テザーのパオロ・アルドイノCEOがJPモルガンを揶揄した。同銀の共同社長がステーブルコインに対する機関投資家の需要を軽視したことに対し、「北極では輸入氷の需要がほとんどない」と応じた。
ダグ・ペトノ氏は火曜日、ニューヨークで開催されたバークレイズ・グローバル・フィナンシャル・サービス・カンファレンスで発言した。予測市場のカルシがこの発言を伝え、アルドイノ氏が数時間以内に返答した。
JPモルガン、ステーブルコイン需要に対する懐疑は経営陣から
ペトノ氏はJPモルガン・チェースの共同経営者であり、商業・投資銀行部門を率いる。同氏はブロックチェーンやステーブルコインへの機関投資家の関心はまだ初期段階だとして、相互運用性の課題や規制、KYC(顧客確認)ルールを指摘した。
ペトノ氏は「同行はすぐにでもステーブルコインを発行できる」と述べた。その一方で、暗号資産取引以外での機関投資家からの実質的なニーズは見当たらないとした。こうした見解は市場全体を否定するというより、セグメントで考えようとの立場を示す。
JPモルガン自身の取り組みも状況を複雑にしている。同銀はブロックチェーン決済部門「Kinexys」を運営しており、パブリックなステーブルコインよりも、トークン化された預金の基盤開発に注力してきた。一方、日本のメガバンクも銀行発行型トークンへの参入を進めている。
同行のリサーチ部門も上限を設定している。JPモルガン・グローバル・リサーチは、ステーブルコイン市場規模が5000億ドルから7500億ドルに達すると見込む。これは、一部予測筋が想定する2兆ドルを大きく下回る。アナリストの中には、こうした移行が銀行の借り入れコストを押し上げる可能性を警告する声もある。
テザー、18兆3000億ドル規模の実績で応戦
アルドイノ氏の「氷」による比喩は一つの論点を示す。ペトノ氏が「機関需要がない」としたボリュームをすでにテザーが動かしている。テザーのUSDTは本稿執筆時点で約18兆3000億ドルの時価総額がある。ステーブルコイン全体では約31兆1000億ドル規模。
テザーは2026年、機関投資家が求める透明性への対応も進めてきた。KPMGは8月に初の「クリーン監査」を実施したが、その後、USDTの準備金余力は縮小している。
アルドイノ氏は今年、反論を手短にしている。「テザー専用ブロックチェーン」については完全否定した。ペトノ氏も規制変更があれば前向きに検討する余地を残した。
両者とも、相手が誤っていると主張する必要はない。ペトノ氏は自社顧客基盤について述べ、アルドイノ氏は自社の立場に言及する。この隔たりこそが、今回の論点である。









