近年、ビットコイン(BTC)の世界にも「DeFi(分散型金融)」の波が押し寄せています。これまでDeFiといえばイーサリアムが主役でしたが、ここにきてビットコインを活用した分散型金融サービスが急速に広まりつつあります。新たな投資先として個人投資家だけでなく機関投資家も続々と参入し始め、イーサリアムとは異なる仕組みや利回りを提供するプロジェクトも登場しています。
本稿では、近年急成長を遂げるビットコインDeFiの基本的な仕組みや最新トレンドを初心者にもわかりやすく解説します。
ビットコインDeFiとは?

ビットコインDeFiとは「ビットコインを使った分散型金融サービス」を指します。従来のDeFiはイーサリアムなどスマートコントラクトに対応したチェーン上で、貸借・取引(DEX)・資産運用を自動化して提供してきました。
一方、ビットコインは「価値の保存(デジタルゴールド)」や「決済手段」を主目的としており、スマートコントラクトの機能が限定的でした。しかし最近では、ビットコインを使ったDeFiの動きが本格化しています。
具体的なサービス例としては:
- ビットコインを担保に資産を借りる
- BTC同士や他チェーン資産とDEXで交換
- BTCを預けて利息を得る
といった取り組みが挙げられます。
2024年にはDeFiでロックされたBTCの総額(TVL)が前年比で約22倍に急増しましたが、依然としてビットコイン全供給量の約0.8%程度しか活用されていません。市場規模は今後数千億ドル規模まで拡大する可能性があると期待されています。
ビットコインDeFiが注目される4つの理由

ビットコインDeFiへの注目が高まった背景には、以下4つの要素があります。
① 巨大な未活用資本の存在
ビットコインの市場規模は数十兆円に及びますが、その大半は「保有(HODL)」状態です。現在、供給量のうちDeFiに使われているのは約0.8%のみ。未活用のBTC資本を金融に動かせば、約140兆円(1兆ドル)規模の市場機会が生まれると指摘されています。
Ordinalsプロジェクト(OrdinalsBot)の共同創設者であるトビー・ルイス氏は、ビットコインのDeFiエコシステムは暗号資産全体で最大規模に成長する可能性があると指摘していました:
ビットコインDeFiエコシステムは、今後数年間で時価総額数兆ドルに成長する可能性があり、このサイクルの暗号資産における成長の主要な原動力の1つになるようだ
ビットコインDeFiは、この資本効率を引き出す試みなのです。
② 技術的な進展と新プロトコル登場
近年、ビットコイン上でDeFiを可能にする技術革新が相次いでいます。
- レイヤー2(L2)技術(サイドチェーン、ステートチェーン、ロールアップ等)
- Taprootアップグレード(2021年)によるスマートコントラクト機能強化
- Ordinals(オーディナルズ)プロトコル(2023年)によるNFT・トークン(BRC-20)発行ブーム
特に2023年のOrdinalsプロトコルで「ビットコイン上でもNFTが可能」と示されたことで開発者の関心が一気に集まり、StacksやRootstockといった既存L2が再注目され、新プロジェクトも急増しました。
③ マクロ要因と機関投資家の参入
2024年にビットコインの半減期が到来し、価格が史上最高値(10万ドル超)を更新。さらに米国でBTC現物ETF承認が後押しして市場が活性化しました。
機関投資家も「BTCを保有するだけでなく運用し利回りを得たい」と考えるようになりました。2024年末時点でBTCを預けて報酬を得るステーキング市場規模は約55億ドルに達し、年利3〜5%でも需要があるとされています。
この「BTCを運用して利回りを得たい」という需要の高まりが、ビットコインDeFiを後押ししています。
④ ビットコインコミュニティの意識変化
従来、ビットコインコミュニティには「BTCはシンプルに決済と価値保存に徹すべき」という保守的な意見(ビットコイン・マキシマリズム)がありました。
しかし、Ordinalsブーム以降は:
- 「BTCも他チェーンと競争しないと生き残れない」
