マイクロストラテジー株(MSTR)は6月下旬の安値から約29%反発しているが、同社によるビットコイン売却のニュースも意に介さなかった。
しかし、この反発は出来高の低下と資金流出の継続が続いている。株価が上昇する一方で慎重な資金動向が見られるため、この上昇は脆弱なものとなっている。
上昇は力強く見えるが、出来高は減少
MSTRは5月中旬の約197ドルから6月下旬の約82ドルまで下落したのち、約29%反発した。マイクロストラテジーとして知られた同社が約3588ビットコインを売却したことを公表したが、BTCの7%反発とともに株価も崩れず推移した。
この反発幅はビットコインの約4倍に達し、MSTR株が本来連動すべきビットコインより激しく値動きしている初期兆候となっている。
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しかし買い圧力は次第に弱まっている。6月29日以降、取引出来高は一貫して減少しており、上昇局面を追従する投資家が減っている傾向にある。
視野を広げれば、この反発は小幅にとどまる。過去1年間でMSTR株価は約75%下落しており、ビットコインの41%下落と比べてもほぼ2倍の値幅となった。30日間リターン相関も約0.30まで低下している。
注:ロール30日間のリターン(価格ではなく)を用いた標準ピアソン相関係数。2資産の連動度を測る業界標準手法。
この乖離は重要な意味を持つ。投資家はMSTRをレバレッジ型ビットコイン銘柄とみなすプレミアムを支払わなくなっており、そのため株価が基準となるビットコイン以上の速度で下落し、反発も信頼しがたい状況になっている。
ここで本質的な疑問が生じる。今回の反発で本当に大口資金が買い向かっているのか、それとも静かに売り抜けているのか。
オプション市場が強気も資金流出は続く
資金フローの指標はその答えを示す。チャイキン・マネー・フロー(CMF)は機関投資家買い売り圧力の代理指標であり、現在はマイナス0.23付近に位置する。6月下旬以降やや上昇しており流出ペースは緩やかになったものの、依然としてゼロを下回り大口投資家の資金流出基調が続く。
MSTR チャイキン・マネー・フロー 出典:TradingView
一方でオプション投資家は29%の株価反発を背景に楽観的に転じつつある。強気・弱気のポジション比率を示すプット・コールレシオは、6月下旬の1.30から0.71へと低下し、コールオプション(上昇期待)の購入が優勢になっている。
ただし、出来高や資金フローがこれに追随しなければ、この楽観ムードは罠となる可能性がある。
ウォール街も慎重姿勢を強めている。7月上旬には、複数のアナリストがビットコインのプレミアム縮小を受けて目標株価を引き下げたが、買い推奨は維持した。
資金流出が続き、センチメントが限界に近づく中、今後の動きは価格チャートに委ねられる展開。
7月に注目すべきMicroStrategy株の価格水準
MicroStrategyの株価は、ベアフラッグと呼ばれるチャネル内で上昇している。このパターンは急落後によく形成され、下方にブレイクしやすい性質がある。価格がチャネル内にとどまるかぎり、有効な形状として認識される。
上値では、104.27ドルが最初の壁となる。この水準は0.382のフィボナッチ水準に一致し、ビットコイン売却のニュースで上昇が止まった位置でもある。ここを明確に上抜けし、さらに136.20ドルを突破すれば、弱気パターンは後退する。
下値では、94.41ドルが最初の下支えとなる。84.55ドルを下回ればパターンが崩れ、6月には81.58ドルまで下落した。これを下抜ければ、70.51ドルや52.62ドルが視野に入る。
ここからは乖離が一段と顕著となる。MicroStrategy株はビットコインと連動しなくなり、ビットコイン下落を待たずとも下落する構造。出来高の縮小や資金流出により、独自に下げ圧力が強まる状況。
MicroStrategy株にとって、104.27ドルは真のトレンド転換と、ベアフラッグ内の一時的な反発との分水嶺となる。









