スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)の株価は火曜日の時間外取引で約10%上昇した。同社が前年のほぼ2倍となる17.5%の四半期粗利益率、過去最高の受注残高を発表したことが背景。
AIサーバーメーカーである同社は、わずか2年前にはナスダック上場維持に苦戦していた。現在では年間売上高が最大720億ドルに達する見通し。
粗利益率倍増でSupermicro株が急騰した理由
Supermicroは火曜日の取引終了後に決算を公表した。6月30日までの四半期の純売上高は111億ドルと、前年の58億ドルからほぼ倍増。
ただし、注目を集めたのは粗利益率の上昇だ。粗利益率は17.5%となり、3カ月前の9.9%から大幅に改善。純利益は6倍の11億8000万ドルに拡大。
ストック・ベースの報酬を除く調整後1株利益は1.70ドル。これはZacksが集計したコンセンサス68セントの2.5倍。売上高は自社の想定レンジ(110億〜125億ドル)の下限で着地。
これまでSupermicroの課題は薄利体質だった。大手クラウド顧客による価格圧力、ライバル各社との激しいAIサーバー受注競争が続いていた。今回の決算はAI投資減速懸念にも反論する内容。
「需要の加速に伴い、エンタープライズ顧客層の拡大や、当社最適化型データセンター・ビルディング・ブロック・ソリューション(DCBBS)アーキテクチャの普及により、収益性が向上している」と、創業者兼CEOのチャールズ・リャンCEOが決算説明資料で述べた。
過去最高の受注残が720億ドル年度を演出
Supermicroは9月期の売上高を145億〜155億ドルと予想。6月期比で3割以上の増加。2027年度通期の売上見通しは650億〜720億ドル。上限値は2026年度の391億ドルを84%上回る水準。
リャンCEOによれば、同社は1年間で600億ドル超の新規受注を獲得し、新たに数百社のエンタープライズ顧客を追加。7月には速報値で受注急増を伝え、発表当日に株価は20%超上昇した。
今回の受注拡大はAIハードウェア部門全体の活況と一致。Nvidiaの5000億ドル案件も、需要と品質への注目を集めている。
同社株の反発はAIハードウェア分野で最も劇的な回復の一つ。2024年8月、空売り筋のヒンデンブルグ・リサーチが会計操作を指摘。その後監査法人アーンスト・アンド・ヤングが辞任し、株価は1日でおよそ3割下落。
Supermicroは2025年2月に遅延していた報告書を提出し、NASDAQ上場を維持した。
こうした経緯が依然として数字に影を落とす。今回の決算は速報値で未監査。取締役会は輸出規制に関連する一部取引を精査中。棚卸資産は129億ドルへ3倍近く増加、年間の営業キャッシュフローは68億ドルのマイナス。
今後の上昇余地は1点にかかる。受注残が出荷に変わる中、粗利益率17%前後を維持できるか。9月期決算が最初の試金石となる見通し。