- 「ブロックスペース需要を増やしマイナー収益を確保すべき」
といった積極的な意見が拡大しています。開発者やユーザー間で新たなユースケース創出への期待が高まり、DeFiへの理解が深まりました。
関連記事:キ・ヨンジュ氏が「ビットコインサイクル理論は終わった」と発言した理由
ビットコインDeFiとイーサリアムDeFiの違い

ビットコインDeFiとイーサリアムDeFiは、同じ分散型金融でも技術基盤やサービス範囲に大きな違いがあります。以下で、それぞれの違いを整理します。
技術基盤の違い
イーサリアムはスマートコントラクト機能をL1レベルで備え、直接DeFiを構築できます。一方、ビットコインのL1はプログラミングが限定的(簡易的な条件分岐のみ)なため、ビットコインDeFiは主にL2やサイドチェーン上に構築されます。
- イーサリアム:L1でスマートコントラクト実装可能
- ビットコイン:BTCの価値をL2やサイドチェーン上で運用
エコシステム規模と成熟度の違い
DeFi市場の主役は現在もイーサリアムです。2024年時点のTVL(預け入れ資産総額)は以下の通りです。
項目 | ビットコインDeFi | イーサリアムDeFi |
---|---|---|
TVL規模(2024年) | 約15億ドル | 約810億ドル |
時価総額比 | 0.13% | 27% |
ビットコインDeFiはまだ規模が小さく発展途上ですが、今後の伸び代は大きいです。
プロジェクト種類と多様性の違い
- イーサリアム:
- 貸付(レンディング)
- 分散型取引所(DEX)
- デリバティブ(先物・オプション)
- ステーブルコイン
- 資産運用(イールドファーミング)
- 保険・オラクル等
- ビットコイン:
セキュリティ・分散性の違い
ビットコイン自体は高い安全性と分散性を持ちますが、ビットコインDeFiは多くがL2やサイドチェーンに依存するため、以下の課題があります。
- ブリッジ運営の中央集権リスク
- 特定ノードや運営主体による集中化のリスク
一方、イーサリアムはスマートコントラクト前提の設計が成熟しており、プロジェクト単位でリスクの差はあるものの、比較的L1の安全性が高いことが特徴です。
コミュニティ・文化の違い
- イーサリアム:
- 積極的で革新的な金融実験を推奨
- DeFiブームを主導、ユーザー主導型のエコシステム
- ビットコイン:
- 従来は保守的(ビットコインマキシマリスト思想)
- 最近はBTCの活用法拡大に積極的に転換
- コミュニティの意識変化が進行中
ビットコインDeFiとイーサリアムDeFi比較表
項目 | ビットコインDeFi(BTCFi) | イーサリアムDeFi(Eth DeFi) |
---|---|---|
技術基盤 | L2/サイドチェーンで実装 | L1で直接実装(Solidity等) |
エコシステム規模(2024年) | TVL約15億ドル(急成長中) | TVL約810億ドル(成熟) |
主なプロジェクト | Stacks、RSK、Lightningなど少数 | Uniswap、Aave、Curveなど多数 |
サービス範囲 | レンディング・DEX・ステーブルコイン中心 | デリバティブ・保険等含む広範囲 |
安全・分散性 | L2依存のため中央集権リスクあり | L1の安全性高、プロジェクトで差 |
ユーザー文化 | 保守的→変化中(BTC活用推進へ) | 革新的・実験的(ユーザー主導) |
ビットコインDeFiは依然としてイーサリアムDeFiほど成熟していませんが、急成長しています。2024年以降の伸びを見ると、次なる「第二のDeFiブーム」の舞台になる可能性があります。
ビットコインDeFiの今後(2024〜2025年)
DefiLlamaによれば、2024年初頭に数億ドルだったビットコインDeFiのTVLは、2024年末には約70億ドルまで急拡大しました。ビットコイン価格上昇や新プロジェクト登場が背景です。特に2024年後半〜2025年前半にかけて、さらなる急成長が期待されています。
関連記事:分散型金融(DeFi)×AIエージェントの新領域「DeFAI」とは?
