Worldは、ソラナ(SOL)上で誕生したばかりの予測市場。運用開始から1週間で偽の撤退劇を演じた。7月8日にソラナからロビンフッドチェーンへ移行すると発表したが、翌日には一連の動きが暗号資産業界に向けたジョークであったと認めた。
この騒動は数百万回の閲覧を集め、暗号資産業界の一部を一時的に欺く格好となった。若いプラットフォームにとって、仕組まれた欺瞞が巧みなマーケティングとなるか、リスクの高い賭けとなるかで意見が分かれている。
どのようにジョークが広まったのか
Worldは、7月1日にソラナのファントムウォレット上で運用を開始した。データと決済はチェーンリンク(LINK)が担った。ソラナ公式アカウントは開始1週間前にこの新サービスを宣伝していた。
数日後、Worldはフォロワーにロビンフッドチェーンへの移行を表明し、ソラナ財団へ感謝を述べるとともに、洗練された移行ロゴを投稿した。
そのターゲットが、信ぴょう性を高めた。ロビンフッドチェーンは実在するアービトラム基盤のレイヤー2で、トークン化株式向けに7月1日にローンチしたばかりだった。
同週、同ネットワークはDefiLlamaによれば1日あたり5億6390万ドルの取引高記録を打ち立てた。ブームを牽引したのはトークン化株式でなくミームコインだった。暗号資産業界で最も熱い新チェーンと目された。
複数のメディアが移行を事実として報じた。1日も経たずして、Worldはジョークであったことを明かした。
評価は二分した。ソラナ共同創業者アナトリー・ヤコベンコ氏はこのジョークを拡散。コインゲッコー共同創業者ボビー・オン氏は巧みなマーケティングだと評価した。
「彼らが本当にロビンフッドチェーンへ移ったのか、ソラナに残るのかまだ分からない。パロディであり、実際にはソラナにとどまるのだと思う。多くの人の関心を引き付けたことが一番重要で、消費者向けテクノロジーでそれこそが最重要だ」とオン氏はコメントした。
一方で批判派は、信頼を損なう「釣り」行為だと指摘する。実際に賭け金が動く以上、看過できないとの声も上がった。
ジョークは成功だったのか
オンチェーンの記録が、失敗か成功かの判断を難しくしている。アナリストのario_57氏が構築した独自ダッシュボードは、Worldの活動状況を追跡している。約437万ドルの名目取引高を計測。7月1日のローンチ以降、1日当たりの利用者数は最大約3000人に達した。
ただし取引高のピークは、ジョーク前の7月6日ごろにあった。累計値には、バイラルな午後だけでなくローンチ後の1週間全体が含まれる。ジョークとWorldの勢いは重なったが、ジョークがその勢いを生んだわけではない。
230万回の閲覧数はWorld自身による集計であり、注目の量を示すに過ぎない。同時に、予測市場は新たな監視の目にさらされている。信用失墜がより高くつく状況だ。
現時点で、Worldはジョークの裏側に製品を持ち、暗号資産業界から一定の注目を集めている。だが、その注目が定着した利用者となるかどうかは、今後数週間で明らかとなる。









