イーサリアムETF資金流出の陰で進む資金循環

  • イーサリアムETFは7週連続で資金流出となり、XRPファンドは流入が続いた。
  • ビットコインETFは7週連続の資金流出となる一方、XRP、ソラナ、HYPEには新規資金が流入した。
  • オンチェーンの資金フローは依然イーサリアムに偏り、資金循環が一方通行ではない可能性を示唆する。
プロモーション

イーサリアム(ETH)価格は約1711ドルまで下落した。スポット型イーサリアムETFの流出が7週連続で続く一方、ネットワーク独自のデータは対照的な動きを示している。

2大暗号資産ファンドから新興プロダクトへの資金移動が本格化する様相。イーサリアムはその中間で難しい位置付けとなっている。

ビットコインとイーサリアムETF、7週連続で資金流出

スポット型ビットコイン(BTC)ETFは7週連続で払戻し超となった。週間スポットETFフロー(ファンドへの資金流入と流出の差額)は、6月5日の17億2000万ドル流出から、6月22日には6800万ドルまで縮小した。

ビットコインETFフロー:SoSoValue
ビットコインETFフロー:SoSoValue
スポンサード
スポンサード

イーサリアムETFも同様に7週間連続で流出超。直近の週間流出額は6600万ドルとなり、5月中旬の2億5500万ドルから減少したため、流出ペースは鈍化している。ただし新しい週が始まったばかりであり、金曜日までの動向が注視される。

イーサリアム・スポットETF週間フロー
イーサリアム・スポットETF週間フロー:SoSoValue

両暗号資産ファンドが資金を失う展開となったが、そのペースは悪化せず緩やかに推移している。

この対照は、規模の小さいファンドに目を向けると一層鮮明になる。

XRP、ソラナ、HYPEファンドに資金流入

主要資産の資金流出が続く中、XRP ETFには8週連続で資金が流入。6月上旬の価格下落局面でも流入基調を維持した。

XRP・スポットETF週間資金流入
XRP・スポットETF週間資金流入:SoSoValue

ソラナ(SOL)ファンドは5月中旬以降、ほとんどの期間で資金流入基調を維持し、目立った資金流出週はごくわずか。純資産は約8億3600万ドルに上る。

ソラナ・スポットETF週間フロー
ソラナ・スポットETF週間フロー:SoSoValue

ハイパーリキッド(HYPE)ファンドは5月13日の上場以来、1週たりとも資金流出を記録していない。累計約1億8300万ドルが流入。大型ETFからの資金循環(ローテーション)が顕在化し始めているが、アルトコインETFへの流入規模はまだ限定的。

スポンサード
スポンサード
HYPE・スポットETF週間フロー
HYPE・スポットETF週間フロー:SoSoValue

もしイーサリアムから資金が逃げているなら、ネットワーク自体にはその兆候が見られない。

イーサリアムのステーキング需要、解約圧力を大きく上回る

オンチェーンの動きはETFからの流出と真逆の様相。バリデーターの解約待ちキューには約22万3000ETHが並ぶが、ステーキング新規申込は約268万ETHに達している。

イーサリアムバリデーターキュースナップショット
イーサリアムバリデーターキュースナップショット:ValidatorQueue

解約圧力を12倍上回るイーサリアムのステーキング需要が確認され、売り圧が高まる局面とは逆の状況。実際のフローもこの動向を裏付ける。6月前半の解約優勢な日々から一転し、直近10日間は日次バリデーター入金額が純増に転じている。

バリデーター入金と出金の比較
バリデーター入金と出金の比較:Dune

取引所に到達するアンステーキング済みETHはごくわずかである。最も多かった日でも約2万4000ETHにとどまり、日々の取引所流入額の一部に過ぎない。このため、エグジットが市場に波及していないことが示唆される。

取引所に到達するエグジットETH
取引所に到達するエグジットETH 出典: Dune

取引所残高とステーキングトークンにも同様の落ち着きが見られる。

取引所からの流出減少とstETHペグの維持

取引所からの流出は安定している。取引所純ポジション変化(取引所への入出金を追跡する指標)は、6月9日にマイナス56万4000ETHだったが、6月22日にはマイナス44万2000ETHまで緩和された。依然として純流出が続く。

ETH取引所純ポジション変化
ETH取引所純ポジション変化 出典:Glassnode

6月初旬、ETHが約20%下落する中でもstETHのペグは1.0付近を維持した。ペグの安定は、保有者が慌ててアンステーキングや売却を行っていないことを示す。

stETH対ETHペグ比率
stETH対ETHペグ比率 出典: Dune

チェーン上で健全な運用が続く中、今後の資金フローの方向に注目が集まる。

ETFデータが映さない静かなローテーション

直接的な指標である「ローテーションスコア」に目を向ける必要がある。これはBTCとETH両方の5日間純フロー合計に対するETHの割合をZスコアで表示したもので、現状はプラス1.05。ETHへの傾きが強まっていることを示す。ただし、ETHのシェアは21%にとどまり、大半は依然としてビットコインに流れている。

トークンのテクニカル分析と市場の最新情報:さらに詳細なインサイトをご希望の場合は、編集者ハルシュ・ノタリヤが毎日お届けするニュースレターにご登録ください。こちら

本スコアは水準でなく変化を測定する点に特徴がある。直近までETHのシェアは12~15%で推移していたため、21%への上昇は標準偏差約1ポイント上の動きとなった。

BTCからETHへのローテーションシグナル
BTCからETHへのローテーションシグナル 出典: Charlie Quant Lab

つまり、ETFの資金流出が続く中でも、周縁ではETHへ資金が通常より速く回り始めている。ヘッドラインとなる資金流向では目立たないが、直接の流れの内訳を見れば察知できる。まだ+1ラインわずか上の段階であり、あくまで初期の弱いシグナルに過ぎない。

週次ETFデータとオンチェーンでの分岐、そのギャップが本格的なテストの機会を生む。

グランドローテーションの本格化を裏付ける条件

現時点でグランドローテーションはあくまでパターンであり、確定的な動きになっていない。XRP、ソラナ、HYPE流入が規模拡大し、ビットコインとイーサリアムから資金が流出し続けることが確認材料となる。

この仮説が崩れるパターンは2つ。メジャー銘柄の週次フローがプラス転換する場合と、アルトコインへの流入が停滞する場合である。

イーサリアムは引き続き特異な存在となっている。ネットワークは堅調だが、ETF需要は弱含みが続く。ETFから資金流出が見られても、ポジティブなローテーションスコアが示唆する通り、すべてが資産から流出しているわけではない。週次フローが再びプラスに転じれば、イーサリアムETFの回復か、他ファンドへの一段のシフトかが明確となる。


BeInCryptoの最新の暗号資産市場分析は、こちらをご覧ください

免責事項

当ウェブサイトに掲載されているすべての情報は、誠意をもって作成され、一般的な情報提供のみを目的としています。当ウェブサイトに掲載されている情報に基づいて行う一切の行為については、読者ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。

スポンサード
スポンサード