ECB、36社の決済企業とデジタルユーロ実証開始

  • ECBは、ドルステーブルコインへの対応策を検証するため、36の決済企業を招集した。
  • ドイツ銀行、レボリュート、ストライプ、アディエンは2027年下半期からデジタルユーロの試験運用を開始する。
  • 議会が416対169で最終協議を支持したため、発行は2029年にも実現する可能性がある。
プロモーション

欧州中央銀行(ECB)は、デジタルユーロの実証実験のため、36の決済企業を選定した。これは、欧州で普及するドル建てステーブルコインに対抗する施策である。ECBは7月14日火曜日に、このパイロット参加企業を発表した。

ドイツ銀行、ユニクレジット、Revolutが主導し、米国のStripeや、欧州のAdyen、SumUp、Worldlineも名を連ねる。

スポンサード
スポンサード

ドル建てステーブルコインに対抗するデジタルユーロのパイロット

ブリュッセルは本事業を通貨主権の確保と位置づける。ECBのクリスティーヌ・ラガルド総裁はユーロステーブルコイン構想を否定し、公的デジタル通貨がその役割を果たすべきと主張してきた。中央銀行はまた、民間ユーロトークンの拡大による預金リスクへの警告も示している。

状況は明白である。CoinGeckoによれば、ステーブルコイン市場全体の規模は約3060億ドルであり、そのほぼ全てがドル建てである。テザー(USDT)とUSDコイン(USDC)の2銘柄だけでシェアの合計は84%に達する。ユーロ建てで最大規模のサークル社のEURCは約4億2400万ドル流通しており、USDTの400分の1以下の規模である。

時価総額上位のステーブルコイン一覧 出典:Coingecko
時価総額上位のステーブルコイン一覧 出典:Coingecko

今回の発表ではあえてステーブルコインの名を挙げず、テストとユーザーエクスペリエンスに焦点を置く姿勢である。だが、対抗策という見方はラガルド総裁らによるもので、本事業を欧州の金融主権防衛と位置付けている。米ストライプ社が欧州の独立性を検証するプロジェクトに加わる点には皮肉も感じられる。

MiCA(暗号資産市場規則)も既に業界を再編している。参加企業のRevolutは、テザー社が承認取得を見送ったことを受け、欧州でUSDTの取り扱いを終了したばかりだ。MiCAの移行期間も今月終わり、無認可プラットフォームはEU市場から排除された。

スポンサード
スポンサード

36社が2027年から実証する内容

パイロットは2027年後半に開始し、12か月間実施する。36枠に対し応募は50社を超えた。実証実験の枠組みによると、参加企業は個人間・店舗内・EC決済でベータ版デジタルユーロを検証する。

ECBおよびユーロ圏19中銀が協力する。ベータ通貨は最終形と同仕様だが、法定通貨性は持たない。

デジタルユーロ実証で選出されたドイツ銀行やRevolutなど36社 出典: ECB
デジタルユーロ実証で選出されたドイツ銀行やRevolutなど36社 出典: ECB

「参加する中央銀行スタッフは、ベータ版デジタルユーロを用い、オンライン・オフライン双方で個人間送金や、ソフトウェアPOS含む実店舗・EC・モバイルで個人から事業者への決済も試せる」とECBは火曜日の声明で明らかにした。

最新ニュースはXでフォロー 速報を受け取るならこちら

政治プロセスは先行した。7月9日に欧州議会は416対169の賛成多数で最終協議入りを可決し、加盟国・欧州委と12日に協議を開始した。

交渉責任者のスペインのナバレテ欧州議会議員らは、年内の法案成立を目指す。これにより、2029年までの発行が現実味を帯びる。

消費者の利用環境は2027年まで変化しない。実際に発行が実現すれば、欧州市民はデジタル形態の中央銀行マネーを現金同様に店舗やオンラインで使えるようになる。

5年に及ぶ調査の末、パイロットはパブリックデジタル通貨が、ドル建てステーブルコインが「標準」となった利便性に迫れるか明らかにする。

依然批判も根強い。EUのデジタルユーロ構想が米国企業を利する可能性を指摘する声もある。反対票169票は、議論が決着していないことを示している。

YouTubeチャンネルの登録はこちら 経営者やジャーナリストのインサイト動画を配信


BeInCryptoの最新の暗号資産市場分析は、こちらをご覧ください

免責事項

当ウェブサイトに掲載されているすべての情報は、誠意をもって作成され、一般的な情報提供のみを目的としています。当ウェブサイトに掲載されている情報に基づいて行う一切の行為については、読者ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。

スポンサード
スポンサード