MiCAは序章、EU暗号資産に本格試練

  • MiCAの移行期間が終了し、欧州の暗号資産市場は9割縮小した。
  • テッセラクト、ウィンセント、EEIのパネリストは、現在は執行力が勝敗を決めると述べた。
  • EUのMiCA見直しに関する意見募集は9月30日まで実施され、次はMiCA2が控えている。
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MiCAの期限は過ぎた。制度導入を経験した業界関係者は、むしろこれからが正念場と語る。今後は規制の執行や業界再編、迫る見直し論議が欧州の暗号資産規制フレームワークの真価を試す。

テッセラクトとウィンセントの幹部が欧州イーサリアム協会の政策責任者とBeInCryptoのパネル討論に参加した。共通認識は「認可は入場券に過ぎず、ゴールではない」というものだった。

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MiCA期限後、市場規模は9割減

MiCAの移行期間は7月1日に終了し、CASP(暗号資産サービスプロバイダー)ライセンスを持たない企業は欧州市場から締め出された。従来の登録を維持してきた各国の猶予措置(グランドファザー)も同日で終了した。

MiCA認可済み運用会社テッセラクトのジェームズ・ハリスCEOは、状況の変化を数値で示す。かつて欧州には約2700のVASP(仮想資産サービスプロバイダー)が登録されていたという。

これに対し、ESMAの登録簿に掲載されたCASPはパネル討論時で200強。約9割の企業が退出した計算となる。さらにハリスCEOは、CASPの運営はVASPの10~15倍の難易度があると推定する。

ウィンセントのAPAC責任者ライアン・ミラー氏は、この淘汰が法規制順守を事業の最優先に据えた企業とそうでない企業を分けたと指摘する。

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「法令順守を事業の最優先に位置付け、全員が本気で取り組まなければこの結果になる。9割の企業が市場から退出する理由だ」

とミラー氏は述べた。

法執行次第で規制対応の価値が決まる

今後、焦点は認可取得から監督・執行へ移る。ハリスCEOは、認可企業は引き続きリスクにさらされる一方、義務を負わない海外企業が欧州のユーザーにサービスを継続する可能性を指摘する。

「もし規制当局が違法なサービスを止めさせる動きを取らなければ、われわれの努力はすべて無駄になる」

とハリスCEOは語った。

足元では両面の動きが見られる。Bybitはバイナンス撤退後、EEAでの取引を制限し、テザー(USDT)は域内で相次ぐ上場廃止となった。一方でESMAは7月初めに新規に37社を追加し、CASPライセンス企業は280社に拡大(スタンダードチャータード含む)。

再編でMiCA 2が射程に

欧州イーサリアム協会の政策責任者ヴィアラ・サヴォヴァ氏は、市場の中心が大手に移行しており、一部加盟国がライセンス拠点化しつつあるとみる。例えばポーランドは、国家法整備の遅れで期限時点で認可CASPゼロだった。

「業界再編は顕著で、市場は間違いなく成熟化の段階に入る」

とサヴォヴァ氏は述べた。

他方、規制そのものも早くも見直し議題となっている。サヴォヴァ氏は欧州委員会によるMiCAレビューの意見公募(業界では「MiCA 2」と呼称)を指摘。意見提出期限は8月31日から9月30日へ延長された。リップルの新規MiCA認可取得も大手企業がなお規制枠組みを重視していることを示す。

今後数か月で各国当局が非準拠事業者にどこまで対応するかが明らかになる見通し。この点こそが、単なる登録数よりも欧州規制体制が狙いどおりの企業誘致につながるかを占う指標となる。


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