ビットコインDeFiを支える技術基盤:レイヤー2とサイドチェーン

ビットコインDeFiは主にレイヤー2(L2)やサイドチェーンを用いて構築されています。ここでは代表的な技術基盤とその特徴を解説します。
ライトニングネットワーク(Lightning Network)
ライトニングネットワーク(LN)は、ビットコインの少額高速決済を目的としたL2ソリューションで、2018年頃から普及しました。ビットコイン本体とは異なるマルチ署名口座(チャネル)を開設し、その中で即時決済を行う仕組みです。
- 主な特徴
- 高速・低コストのBTC決済に特化
- DeFi(スマートコントラクト)機能は限定的
- ネットワーク容量は2024年時点で約5,000 BTC(数億ドル規模)
- 利用事例
- マクドナルドやスターバックス(エルサルバドル)
- ウォルマート(米国で内部送金)
- BinanceやOKXなど大手取引所の入出金対応
- DeFi的利用法
- LN Markets:Lightning上でBTC証拠金FX取引
- Lightning Pool:流動性提供による収益化(ステーキング類似)
- Taroプロジェクト(RGB):Lightning互換の米ドルステーブルコイン発行を計画中
ライトニングはビットコインDeFiの決済基盤を支える重要な存在です。
関連記事:ビットコインのライトニングネットワークの特徴と将来性
スタックス(Stacks, STX)
スタックス(Stacks)はビットコインにスマートコントラクト機能を追加するL2チェーンで、「PoX(Proof of Transfer)」というビットコイン連動型の独自コンセンサスを持っています。
- 主な特徴
- ビットコイン消費型のブロック生成
- 独自言語「Clarity」でスマートコントラクトを記述
- ネイティブトークンはSTX(SEC認可済)
- 主なプロジェクト
- ALEX:DEX(分散型取引所)、BRC-20トークン対応
- Arkadiko:STX担保のUSDステーブルコイン発行
- Stacking DAO:STXステーキング(報酬BTC)
- TVLと成長
- 2023年10月→2024年初のTVLが約1,320万ドル→2億2,600万ドル(1,611%増)
- STXの時価総額は39億ドル超に急成長(前年比+250%)
- 今後のアップグレード
- Nakamotoアップグレード(2024年)でブロック生成速度向上(10分→数秒)
- sBTC(ネイティブなラップドBTC)の導入予定
Stacksは「BTCベースのDeFi」を最も体現しているプラットフォームです。
ルートストック(Rootstock, RSK)
ルートストック(RSK)はビットコインのサイドチェーンであり、イーサリアム仮想マシン(EVM)との互換性を持ち、ビットコインのマイニングと連動したMerged Mining(合併採掘)を特徴としています。
- 主な特徴
- ビットコインマイナーが並行採掘可能
- RBTC(BTCと1:1のペグ通貨)を利用
- EVM互換でEthereumのアプリ移植が容易
- 主なプロジェクト
- Sovryn:DEX、レンディング、ステーブルコイン発行を含む総合DeFiプラットフォーム(TVL約7,250万ドル)
- Money on Chain:BTC担保型ステーブルコイン(DOC)
- RIFプロトコル群:分散型ストレージや名前解決など基盤インフラ
- TVLとエコシステム
- 2024年のRSKのTVLは約1億7,000万ドル規模で安定成長
- Sovrynを中心にRootstockのエコシステムが急速に拡大中
ルートストックはイーサリアムの利便性をビットコインの安全性で実現する存在です。
リキッドネットワーク(Liquid Network)
リキッドネットワークは連合型サイドチェーンで、機関投資家や取引所間の高速送金やプライバシー保護を目的としたネットワークです。
- 主な特徴
- 連合型(Federated)サイドチェーン
- L-BTC(BTCのペグ通貨)を使用
- Confidential Transactionsで取引情報を秘匿可能
