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YouTubeが広告なしで見れるweb3ブラウザBraveとは?

23分
投稿者 Shota Oba
編集 Shigeki Mori

ヘッドライン

  • Braveブラウザは、広告やトラッカーをブロックし、プライバシー保護と快適なブラウジングを提供するWeb3対応ブラウザです。
  • Braveの特徴には、高速なページ表示、プライバシー保護、独自の検索エンジン(Brave Search)などがあり、ユーザーのオンライン体験を支援するAIアシスタント「Leo」も提供しています。
  • Braveブラウザは、Chromeの拡張機能に対応しつつ、広告なしでYouTubeを視聴できる機能が人気です。またBraveの使用を通じて暗号資産BATを獲得することもできます。

インターネットを利用する際、広告やトラッカーによるプライバシーの侵害が大きな問題となっています。そんな中、広告なしでYouTubeを視聴でき、さらにユーザーのプライバシーを徹底的に保護する次世代のWeb3ブラウザ「Brave(BAT)」が注目を集めています。

本稿では、web3ブラウザBraveの特徴、機能、使い方、他のブラウザとの比較、そしてその将来性について、詳細に解説します。

Braveブラウザとは?

開発の背景と目的

Braveブラウザは、2016年にBrave Software社によって開発されたオープンソースのウェブブラウザです。創設者のブレンダン・アイク氏は、JavaScriptの開発者であり、Mozilla Firefoxの共同創設者としても知られています。同氏は、インターネットユーザーのプライバシー保護と高速なブラウジング体験を提供することを目的に、Braveを立ち上げました。

Chromiumベースのブラウザとしての位置付け

Braveは、GoogleのオープンソースプロジェクトであるChromiumをベースに開発されています。そのため、Google Chromeと似た操作性を持ちつつも、独自のプライバシー保護機能や報酬システムを搭載しています。Chromeの拡張機能も利用可能であり、ユーザーは慣れ親しんだ環境で新しい機能を享受できます。

Web3時代におけるBraveの意義

Web3とは、ブロックチェーン技術を活用した分散型のインターネットを指します。Braveは、このWeb3時代に対応したブラウザとして位置付けられており、ユーザーが自身のデータを管理し、プライバシーを守りながらウェブを閲覧できる環境を提供しています。また、暗号資産「Basic Attention Token(BAT)」を活用した新しい広告モデルを提案しており、ユーザー、広告主、コンテンツクリエイター全てにメリットのあるエコシステムを構築しています。

関連記事:Web3.0の始め方とメリット・将来性を解説

Braveブラウザのメリットとデメリット

利用する際の注意点

メリット

  • プライバシー保護:デフォルトで高いプライバシー保護が得られます。
  • 広告ブロック:煩わしい広告を自動でブロックします。
  • 高速で快適なブラウジング:ページ読み込みが速く、データ使用量も削減できます。
  • 暗号資産BATの獲得:広告を見ることでBATを獲得し、収益化が可能です。
  • 多彩な機能:Brave Search、Brave Wallet、Brave Talkなど、便利な機能が豊富です。

デメリット

  • 一部サイトでの表示崩れ:広告ブロックによりサイトのデザインが崩れる場合があります。
  • 拡張機能の互換性:Chromeの拡張機能でも、正常に動作しないものがある場合があります。
  • デバイスによる機能差:iOSではBATが稼げないなど、デバイスによって利用できる機能が異なります。

関連記事:分散型アプリケーション(DApps)とは?特徴や活用事例を解説

Braveの主な特徴と機能

Brave Wallet

広告ブロック機能とそのメリット

Braveの最大の特徴の1つは、デフォルトで広告やトラッカーをブロックする機能です。これにより、ユーザーはウェブサイトやYouTubeでの煩わしい広告表示から解放されます。

  • 高速なページ読み込み:広告やトラッカーを読み込まないため、ページの表示速度が向上します。実際、BraveはChromeに比べて最大3倍の速度を実現しています。
  • データ通信量の節約:余分なデータをダウンロードしないため、モバイルデータ通信量を節約できます。
  • バッテリーの節約:不要なスクリプトを実行しないため、デバイスのバッテリー消費が減少します。
  • プライバシーの保護:トラッキングを防止し、ユーザーのオンライン行動が追跡されるリスクを低減します。

プライバシー保護機能

Braveは、ユーザーのプライバシーを徹底的に保護するための機能を多数搭載しています。

  • Brave Shields:広告やトラッカー、フィンガープリンティング技術をブロックし、ユーザーのオンライン活動を守ります。これにより、第三者がユーザーの行動を追跡することを防ぎます。
  • HTTPSアップグレード:アクセスするウェブサイトを自動的にHTTPS接続に切り替え、データの暗号化を行います。これにより、通信内容の盗聴や改ざんを防止します。
  • プライベートウィンドウ(Tor統合):Torネットワークを利用したプライベートウィンドウを提供し、IPアドレスの匿名化を可能にします。これにより、高い匿名性を持ったブラウジングが可能となります。

関連記事:暗号資産(仮想通貨)BAT提供のブラウザサービスBrave、画像・動画検索に対応

Brave RewardsとBasic Attention Token(BAT)の仕組み

BATとは何か

Basic Attention Token(BAT)は、Braveブラウザ内で利用されるERC-20規格の暗号資産です。ユーザーはBrave Rewardsを通じてBATを獲得できます。

  • ユーザーの注意に価値を置く:広告を閲覧するユーザーの「注意」に対して報酬を提供する仕組みです。
  • ブロックチェーン技術の活用:Ethereumブロックチェーン上でトークンが管理され、安全で透明性のある取引が可能です。

関連記事:イーサリアムはオワコンなのか?

