集め、育て、戦わせます。戦闘に勝利すると、ゲーム内通貨「スムース・ラブ・ポーション(SLP)」やガバナンストークン「Axie Infinity Shards(AXS)」が報酬として獲得できます。SLPはゲーム内の資源であり、ポケモンのようにアクシー(NFT)を進化させるためのトレード可能なトークンです。2022年に「Axie Infinity Origins」が導入され、現在は「Axie Infinity Classic」とともににプレイ可能です。

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4, GALA (GALA)

GalaのGala Gamesは、他のPlay to Earnプラットフォームと比較して、幅広いゲームジャンルとコスト効率の良い取引が特徴です。リアルタイムストラテジー(RTS)、マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ(MOBA)、ロールプレイングゲーム(RPG)など、多様なゲームを提供し、プレイヤーはそれぞれのゲームでGALAトークンやNFTを獲得できます。さらに、イーサリアムブロックチェーンを基盤としつつ、ポリゴンやBNB Chainとの連携により、ガス料金を抑えた取引を実現しており、他のプラットフォームに比べて取引コストが低い点も強みです。

5, The Sandbox (SAND)

The Sandboxは、他のPlay to Earnゲームと比較して、特にプレイヤーがクリエイターとしての役割を持つ点で際立っています。このプラットフォームでは、プレイヤーが「LAND」と呼ばれるデジタル不動産(NFT)を購入し、自由に開発・カスタマイズできることが大きな特徴です。プレイヤーは、VoxEditという専用ツールを使って、自分だけのアイテムや建物を作成し、それをNFTとしてマーケットプレイスで売買できるため、自らの創造性がそのまま収益に結びつきます。さらに、ザ・サンドボックスは、分散型の仮想経済を構築しており、プレイヤーは単にゲームをプレイするだけでなく、独自のコンテンツを作成し、他のユーザーと取引することができます。

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6, Ronin (RON)

Roninは、特にP2Eゲームやその他の分散型アプリケーションをサポートするために設計されたEVM互換のブロックチェーンです。Axie Infinityの成功を支える基盤としても知られており、ゲーム内での数百万件のトランザクションを高速かつ低コストで処理できる点が特徴です。Roninはまた、ユーザーがガス代を気にせずに取引を行える「Sponsored Transactions」を導入し、ゲーム開発者がプレイヤーのガス代を負担できる仕組みを提供しています。これにより、新規ユーザーの参入障壁を下げ、ゲームへの参加を促進します。さらに、Ronin WalletやMavis Marketなど、ゲームと密接に連携したサービスも提供しています。

7,Decentraland (MANA)

Decentralandは、イーサリアムブロックチェーン上に構築されたメタバースプラットフォームで、ユーザーがデジタル土地(LAND)を購入し、その上で自由に環境やアプリケーションを作成・収益化できる点が特徴です。MANA、LAND、Estateという3つのトークンが経済を支え、特にMANAは通貨として機能します。他のPlay to Earnゲームと異なり、Decentralandは分散型自律組織(DAO)によってユーザーが直接プラットフォームを統治し、真の分散型メタバースを実現している点が際立っています。

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Play to Earn関連暗号資産の未来:市場の動向と展望

出典:チェーンリンク

ゲーム市場は指数関数的に拡大しており、2018年には、ゲームの収益が映画、テレビ、音楽など他のエンターテインメントメディアを上回り、その急成長はとどまるところを知らない状況です。アメリカ国内では、エンターテインメントソフトウェア協会(ESA)の推計によれば、2億2700万人、すなわち人口の約66%がビデオゲームをプレイしているとされています。

一方で日本国内においては、DAO型ゲームギルドサービス提供のForNが2023年7月に発表した調査によると、回答者の8割がP2Eを含むブロックチェーンゲームに興味を持っていると答えたものの、実際にプレイしているのは1割に満たないことが示されました。この調査は、ゲーム好きの一般人とゲーマー1,018名を対象に行われ、ブロックチェーンゲームの認知度については約4分の1が「知っている」と回答しました。

出典:Techopedia

また2023年には、発表されたブロックチェーンベースのゲームのうち、30%以上がキャンセルまたは中止されたことが、Big Blockchain Game Listのデータによって明らかになりました。特に中止されたゲームの多くはBNB(11%)、ポリゴン(10%)、イーサリアム(6%)で開発されていました。

出典:Dapprader

しかし2024年第1四半期においては、ブロックチェーンゲームがWeb3業界で30%の市場シェアを獲得し、1日あたり平均210万のユニークアクティブウォレットを記録しました。同四半期で、ポリゴンはゲームブロックチェーンのリーダーとして地位を確立し、前四半期からの429%の成長を遂げ、1日あたり110万以上の新規ウォレットを引きつけました。また、Waxブロックチェーン上の「Alien Worlds」が引き続きゲームのユニークアクティブウォレット数でトップに立ち、この四半期で960万ウォレットを集めました。NFT市場では「Axie Infinity」がインゲームNFT取引量で1億8100万ドルを達成し、ゲームdappの中で最も高い取引量を記録しました。一方で2024年第1四半期におけるブロックチェーンゲームへの投資額は、前四半期から57%減少し、2億8800万ドルにとどまりました。

23年苦境を迎えたブロックチェーンゲームセクターですが、これらのデータにもあるようにウォレット数などが成長していることから、今後もP2E関連の暗号資産にも注目が集まることが予想できるでしょう。

まとめ

Play to Earnモデルは、ゲームプレイを通じて暗号資産を獲得できる革新的なエコシステムとして注目を集めています。本記事では、時価総額トップ7のP2E関連暗号資産を紹介し、それぞれの特徴を解説しました。2024年の市場動向を踏まえると、ブロックチェーンゲームの成長は依然として強力であり、特にポリゴンやAxie Infinityなどのプラットフォームが牽引役となっています。ウォレット数の増加やトークンの取引量からも、今後もP2E市場の拡大が期待されるでしょう。

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Shota Oba
国際関係の大学在籍中に国内ブロックチェーンメディアでのインターンを経て、2つの海外暗号資産取引所にてインターントレーニング生として従事。現在は、ジャーナリストとしてテクニカル、ファンダメンタル分析を問わずに日本暗号資産市場を中心に分析を行う。暗号資産取引は2021年より行っており、経済・社会情勢にも興味を持つ。
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