西村経済産業相は5日、AIチップ大手Nvidiaのジェンスン・フアンCEOが日本に研究開発拠点を設置する意向を示したと明かした。ロイター通信が6日に報じた。生成系AIとロボティクス分野でのモデル開発に期待が寄せられているという。
西村経産相は、フアン氏との面会で、産業技術総合研究所との連携強化について協議。産総研はエヌビディアからGPUを供給され、AI用スーパーコンピューター「ABCI」を含む計算基盤を有する。フアン氏はスタートアップとの連携や投資、AI人材育成にも言及した。
フアンCEOは4日、岸田首相との面会で、日本でのGPUの大量提供に関する話し合いを行った。首相からの要請に対し、フアン氏は可能な限りGPUを提供する意向を示した。また、エヌビディア製AI用半導体を活用し、ソフトバンク、NEC、NTT等の日本企業との提携を強化する計画についても議論された。フアン氏は、生成AIと日本の製造業の専門知識と経験を融合させることで、さらなる強みを生かせると述べた。
NvidiaはAIチップ市場の売り上げの95%を占める
ChatGPTのローンチ以来、GPUなどの特殊なAIチップの需要が急増している。Nvidiaは有用なAIチップを製造する数少ないチップメーカーの1つであり、市場の売上の95%を占めている。一方でOpenAIのサム・アルトマンCEOは、11月15日の英フィナンシャル・タイムスへのインタビューで、AIチップの供給不足の問題は24年には解決するとの見解を示していた。同社はこのほど、脳を模倣するニューロモルフィック・プロセッシング・ユニット(NPU)の関連会社への発注や、アルトマンCEOによるAIチップ会社の設立の画策が報じられた。
AI大国を目指し地盤を整える日本政府
G7主要7カ国は1日、G7デジタル・技術大臣会合で「広島AIプロセス G7デジタル・技術閣僚声明」を採択した。各国間で生成AI規制の隔たりがある中、具体的な取り組みへの展開が論点となった。日本政府は5月、G7議長国として生成AIの議論のため「広島AIプロセス」を立ち上げていた。岸田首相は10月、京都市で開催の国連「インターネット・ガバナンス・フォーラム(IGF)」に参加し、10月中にまとめる経済対策に「AIの開発・導入」を強化する方針を示していた。経済対策の策定においては、偽情報や偽画像のリスクも指摘し、関係者全員の協力が必要との立場を強調していた。
岸田政権は国家戦略としてAI推進を掲げている。自由民主党は4月13日、政策調査会の政調審議会でAIホワイトペーパー(案)」を了承。7月27日には米マイクロソフトが、日本政府に「ChatGPT」最新版のサービスの提供をすると表明していた。マイクロソフトは、提携関係にあるOpenAI社のChatGPT最新版を、年間約3億3000万円でデジタル庁に提供する。
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