暗号資産取引所との連携と換金方法

日本国内でBATを換金するには、同通貨を取り扱う暗号資産取引所との連携が必要です。以下にbitFlyerを例に解説します。

  1. bitFlyerで口座開設:bitFlyerの公式サイトから無料で口座を開設します。メールアドレスの登録と本人確認が必要です。
  2. Braveブラウザと連携:Brave Rewardsの設定から「ウォレットを認証」を選択し、bitFlyerと連携します。
  3. BATの受け取り:連携が完了すると、翌月に獲得したBATが自動的にbitFlyerの口座に振り込まれます。
  4. 換金手順:bitFlyerでBATを売却し、日本円に換金します。その後、銀行口座に出金することが可能です。

注意点:連携しないとBATは受け取れません。必ず暗号資産取引所との連携を行ってください。また、暗号資産の価格変動にも注意が必要で、獲得した利益は税法上、「雑所得」として扱われます。そのため、年間の雑所得の合計が20万円を超える場合、確定申告が必要となります。

独自の検索エンジンBrave Search

プライバシー保護型の検索エンジン

Brave Searchは、Brave Software社が開発した独自の検索エンジンです。

  • ユーザーデータを追跡しない:検索履歴や個人情報を収集しないため、プライバシーが保護されます。
  • 独自の検索インデックス:GoogleやBingに依存しない独自のインデックスを使用しています。
  • 広告表示の制御:ユーザーは広告の有無を選択できます。

Brave Searchの使い方と特徴

Braveブラウザでは、デフォルトの検索エンジンとしてBrave Searchが設定されています。

  • 検索の設定変更:必要に応じて、設定からGoogleやDuckDuckGoなど他の検索エンジンに変更できます。
  • プライバシーモード:検索クエリは匿名化され、第三者に共有されません。
  • Answer with AI機能:AIを活用した回答機能で、複数の情報源からまとめた回答を提供します。

Chromeウェブストアとの互換性

BraveはChromiumベースのブラウザであるため、Google Chromeの拡張機能を利用できます。

  • 拡張機能の追加方法:ブラウザのメニューから「拡張機能」を選択し、Chromeウェブストアから好みの拡張機能を追加します。
  • 注意点:拡張機能によってはプライバシーに影響を与えるものもあるため、信頼できるものを選択しましょう。

デバイス間の同期と設定カスタマイズ

Brave Syncの使い方

Brave Syncを利用すると、複数のデバイス間でデータを同期できます。

  • 同期できるデータ:ブックマーク、履歴、パスワード、拡張機能、設定など。
  • 同期の設定方法:ブラウザの設定から「Sync」を選択し、「同期チェーンを開始」をクリック。表示されるコードを他のデバイスで入力して同期を開始します。

ブックマークやパスワードの共有

Brave Syncにより、ブックマークやパスワードが自動的に共有されます。

  • 新しいブックマークの追加:どのデバイスで追加しても、他のデバイスに反映されます。
  • パスワードの管理:安全にパスワードを保存し、各デバイスで自動入力が可能です。

注意点:データは暗号化されて同期されますが、セキュリティのために定期的なパスワードの変更をおすすめします。

BraveのAIアシスタント「Leo」

Leoとは何か

Leoは、Braveブラウザに統合されたAIアシスタントで、ユーザーのブラウジング体験をサポートします。

  • 高度な自然言語処理:最新のAI技術を活用しています。
  • プライバシー保護:ユーザーのデータを収集せずに機能します。

機能と使い方

  • コンテンツの要約:長い記事や文書を簡潔に要約します。
  • 質問応答:ブラウザ内で直接質問を入力し、回答を得られます。
  • 検索補助:検索クエリに対して最適な結果を提供します。

利用方法:ブラウザのツールバーからLeoアイコンをクリックし、質問や命令を入力します。

関連記事:Web3ブラウザサービスBrave、AIツール「Leo」を提供開始

他のブラウザとの比較

BraveとGoogle Chromeの比較

項目BraveGoogle Chrome
プライバシー保護高い(デフォルトで広告ブロック)低い(ユーザーデータを収集)
広告表示なし(自動でブロック)あり
速度とパフォーマンス高速通常
拡張機能豊富(Chromeと互換性あり)非常に豊富