- ブロック生成時間は約1分で高速処理
- 利用事例
- テザー(USDT)のLiquid上での発行
- 機関投資家向けのトークン化資産(セキュリティトークンなど)
- TDEX(P2P分散型OTC取引所)
Liquidは個人向けというよりBtoB(取引所間や大口取引)用途に特化していますが、ビットコインDeFiエコシステム内で重要な役割を担っています。
各技術基盤の比較表(2024年)
項目 | ライトニング | スタックス | ルートストック | リキッド |
---|---|---|---|---|
種類 | L2(決済特化) | L2(スマートコントラクト) | サイドチェーン(EVM互換) | 連合型サイドチェーン |
代表的機能 | 高速送金・決済 | DEX、ステーブルコイン | 総合DeFiプラットフォーム | 高速送金・機関投資家向け資産 |
TVL | 約2.7億ドル | 約2.26億ドル | 約1.7億ドル | 数千万ドル〜数億ドル |
強み | BTCの即時低コスト決済 | BTC連動型経済圏 | Ethereum互換で移植性高 | 機関向け高速・秘匿取引 |
課題 | DeFi機能限定的 | 独自言語(非EVM) | BTC交換プロセスの中央集権リスク | 完全な分散性の欠如 |
これらのL2・サイドチェーン技術は、ビットコインの価値を基盤に、多様な金融サービスの実現に向けて役割分担しています。2024年以降も各基盤が急成長を続けると見込まれます。
その他のビットコイン拡張プロジェクト

ビットコインのDeFiや機能拡張を目指す注目プロジェクトを、詳しく解説します。
オーディナルズ(Ordinals)とBRC-20
2023年に登場したOrdinalsは、ビットコイン最小単位の「サトシ」に画像やテキストなどのデータを刻むプロトコルです。これにより、ビットコインチェーン上でNFT(デジタルアート)や簡易的なトークン(BRC-20)を発行できます。BRC-20規格はスマートコントラクトを使用しませんが、ORDIやPEPEといったトークンが話題となり、一時は数億ドル規模の市場を形成しました。しかし手数料の急騰が問題視され、効率性向上を目指した新トークン規格「Runes」が2024年に提案されました。
StatechainsとMercury(マーキュリー)
Statechainは、ビットコインUTXOをオフチェーンで直接譲渡する技術です。Lightningネットワークのようにチャネルを開設するのではなく、UTXOそのものを移転します。2024年に登場したMercuryは、この技術をさらに発展させ、送金内容をコーディネーターにも分からないように「ブラインド化」し、プライバシーとセキュリティを向上させています。今後、MercuryはレンディングやOTCデリバティブ市場の基盤技術となる可能性があります。
Merlin(マーリン)チェーン
2024年2月に注目を浴びた新興のレイヤー2(L2)プロジェクトで、ZKロールアップ、オラクル、不正検知技術を組み合わせています。特にフェアローンチキャンペーン「Merlin’s Seal」で話題を集め、ネットワーク開始からわずか24時間で資産5億ドル超、参加者100万人を獲得しました。このキャンペーンにより、ビットコインDeFi市場全体のTVL(資産預入総額)を急激に増加させました。現在、DEX「Merlin Swap」やデリバティブサービス「Surf」など複合型のDeFiプラットフォームを計画中です。ただし、資産のロックアップや運営主体への依存といったリスクも存在します。
DeFiチェーン(DFI)
DeFiChainは2020年頃に登場した、ビットコインを基盤とする独立型のブロックチェーンです。DEXやレンディングなど多様なDeFi機能を提供しています。2021年頃はTVLランキング上位に入るなど注目されましたが、トークン価格が低迷したことで勢いが失われました。また「コミュニティ主導」を掲げつつも実質的には中央集権的との批判もあり、ビットコインとの関係性が薄いため、「ビットコインDeFi」の範疇から外れる見方もあります。
