7月CPI発表控え市場が核心インフレ注視

  • 米国消費者物価指数は7月に前年比3.4%上昇する見通しで、6月の3.5%増からやや減速する予想だ。
  • 年率ベースのコアCPI上昇率は、従来の2.6%から2.5%に緩やかに低下する見通しだ。
  • ユーロ/ドルのテクニカル見通しは、短期的な強気派の慎重姿勢を示す。
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米労働省労働統計局(BLS)は水曜日に7月の消費者物価指数(CPI)を公表する。今回のレポートでは、消費者物価とコア指数の上昇ペースが小幅に鈍化すると見込まれている。

月次ベースのCPIは前月の0.4%低下に続き、0.1%上昇すると予想されている。一方、前年比では前月の3.5%から3.4%に縮小する見通し。変動の大きい食品とエネルギー価格を除いたコアCPIは、月次で0.2%、年次で2.5%の上昇が見込まれている。

原油価格は5月に約16%下落した後、6月にはさらに約20%下落し、戦争前の水準まで戻った。6月17日に米国とイランが停戦合意に達し、和平交渉を開始するとの報道を受け、市場では安心感が広がった結果、CPIインフレ率は予想以上のペースで鈍化した。

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米国インフレ率、サービスとコア財の持ち直しで反発の見通し

TDセキュリティーズによれば、7月のインフレ 指標は6月の一時的な鈍化からやや持ち直す可能性が指摘されている。同社は次のように予想する。

「7月のコアCPIは、6月の一時的な弱含みから反発し、月次で0.20%上昇したもよう。サービス価格のインフレ再加速がけん引し、とくに家賃・住宅所有者帰属家賃(OER)、航空運賃、医療、レジャーなどが目立つ」

さらにTDは「コア財も3カ月ぶりの上昇となった可能性が高い」とし、「ヘッドラインCPIはガソリン価格の低下を生鮮食品の上昇が相殺し、月次で0.15%程度の伸び」と指摘している。全体として「今後発表される数字には上振れリスクが残る」と注意を促している。

次回CPIデータで注目すべきポイント

米国とイランはホルムズ海峡の再開で合意できず、軍事衝突の応酬が再燃。7月にはWTI原油先物が約22%上昇した。ただし、イランとオマーンが海峡管理合意に前向きと伝わると、8月第1週には原油価格がいったん下落した。

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また、米国の7月雇用統計が予想外の弱さを示し、非農業部門雇用者数(NFP)は2万3000人減少したことで、投資家は9月の米連邦準備制度理事会(FRB)利上げ観測を後退させた。

CMEグループFedWatchツールによれば、市場は次回の政策会合で25ベーシスポイント(bp)の利上げ確率を約52%と織り込んでいる。

FED利上げ予想の動き
出典: CME Group

一方で、今週に入り原油価格が再び上昇し始めたことから、市場では据え置きを疑問視する見方も根強い。イラン政府は、米国が一連の条件を受け入れない限り、オマーンとの合意だけではホルムズ海峡の活動再開には十分でないと主張している。

OCBCのアナリストは、FRBの方針期待を大きく変えるには、ハードルが依然高いと指摘。「7月のコアCPIが月次で0.3%以上となり、市場予想(0.2%)を上回れば、9月利上げ観測が大きく高まる要因となる」と分析する。

同社は「ドル相場がレンジ圏で推移していることと、リスク姿勢が全体として前向きであることから、原油市場の不安定さにもかかわらず、キャリートレードは引き続き支援される」との見解を示す。「原油価格は、ホルムズ海峡再開への期待で一時下落したが、イランが米国に厳しい条件を突き付けていることから、エネルギー市場の供給増は当面限定的と見られ、先行きは依然不安定」とも分析する。

米CPIレポートはユーロ/ドルにどう影響するか

市場は、エネルギーコスト上昇が幅広い経済に波及しているか見極めるため、月次コアCPIに注目している。コアCPIが月次で0.3%以上の伸びとなり、原油の見通しが不透明な状況が重なれば、9月のFRB利上げ観測が再燃し、米ドルが即座に上昇する可能性がある。

この場合、ユーロ/ドルは改めて下押し圧力が強まる。一方、市場予想である0.2%を下回るコアCPIとなれば、米ドルが弱含み、ユーロ/ドルの反発要因となる。

ただし、CPIは遅行指標であるため、市場の反応は短期的となる可能性がある。それよりも投資家は原油価格動向に注目し続けている。仮にコアCPIが上振れても、原油安ならばFRBが現状維持に傾く姿勢が強まり、米ドル下落となる可能性もある。

逆に、中東情勢がさらに緊迫し、エネルギーコストが上昇した場合、7月のインフレ鈍化データは無視される可能性がある。

欧州時間帯リードアナリストのエレン・センゲゼル氏は、ユーロ/ドルのテクニカル見通しを簡潔に分析する。

「ユーロ/ドルは、1月下旬から引いた下降トレンドラインをわずかに上抜けたが、100日単純移動平均線(SMA、現水準1.1570付近)に到達後は勢いを失った。加えて、日足チャートのRSI(相対力指数)は60を下回り、上昇モメンタムの低下を示している」

「上値では1.1570(100日SMA)が目先の抵抗帯、1.1630(200日SMA)が次の重要レベルと重なる。これを日足で上抜ければ、1.1800(水平抵抗)への上昇トレンド再点火のサインとなる。下値は1.1470(20・50日SMA)、続いて1.1350~1.1330(水平抵抗、ボリンジャーバンド下限)がサポート」

ユーロ/ドル日足チャート
ユーロ/ドル日足チャート

UOBグループのアナリストは「上昇モメンタムに顕著な強まりは見られず、さらなる上昇のためのハードルは高まっている。ユーロの続伸にはまず1.1580を終値ベースで超えることが必要であり、そのうえで1.1600を目指す展開となる」と指摘する。さらに同行は、「強いサポート」水準をこれまでの1.1495から1.1515へと引き上げており、ユーロがもみ合う中で取引レンジがより狭まっていることを強調している。


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