BraveとSafariの比較

項目BraveSafari
プライバシー保護非常に高い高い
広告表示なし(自動でブロック)一部表示される場合あり
拡張機能豊富(Chromeと互換性あり)限定的
プラットフォーム多様(Windows、macOSなど)主にAppleデバイス

デバイスごとの機能差

デバイス広告ブロックBAT獲得拡張機能バックグラウンド再生プレイリスト機能
PC可能可能可能不可不可
Android可能可能一部可能可能不可
iOS可能不可制限あり可能可能

Braveブラウザの導入方法と初期設定

Braveブラウザは公式サイトから無料でダウンロードできます。

  1. 公式サイトにアクセスhttps://brave.com/ja/
  2. ダウンロード:「Braveをダウンロード」をクリックすると、自動でOSに合ったインストーラーがダウンロードされます。
  3. インストール:ダウンロードしたファイルを開き、画面の指示に従ってインストールを完了させます。

初期設定とプライバシー設定

インストール後、初期設定を行います。

デフォルトブラウザの設定:Braveをデフォルトのブラウザとして設定するか選択します。

ブックマークのインポート:他のブラウザからブックマークや設定をインポートできます。

プライバシー設定:設定から「Shields」を開き、広告ブロックやトラッカー防止のレベルを調整します。

Brave Rewardsの設定方法

Brave Rewardsを利用することで、広告を閲覧してBATを獲得できます。

  1. Brave Rewardsを有効化:設定から「Brave Rewards」を選択し、有効にします。
  2. 広告の表示設定:広告の表示頻度を設定し、プライバシー保護型の広告を受け取る準備をします。
  3. ウォレットの認証:BATを受け取るために、暗号資産取引所rと連携します。

BraveでYouTubeを広告なしで視聴する方法

広告ブロックの仕組み

Braveブラウザでは、YouTubeを含むウェブサイト上の広告をデフォルトでブロックします。これは、ブラウザ内蔵の広告ブロック機能「Brave Shields」により実現されています。

  • 広告の自動ブロック:YouTubeの動画広告、バナー広告、ポップアップ広告などを自動的にブロックします。これにより、広告に邪魔されずにコンテンツを楽しめます。
  • トラッキング防止:広告と一緒に仕込まれているトラッキングコードもブロックし、プライバシーを保護します。

設定方法と注意点

Braveブラウザをインストールするだけで、広告ブロック機能は自動的に有効になります。しかし、一部のサイトでは広告ブロックにより表示が崩れる場合があります。その際は以下の手順で対応できます。

Brave Shieldsの設定を確認:ブラウザのアドレスバー右側にあるライオンアイコンをクリックして、Shieldsの設定を確認します。

サイトごとに設定を調整:必要に応じて、特定のサイトでShieldsを無効にすることができます。これにより、そのサイトでの広告表示を許可できます。

広告表示を許可:信頼できるサイトで広告を表示したい場合は、Shieldsをオフにすることで広告を許可できます。

注意点:広告ブロックが原因でサイトの機能が制限される場合があります。その際は一時的にShieldsをオフにして対処してください。

関連記事:Web3ブラウザサービスBrave、AIベースのコード生成ツール「CodeLLM」をローンチ

Braveブラウザの将来性とWeb3への期待

分散型インターネットへの取り組み

Braveは、web3時代の分散型インターネットの実現を目指しています。

  • 分散型検索:Brave Searchを強化し、ユーザーのプライバシーを守りながら高品質な検索結果を提供します。
  • データの自己管理:ユーザーが自分のデータを完全にコントロールできる仕組みを構築しています。

今後の発展の可能性

  • NFTやDeFiへの対応Brave Walletを通じて、NFTの保管や分散型金融(DeFi)サービスの利用が可能になります。
  • クリエイター支援の拡大Brave Rewardsを通じて、より多くのクリエイターに報酬を提供し、コンテンツ制作を支援します。

関連記事:Web3ブラウザサービスBrave、ウォレットサービスがビットコインに対応開始

まとめ:Braveの今後の認知拡大に期待

Braveブラウザは広告ブロック、高速ブラウジング、プライバシー保護機能、さらに暗号資産BATを利用した新しいエコシステムを提供する次世代ブラウザです。Web3時代に向け、ユーザーが自身のデータを管理し、安心してインターネットを利用できる環境を提供します。主な利点として、広告なしでのYouTube視聴、高いプライバシー保護、高速ブラウジング、広告視聴によるBAT獲得が挙げられます。また、Brave WalletやBrave Talkといった多彩な機能も利用可能です。本記事の一読を契機に一度Braveを体験してみてはいかがでしょうか?

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国際関係の大学在籍中に国内ブロックチェーンメディアでのインターンを経て、2つの海外暗号資産取引所にてインターントレーニング生として従事。現在は、ジャーナリストとしてテクニカル、ファンダメンタル分析を問わずに日本暗号資産市場を中心に分析を行う。暗号資産取引は2021年より行っており、経済・社会情勢にも興味を持つ。
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