国内取引所取り扱い暗号通貨(仮想通貨)のチェーンリンク(LINK)が9日、前日比10.5%、過去7日比で27%と急騰している。年初来では97%上昇。この価格上昇は、機関投資家の注目に起因すると見られている。
チェーンリンクはブロックチェーンネットワーク間で安全なデータ転送を可能にする分散型オラクルネットワーク。外部のデータフィード、API、他のリアルタイム情報源をブロックチェーンネットワークに統合することで、スマートコントラクトの活用範囲を広げる。このほかにもクロスチェーンプロトコル(CCIP)などのプロダクトを提供する。
米投資信託グレースケールが提供するグレースケール・チェーンリンク・トラスト(GLNK)は、機関投資家向けの規制された製品として、現物価格より200%高いプレミアムで取引されており、機関投資家からの強い需要を示唆している。
過去1週間で価格は約100%上昇し、21ドルから39ドルへと急騰。本稿執筆時にはLINKの価格の約3倍で取引されている。同信託は22年5月に発表されて以来、20%以上のプレミアムで取引される傾向があり、6日のプレミアム価格水準は過去最高となった。7日には香港SFC認可の機関・個人投資家向けの仮想通貨取引所ハッシュキーエクスチェンジがLINKの上場を発表していた。

当社シニアインベストメントアナリストのヴァルドリン・タヒリ氏は「LINKは530日間続いたレンジを突破した。週間相対力指数(RSI)がその上昇トレンドを後押ししている。RSIが50を超え、上向きのトレンドを示している現状は、市場における強気の優位性を示している。RSIが過熱状態に達していることも注目に値する。過去にRSIがこのようなシグナル(白の矢印)を示した際には、LINK価格はそれぞれ320%、300%と顕著な上昇を見せた」と指摘。同氏は、「RSIが過熱状態に入った現在からさらに300%上昇すると、LINK価格は37ドルの抵抗レベルに到達し、18ドルのレジスタンスを突破する可能性がある」と付け加えた。
RSI(相対力指数)とは:
暗号通貨が買われすぎか売られすぎかを判断し、市場の過熱感を示すオシレーター系のテクニカル指標。数値は0~100で表され、一般的に50以上で強気トレンド、50以下で弱気トレンドと判断される。
🔗🐳 The incredible #Chainlink surge has not slowed down, and #crypto's 12th largest market cap asset continues to run notably ahead of the rest of the sector. Dormant tokens are now circulating, & wallets with 10K-10M $LINK have historically accumulated. https://t.co/Lg4VwogGWD pic.twitter.com/njnYroaBTD
— Santiment (@santimentfeed) November 8, 2023
hitesh.eth氏は、Into The blockのデータを引き合いに、16ドルから27ドルの価格帯はレンジとして機能すると指摘。27ドルを超えると総ウォレットの利益率は80%を超えるため更なる上昇が見込めるとした。仮想通貨分析サイトSantimentによれば、多くのウォレットに格納されていたLINKが市場に流通し始めており、過去5月間に大口投資家らが全体供給量の4.7%のLINKを蓄積した。
チェーンリンクの現物資産(RWA)のトークン化における活用に期待が高まる
暗号資産市場分析会社K33 Researchの11日レポートによれば、LINKへの投資はRWAのトークン化事業の最も安全な投資の選択肢となると指摘していた。チェーンリンクはANZ銀やSWIFTなどの大手金融機関とも協業しRWAのトークン化事業を行っている。世界最大手資産運用会社ブラックロックのラリー・フィンクCEOは「私は、市場・証券の次の潮流はトークン化になると信じている」と述べ、トークン化への強気な姿勢を示した。
住友商事・英通信関連会社ボーダーフォン・デジタルアセット・ブローカー(DAB)InnoWaveは10月、チェーンリンクのCCIPを活用した概念実証を完了させていた。
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