ビットコインDeFiで何ができる?主なユースケースとサービス

ビットコインDeFiでは、従来の金融に相当する様々なユースケースが存在します。主なサービスを整理して紹介します。
BTCの貸し借り(レンディング)と利息収入
ビットコインDeFiでは、ユーザーがBTCをプロトコルに預けて利息を得られるレンディングが主流です。
- SovrynのBTCレンディング:BTCやUSDTを貸出し、年利数%を得られます。市場の需給によって利率が変動(借入金利5~10%、貸出利回り1~5%前後)。
- Stacks(Arkadiko):STXを担保にステーブルコイン(xUSD)の借入が可能。将来的にはBTCを直接担保にした融資も計画。
- CeFiとの違い:2022年のCelsiusなどCeFi業者の破綻後、透明性が高いDeFiへの需要が高まっています。
レンディング利回りは年1~5%が一般的ですが、スマートコントラクトや清算リスクがあります。安全性を十分確認して利用しましょう。
分散型取引所(DEX)とBTCトレード
ビットコインDeFiには仲介業者なしで取引ができるDEXが登場しています。
- SovrynのAMMとOrderbook:RBTCとUSDTなどをプール交換可能。オーダーブックで精密な取引も可能。
- Stacks(ALEX):主にSTX/BTC、BRC-20トークンの板取引で人気化。
- LightningのP2P取引:Bitfinex社のMercury WalletではLightningを通じてOTC取引を実施。
DEXの利点は匿名性、自身のウォレット利用、ハッキング回避ですが、流動性はまだCEXより劣ります。
ステーブルコインと価値保存手段
BTCを担保にしたステーブルコインの利用が進んでいます。
- Dollar on Chain(DOC):RSK上でRBTCを150%以上担保に1USD価値固定トークンを発行。
- ブリッジ経由のUSDT・USDC:MerlinやLightningで他チェーン由来のステーブルコインの導入が進行中。
- 需要増加の背景:Terraショック以降、BTC担保ステーブルコインの信頼性が高まっています。
BTC担保型ステーブルコインは今後さらに普及すると予想されています。
BTC版ステーキング(PoS的運用)とリキッドステーキング
本来PoWのBTCにステーキングはありませんが、BTCを預け報酬を得る手法が広がっています。
- Stacksのスタッキング:STXロックでBTC報酬が得られ、年利5~10%相当。
- BTC L2ステーキング:StacksやRSK、MerlinなどL2へのBTCステークが進展中。BabylonやEigenLayerもBTC利用のセキュリティ担保を提供。
- リキッドステーキングトークン(LST):BTCステークで発行されたstBTCなどを他のDeFiプロトコルでも運用可能。
BTCステーキングやLSTは新規性が高く、規制対応も進行中のため注意が必要です。
その他の応用領域
ビットコインDeFiの応用分野は拡大中です。
- デリバティブ:MerlinのSurf、Sovrynのパーペチュアル先物、Lightning上のBTC先物(LN Markets)などが展開。
- NFTとメタバース:Stacksではゲーム資産をDeFi担保にする取り組みが登場。Bitmapなどメタバースに金融機能も追加。
- リアル資産のトークン化:Liquidネットワークで不動産証券・債券の発行とトレードを構想。
ビットコインDeFiは基本から応用領域まで拡大を続けています。実際の参加方法や投資のポイント、リスク管理もあわせて検討しましょう。
ビットコインDeFiへの参加方法と投資のポイント

ビットコインDeFiの具体的な始め方や投資上のポイントを、日本居住者向けに整理して解説します。
ビットコインDeFiの始め方(基本手順)
ビットコインDeFiを利用するためには、専用のウォレット準備やブリッジ操作が必要です。
対応ウォレットを準備
まずは利用プラットフォームに対応したウォレットを用意しましょう。
