パトリック・グルーン氏が本日、AI(人工知能)トレーディングプラットフォーム「UpsideOnly」を立ち上げた。マーケティングは「利用者は損をしない」という一点に集約される。
グルーン氏はかつてFTXヨーロッパを率いていた。本日の発表直後の反応では、その経歴自体が製品以上に注目を集めている。
FTX発のエンジン、「ノーロス」宣伝の裏側
UpsideOnlyは利用者に、原油・金・株式・暗号資産のシミュレート取引のアイデアを投稿するよう求めている。モデルがリターンの可能性が高いと判断したアイデアを選定する。
ナスダック上場の親会社であるPerpetuals.comが、選定された取引を自社の資金で実行する。シグナル投稿者は利益の半額を受け取る仕組みで、損失が出た場合のリスクは負わないとされる。
「市場と関わるだけでなく、市場の動きに反応もする。ただ、それはスキルの問題ではなく、むしろシステムの構造によるものが大きい。だからこそわれわれはPerpetualsで別のアプローチを取った。市場を設計し、テストし、改善できるシステムとして捉えてきた。その視点で市場を見ると、本当に壊れている点を見逃せなくなる。”リスク”と呼ばれている多くは、実は貧弱なインフラに起因するものだ」とグルーン氏は最近の投稿で述べた。
このモデル自体が注目を集める。BayesShield AIは、過去110億件超の取引データで訓練された。データセットはFTXヨーロッパのリテール顧客基盤から、2022年の破綻以前に取得されたものだ。
「ノーロス」製品を支えるエンジンは、多くの利用者が損失を被った取引所のデータ上で動いている。
FTX崩壊の余波を引きずる創業者
グルーン氏は、親会社FTXが破綻し数十億ドル分の顧客債権が残るまで、FTXの欧州部門を率いていた。同氏は公の場で本社の不正行為は知らなかったと主張している。
現在はPerpetuals.comを規制下の代替手段と位置付け、その消費者向けサービスとしてUpsideOnlyを展開する構え。
「ノーロス」といううたい文句について、批判的な見方もある。損失リスクを負わないのは利用者のみであり、上場企業側がすべての損失ポジションを引き受ける構図だ。
Perpetuals.comの時価総額は2200万ドル近辺で、赤字決算が続いている。この数字からは、キャッチフレーズが示すよりも財務基盤は相対的に薄いと懐疑的な見方も出ている。
UpsideOnlyは本日、事前登録を開始した。幅広い展開は2026年以降予定される。個人投資家が関心を示すかどうかは、AIそのものよりFTXの経歴が影響する可能性がある。





