ビットコイン買い再燃、6万7000ドルに罠の可能性

  • ビットコインは$67,000台を回復したが、オプション市場のポジションはボラティリティを高めやすい状況にある。
  • アキュムレーショントレンドスコアは、価格が$60,000台に下落する中で広範なオンチェーンの買いが見られたことを示している。
  • デリビットのガンマエクスポージャーは$6万7,000付近でマイナスに傾き、値動きを増幅させる構図だ。
プロモーション

ビットコイン(BTC)は6月の下落で6万ドル付近まで下げた後、6万7000ドル前後を回復した。オンチェーンデータでは、実需の買いが入っている。もっとも、ビットコイン価格の戻りは、ボラティリティを抑制するというより拡大させやすいオプション構造に差し掛かっている。

底打ち観測の根拠は、需要の回復にある。一方で、その需要が実際にどこで現れているかが重要だ。現時点でエビデンスが強いのは後者である。

スポンサード
スポンサード

オンチェーンでのビットコイン買いが6万ドル付近下落時に復活

「アキュムレーショントレンドスコア」は、保有量を積み増すウォレット規模を計測する指標である。1に近い数値は広範囲での買い集め、0に近い数値は分散を示す。

価格が6万ドル台に下落した6月初旬、同スコアは全体的に積み増し方向へとシフトした。下落局面でも新たな投げ売りではなく、オンチェーン上では需要増加が観測された。

BTC アキュムレーショントレンドスコア(Accumulation Trend Score)の推移
BTCアキュムレーショントレンドスコア 出典:Glassnode

その後、価格は急反発した。5月からおよそ15%下落した後、安値圏では1セッションで中1桁台の上昇となった。反発の勢いが強く見える一因となった。

このパターンは、典型的な「押し目買い」局面に合致する。大口も小口も下段で買い向かった。取引所の残高が同時に減少していることは、売却準備ではなく保管への移動を示唆する。

需要回復のみでは底打ちの確証にはならない理由

底堅さには需要回復が不可欠だが、それだけでは十分でない。同指標は先の下落局面でも複数回「買い集め」を示唆していた。

この指標は「誰が買っているか」は示すが、「買いが早いかどうか」は示さない。分散(売り)が2025年の高値更新局面を通じて優勢であったが、結果的には下落を防げなかった。

スポンサード
スポンサード

6月初旬の下落は、強制清算(ロスカット)も増幅要因となった。ストップ狩りの波は下落と反発双方を加速させる。反発の一部は新規の信念というより、ショートカバーによる機械的な買い戻しで説明できる。

オンチェーン指標による底打ち判断は、本サイクルでも過去に失敗していることを最近のシグナル分析が示す。「押し目買い」姿勢が数週間続いても、価格だけはじわじわ下がる例は多い。需要だけで反転点が確定することはまれ。

デリビットのオプションポジションは「不安定ゾーン」

ガンマエクスポージャーは、価格変動に応じたオプションディーラーのヘッジ動向を示す。「正ガンマ」ではディーラーが下落では買い、上昇では売りとなり、ボラティリティは抑制される。「負ガンマ」では逆になり、変動幅は拡大しやすい。

デリビットのヒートマップで6万7000ドル付近の密集が確認できる。この水準は「負ガンマ」と解釈され、ディーラーは下落局面で売り、上昇局面で追随買いをしやすい。したがって、この価格帯にいる限り、落ち着いた反発よりも変動が拡大しやすい。

落ち着いた相場が期待できる「正ガンマ」ゾーンは、8万ドルから8万5000ドル付近となる。言い換えれば、ビットコインは依然として安定ゾーンより下の「不安定ゾーン」で反発中である。

BTC デリビット(Deribit)ストライク・ヒートマップ
BTCストライクヒートマップ Deribit 出典:Glassnode

満期前には密集したストライクが価格帯を固定しやすいが、エクスポージャーの性質からも、底堅いリバウンドより鋭い値動きとなりやすい。

同じ「正ガンマ」帯は上値抵抗帯にもなる。8万ドル付近まで上昇すれば、ディーラーが強気局面で売りを浴びせて抑制効果をもたらす。安定と同時に抵抗帯にもなるゾーンである。

ビットコイン次の動向を左右する価格帯

注目すべき価格帯は3つある。6万ドル付近(緑色ゾーン)は直近の安値で、積み増し組が守るべき下値。ここを明確に割り込むと需給やサポートの根拠が崩れる。

6万7000ドル付近の集積地帯(下段赤ゾーン)は、ボラティリティの中心価格。この範囲内では2方向への急変動が続きやすい。

BTC 日足チャート
BTC日足チャート 出典:TradingView

7万5000ドルから8万ドル付近(上段赤ゾーン)到達が、大きな転換点となる。このゾーンが「正ガンマ」のクッション帯である。

この水準を回復すれば、懐疑的見方も和らぎ、「より前向きな6月の予想シナリオ」とも整合する。

ビットコイン買い方針の総括

需要は確かながら、それが即座に好材料になるとは限らない。オンチェーンでの蓄積は、買い手が現れた兆候を示すが、これが底値を示すものではない。

ビットコインが実際にボラティリティを抑制する水準を回復するまで、この反発は脆弱だと見なした方が安全だ。上昇への展開もあり得るが、オプションの構造上、今は強気な見方より慎重に構える局面。


BeInCryptoの最新の暗号資産市場分析は、こちらをご覧ください

免責事項

当ウェブサイトに掲載されているすべての情報は、誠意をもって作成され、一般的な情報提供のみを目的としています。当ウェブサイトに掲載されている情報に基づいて行う一切の行為については、読者ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。

スポンサード
スポンサード