セイラー氏、ビットコイン改善提案「BIP 110」に反対=中立性損なうと警鐘

  • マイケル・セイラー氏は、BIP110の掲げる目標には賛同するが、7つのコンセンサス規制には反対の立場だ。
  • 彼は、この提案がBitVM型契約のようなアップグレード経路を閉ざし、不要な複雑性を加えると警告している。
  • セイラー氏は、有料取引は内容や社会的な評価に関係なく正当性を持つべきだと主張する。
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ストラテジーのマイケル・セイラー会長は19日、ビットコイン開発者に対し、ビットコイン改善提案110(BIP 110)の採用を見送るよう呼びかけた。同氏は、ブロックチェーン上のデータ保存を巡る課題への対応として、より大きなリスクを招く提案であり、ビットコインの中立性を損なう可能性があると警鐘を鳴らした。

セイラー氏はXへの投稿で、BIP 110について「プロトコルの中立性を、一時的かつ象徴的な成果と引き換えにするものだ」と批判した。同提案は「Reduced Data Temporary Softfork」とも呼ばれ、データ保存の抑制を目的に、一部の取引手法を一時的に制限する内容となっている。

BIP(Bitcoin Improvement Proposal)は、ビットコインのプロトコル変更を提案するための正式な仕組みである。BIP 110はブロックチェーンへのデータ書き込みを抑制するため、一部の取引形式を一定期間制限することを目指している。

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ビットコインの共通目標と異なる処方箋

セイラー氏は、提案の著者らと同じ目標を共有していると述べる。ノード運用者のコスト増加を防ぎ、支払いの安さを維持し、ビットコインを汎用ストレージではなく健全なマネーへ導く姿勢である。

ただし同氏は、7項目の合意制限が正当な手数料支払い済みの取引を、「人気のないコンテンツ」であることのみを理由に排除していると主張する。提案ではスクリプト容量の上限、Taprootの制御ブロックの制限、未定義のウィットネスバージョンによる支払い禁止などが盛り込まれている。

セイラー氏は、これらの変更を「誰も正確に計測したことのないコストへの大雑把な代替措置」と表現した。

この計画は6月、BIP 3に基づく「Complete」ステータスを取得した。ただし、これは著者の準備が整ったことを示すだけで、コミュニティ合意を意味しない。施行前に生成された未使用のアウトプットに適用除外を設けているが、セイラー氏はこれを「重要だが不十分」と評価した。

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この姿勢は、BIP 110への露骨な批判を展開したアダム・バック氏の主張とも重なる。同氏は、BIP 110の普及は義務化以降数週間で足踏み状態に陥ると予測している。

ビットコインのアップグレード経路への懸念

セイラー氏が特に強調したのは、ビットコインの将来の選択肢へのリスクだ。ビットコインのコードには、将来のアップグレード時にも既存仕様を損なわないよう、一部の技術的なオプションが未使用のまま確保されている。BIP 110は、BitVMといった信頼不要な複雑な合意構築手法に関連するものなど、こういった予約済みの選択肢の一部を閉じてしまうことになる。

また、特定の取引構造の深さを制限し、一部の複雑な設計ができなくなる点も指摘した。

セイラー氏が最大の問題とするのは、これら7つの変更がまとめて1つの提案パッケージとなっている点だ。提案の支持者は、多くが賛成する限定的なルールのみを選択できず、残りの6つについては賛否が割れるにもかかわらず、すべてを一括して承認するか否認するかしか選択肢がない。

セイラー氏は以前にも、プロトコルの逸脱に懸念を示しており、野心的なルール変更は、直面している問題以上のリスクをもたらすと警鐘を鳴らしていた。

社会的圧力より中立性

セイラー氏は、次のように述べて締めくくった

「ビットコインに必要なのは“純粋性の守護者”ではなく、“中立性の守護者”である」とセイラー氏は結んでいる。

なお、提案に必要なマイナーのシグナル基準は55%で、従来BIP 9で用いられる95%と比べると大幅に低い。この基準の下げは、論争を呼ぶ変更が容易に導入されるリスクを高め、かつ標準的な不成立時の措置もなくなるため、セイラー氏は強い懸念を示す。デプロイ期間は約1年間続き、賛同が固まらなければEXPIRED状態となり終了する仕組み。

同氏は、すでに存在する手数料や中継ポリシーの自主運用によって、ブロック空間の割当を「取引の内容に左右されず」管理することが可能との立場だ。この見解は、ビットコインの固定供給や機関投資家への魅力といった、同氏の上昇傾向の主張企業による採用論とも整合する。

BIP 110が十分な支持を得て実際に発動されるかどうかは、現時点で不透明である。ピーター・シフ氏のような批判派は、まったく異なる観点からビットコインの根本を攻撃し続けている。

現状では、技術的な安全策を重視する開発者と、BIP 110を過剰介入と見る勢力が対立する構図。開発者は「実測できる解決策」を追求するのか、それともセイラー氏が「危険な前例」と呼ぶ制限の束を受け入れるのか、選択を迫られている。


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