- Lightning:Strike、BlueWallet、Phoenixなど
- Stacks:Hiro Wallet、Xverse Wallet
- Rootstock(RSK):Metamask(RSK追加)、Nifty Wallet
- Liquid:Blockstream Green Wallet
各ウォレットの導入方法は公式サイトで確認できます。
BTCのブリッジ(資産移動)
BTCを各L2やサイドチェーンに送るための操作を行います。
- Lightning:BTCをLightningチャネルに送付・開設
- Stacks:取引所でSTX購入、またはBTC→sBTCへの変換(予定)
- Rootstock:Peg-in(BTCをRBTCへ変換)
- Liquid:BTCをフェデレーションアドレスに送付、L-BTC取得
ブリッジには数分~数時間かかり、特にRootstockはPeg-outに約16時間程度かかることもあります。
プロトコルへの接続と取引開始
移動後、ブラウザ拡張(Metamaskなど)や専用アプリで各DAppに接続します。英語のUIに慣れる必要があります。
ネットワーク手数料
L2取引には各チェーン固有の手数料が発生します。
- Lightning:微小な送金手数料
- Stacks:STXでのガス代
- Rootstock:RBTCの少額手数料
- Liquid:基本無料、一部機能は手数料あり
BTCのL1戻しにも通常のBTC送金手数料が必要です。
資産引き出し
運用後は、各L2からBTCをL1へ戻します。操作は各ウォレット内で行い、一定時間待つ必要があります。
日本居住者が注意すべき点
日本居住者が海外のDeFiを利用する際には以下の注意点があります。
- 法的保護が弱い:日本で未承認のトークン取引は違法ではないが、トラブル時に日本の法的保護が受けられません。
- 税務の煩雑さ:利息や収益は基本「雑所得」として課税対象です。毎回円換算が必要で、税務処理が複雑です。
- 自己責任の原則:プロトコルの不具合などで損失を受けても、国内の消費者保護制度は適用外です。
少額から試すなど、慎重な利用が推奨されます。
関連記事:暗号資産の税金には抜け道がある?正しい節税方法と注意点
ビットコインDeFiへの投資メリットと将来性

ビットコインDeFiには、以下のような投資メリットと将来性があります。
巨大市場の成長性
現在BTC資本の1%未満しかDeFiに流入しておらず、今後の拡大余地が極めて大きいです。専門家は「ビットコインDeFiのTVLは数百倍になる可能性」を指摘しています。
BTCの安定性と信用力
BTCの価値は長期的に向上しており、DeFi利回り(年3%前後)とBTC価格上昇を組み合わせれば、複利効果が期待できます。BTCは世界的に信用されているため、機関投資家にも好まれる資産です。
新規プロジェクトの早期投資機会
Stacks(STX)、RSK(RIF)、Sovryn(SOV)、Merlin(MERL)など、ビットコインDeFi関連トークンの成長性は高く、早期投資での利益が見込めます。ただしボラティリティは高いため上級者向きです。
BTCネットワーク効果と持続性向上
DeFi利用が広まれば、BTCの取引手数料が安定し、ビットコインネットワークのセキュリティ維持にも寄与します。長期的に見てBTCそのものの価値を向上させる可能性があります。
以上のポイントを踏まえ、ビットコインDeFiへの参加や投資を慎重かつ計画的に進めましょう。
まとめ:今後のビットコインDeFiにも注目

近年、ビットコインの世界にも「DeFi(分散型金融)」の潮流が押し寄せています。これまでDeFiといえばイーサリアムがメインでしたが、ビットコインを基盤としたDeFiサービスが急ピッチで広まり、新たなマーケットが形成されつつあります。機関投資家も続々参入し始め、「保守的」だったビットコインコミュニティにも意識変革が生まれています。今後、BTCが秘める膨大な未活用資本が動き出せば、巨大市場の誕生も夢物語ではありません。
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