S&Pグローバルは、アメリカを含む主要国の6月速報版購買担当者景気指数(PMI)を発表する予定。米国のデータは火曜日に公表される。これらは民間企業の幹部を対象とした調査であり、各国経済の先行き動向を示す早期指標とされている。
市場関係者は、S&Pグローバルのサービス業PMIが51となり、5月の50.7から上昇すると見込む。一方で製造業PMIは54.7となり、前月の55.1をやや下回る見通し。製造業とサービス業を組み合わせたコンポジットPMIは、5月に51.5だった。
S&Pグローバルは、製造業PMIとサービス業PMIを分けて発表している。さらに、これらを加重平均したコンポジットPMIも公表する。一般的に、50以上が景気拡大、50未満が縮小を示すとされている。
速報値は、米ドル(USD)に対してより大きな影響を及ぼす傾向がある。
次回S&PグローバルPMI速報値への期待は
今回の発表は例年よりも市場への影響が大きくなる可能性が高い。先週、米連邦準備制度理事会(FRB)は金融政策決定会合を開催した。発表は利上げ自体ではなく、FRBの決定プロセスと広報方針の変更に関するものだった。
実際、経済予測サマリー(SEP)のドットチャートは、政策当局者が今年利上げを見込んでいることを示した。前回SEPでは利下げが見込まれていた。
しかし市場参加者は、ケビン・ウォッシュ議長がフォワードガイダンス(将来指針)を大幅に削減したことに、より強い警戒感を抱いた。連邦公開市場委員会(FOMC)の声明文は半分に短縮され、ウォッシュ議長もドットプロットに自身の「見解」を加えるのを控えた。ウォッシュ議長は、市場の注目をガイダンスから実際のデータ重視へと完全に転換する方針を打ち出した。
S&PグローバルPMI自体がFOMCの決定を左右するほどの材料となる可能性は低いが、今後はフォワードガイダンスが示されない分、市場参加者が経済指標をより重要視し始める展開も見込まれる。
また、米ドルは不透明感増大による強含みのまま指標発表を迎える。FRB会合後の上昇分を維持し、中東情勢の警戒感もあってドル高が続く。先週は、アメリカとイランが停戦延長・協議深化で合意したことで、一時的に楽観ムードが広がった。
この合意には、ホルムズ海峡の再開通が含まれており、市場はこれを歓迎した。ただ、週末にはイラン当局が再び海峡封鎖に言及したことで市場心理に打撃を与えた。交渉は継続され、航行も続いているが、楽観論は後退した。
ドル高は、年内利上げ観測の高まりも背景となっている。ウォッシュ議長はフォワードガイダンスに懐疑的な姿勢を示したが、その発言内容は「タカ派寄り」であり、FOMCの半数の投票メンバーは利上げ見通しを新たに示した。
PMIに戻ると、米国経済の拡大継続が今回も指標で確認される見通しだ。多少の増減があっても拡大圏が維持されていれば、市場へのインパクトは限定的となる。予想を上回る場合はドル高材料となる一方、下回れば一時的なドル安を誘発する展開もあり得る。
また、PMIにはインフレや雇用のサブ指標も含まれており、今後の利上げ観測の是非を判断する材料となる可能性がある。インフレ圧力は上昇傾向にあり、インフレ関連指標が上振れすれば、利上げ観測が強まり、ドル高をさらに後押しする展開も想定される。
米国6月速報PMIの発表時刻とユーロ/ドル(EUR/USD)への影響は
S&Pグローバルの米国製造業PMI、サービス業PMI、コンポジットPMIは火曜日の英国標準時13時45分に発表される予定であり、前述の通り、6月も米国の事業活動が拡大していることが示される見込み。
FXStreetのチーフアナリスト、ヴァレリア・ベドナリク氏のコメント:
「ユーロ/ドルは、3月に付けた2026年安値1.1411の少し上で推移している。短期的には売られ過ぎの感もあるが、下落モメンタムは強く、さらに安値を試す展開が想定される。テクニカル面では、日足チャートのテクニカル指標はマイナス圏内で小幅な反発の後再び下向きとなっており、同ペアは全ての移動平均線を下抜けて下落を続けている。20日単純移動平均線はおよそ1.1560でしっかり下落し、長期線も下抜けており、売り方優勢の典型的なパターンといえる。」
ベドナリク氏は続けてこう述べている。
「前述の2026年安値を下回ると、1.1360付近、さらには1.1300が次の下値メドとなる。一方、反発した場合は、まず1.1470に売り圧力が集まりやすく、ここが強いレジスタンスゾーン。その上は1.1550が意識される水準だ。」









